飛んで、はしゃいで、ナツしました!
誤字報告ありがとうございました。
海である。
わーれはう〜みの子、である。子供達はきゃあきゃあ喜んで波打ち際で遊んでいる。
白波も立っている。
「おい、あんまり沖に行くんじゃねえぞ!」
「ハイ、ブラッキーさん。」
ドギーやマギー、リサにアニーにロラン。
揃って返事をしながら水を掛け合っている。
ブラッキー君はなんのかんの言っても面倒見が良い。
水泳部の顧問の先生が子供達を指導しているって感じである。
私達は大きなパラソルをたてて、その下に簡易テーブルと椅子を置いて、のんびりとしている。
馬車を連ねてやってきたので本当に日焼けがヤバくなったら馬車の中に入ろう。
エリーフラワー様印の日焼け止めを塗りまくる。
「あ、カニさん!」
ランが歓声をあげる。
「おとさん。砂でお城を作ったよ!」
「おお。アスカ。上手だな。」
アンちゃんが相好を崩す。
「暑くないですか?飲み物をどうぞ。ビレイーヌちゃん。カルラさん。」
「ありがとうございます、ハンゾーさん。」
隣のパラソルの下、ハンゾー君はビレイーヌちゃんとカルラさんにつきっきりである。
カルラさんの表情は明るい。恋する乙女である。
ハンゾー君はどう思っているのか。嫌いでは無さそうです。
「キューちゃん、そこにいる?宜しくね?」
キュー。
母の声に青い光と共に姿を現す美獣。
そう、今日は母がキューちゃんを動員したのだ。
この子供好きの神獣は時々姿を現しては、ラン達と遊んでくれている。
時々美しい毛皮に砂がついてしまっているが、
ぶるん!
と払っている。
(こういう仕草は普通のワンちゃんと変わらないなあ。)
「ほら、キューちゃんもジュースをお飲みなさいな。好きでしょ。」
コーン。
母からアップルジュースを瓶ごと受けとり、ぺっ。と瓶だけ吐き出している。
目を細めてご機嫌だ。
まわりに清浄な気が満ちる。
ホント、安心である。万が一子供たちが毒クラゲに刺されても、高波にさらわれても、キューちゃんがどうにかしてくれるのではないか。
「そろそろ、スイカ割りをしませんか。」
コハク国のアルクさんが馬車の中からスイカを出す。
「アッハイ。やはりそれも伝わっているのね…」
「それはなんなの?レイカちゃん。」
キョトンとしたアンちゃんにスイカ割りを説明する。
「あらやだ。キューちゃん。舌舐めずりしてるの?割ってしまうまで待ってね?」
母が慌ててスイカに熱い視線を送るキューちゃんに待て!をする。
布が敷かれて丸々としたスイカが置かれた。
「じゃアまず、ちびっ子からヨ。ラン、アスカ、ビレイーヌちゃん。頑張ってネ。」
アンちゃんの仕切りで目隠しをした子供達が当てる。
「えーい!」
「とうっ!」
「はは、うまいぞ、ランにアスカ。」
ちゃんとスイカには当たるのだが、チカラが弱くて割れないな。
「ちぇすとー!」
どこで覚えたか知らない掛け声でビレイーヌちゃんも棒を振るが、スイカには当たらなかった。
「ざんねん。」
目隠しを取りながらビレイーヌちゃんが口を尖らせる。
その表情はカレーヌ様にそっくりである。
「ビレイーヌ様、頑張りましたね。」
カルラさんが労う。
ホント。
ピタリとスイカに当てたウチの子はすごい。やはりアンちゃんの血か。
まっすぐに歩いていってパチリと当てたものなあ。
その後もドギマギやらロランがやったけど空振りばかりだった。
「よし、それでは私が手本を!そうれええ!」
パシリ。
おっ、さすがにお箸の国の人、アルク君。
やり慣れているね。
ヒビが入ったよ。
「兄さんに続け!オラアアア!」
…スピカさん、掛け声が男らしいっす。
パカン!
割れましたよ!
「ヤッター!」
その瞬間、
パクリ!
「ああっ?」
非情にもスイカは白狐様の口に収納された。
「ああっ!カケラも残さずっ!」
膝から崩れ落ちるドギマギにロラン達。
ペロリと口のまわりを舐めてキューちゃんは消えていった。
「…だいじょうぶ。そうていの、はんいない。」
アルク君が我に還る。
「そう。まだスイカはあります。」
スピカさんが持ってくる。
「ちゃんと包丁で割って食べましょう。スイカ割りだとぐちゃぐちゃになるから、食べにくいんですよ。」
「そうね。私の前世の記憶でもそうだったわ。」
「レイカさん、そうですよね。」
そうなのよ。スイカ割りも何回かしたけどさ。
砕けちゃって泥もついたりするから。
「他に切って食べる用に用意しておいたのです。」
「へえ、気が効くなあ。スピカさん。」
「やだわ。ブラッキーさん。褒めても何も出ませんよ…なんちゃって。もっと褒めて?」
片手を顔の前からくいっと曲げて、もう片手を口元やってホホホと笑うスピカさん。
(動きがおばあちゃんの様ですよ。)
「ははは!面白いなあ!アンタ。」
おや。
二人笑いあって良い雰囲気である。
「夏はなあ。開放的な気分になるからな。ま、いいんじゃねえの。」
アンちゃんは肩をすくめるのであった。
「ふたりの愛ランド」ですね。
昔カラオケで良く歌いました。




