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ブルーウォーター公国物語(続グランディ王国物語のそのまた続き)  作者: 雷鳥文庫


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河のように流されて。ゆるやかよりも長くしっかりと。

 カレーヌ様のところのチーズケーキやパイが出されて、和やかに会話が進む。

「何しろこのヨーゼフは、もう親がおりませんでな!拙者が後継人になっており申す。

人柄は保証いたしますぞ!はっはっは。」

エドワード様は絶好調である。


「何しろ、そちら様の大事なお嬢様とお付き合いさせていただくのですからな!

仕事も拙者が口をききましてな!安心してくだされよ。」


「それは本当に…願ってもない事でして。」

ショコラママとショコラパパは頭を下げっぱなしだ。


「ショコラさんには拙者もお世話になっておりますから、堅実な相手と添い遂げてほしいと思うでごわす。」

ウンウンと頷きながらコーヒーを飲むエドワード様である。

(そして軽くセピア君を下げている。やはりあの女好きなところは流石のエドワード様も思うところがあったのか。)


「エドワード、圧をかけるんじゃないよ。」

アンちゃんが横目で見る。

「はて?」


「オマエの正論パワーだと、何も言えねえだろ。」


まあ、確かにそうだ。


「ねえ、ヨーゼフ君。私達も展開の速さに戸惑ってるのよ。

まるで急流に流されているみたいなの。」

「うーん、レイカさん。こう言うのは勢いですからね!」

茶色のフサフサとした髪をゆらし、にっこりと笑うヨーゼフ君。

「彼女を好きと言う気持ちで突っ走ってきました。」


「ま、まあ。そうなのね…ショコラさんはどうかしら。」

「フフフ。レイカさん。元々は私のほうからぐいぐいと迫ってましたから。

嬉しさで一杯です。」


彼女の視線からは外堀を埋めたるでえ!の決意が見え隠れするのだった。


「私、あのオルゴールをもらった時に、すとん。と恋に落ちたのですわ。」

頬を染めてうつむくショコラさん。

ほう。あの「幸せになり器」かね。


「あのオルゴールの曲を聴くたびに気持ちが落ち着いて。最近色々ありましたから。」

ふうっ。

ため息をつくショコラさんに、ブラッキー君も頭を掻きながら同意する。

「だな。」

「なんかあったのか?」

ショコラさんのご両親の顔が強張る。

「親父。さっきもな?うるさい小蠅がブンブンと付き纏っていてな。」

あら、セピア君ったら。ハエにされてる。


「やはりセピアなのか?さっきキューちゃんが嫌がっていたのは!」

おや、ヨーゼフ君。さっきの表現でわかってなかったのかしら。


「ええ、ヨーゼフさん。さっきもしつこくって。抱きついてこようとしましたわ。」

ショコラさんが胸を押さえて眉間にシワを寄せる。

「私、怖くて。」


―――見事に蹴飛ばしていたよね?


「あんの野郎!ぶっ飛ばしてやる!」

立ち上がるヨーゼフ君だ。

「大丈夫だよ、最後は俺が締めたから。」

ブラッキー君が複雑な顔で言う。


「まあなア。事実をかいつまんで言うとその通りだ。」

アンちゃん…笑いを堪えてますね。


「女好きで色魔のセピアか!ウワサは聞いてる。オマエもとんでもない奴に目をつけられたな!」

憤るショコラパパ。

「ええ、クノイチや商家の娘さん、学校の女生徒にも満遍なく手を出しているとか!!

『文句があるなら愛人の魔女に呪わせるぞ!』といって脅すからみんな泣き寝入りとか…嗚呼…恐ろしい、みだらなやつ!!」

身震いして顔色を悪くするショコラママ。

えええ。なんか虚実入り乱れてない?


「何だって!アイツはそこまで酷いヤツだったのが!ゆるせん!」


ヨーゼフ君も信じるんじゃないよ。


「こほん。ちょっとその話は盛られているぞ。影のものとして情報は正確にな。

セピアはあの占い師のロージイと婚約しただけだ。

そいつがセピアに惚れ込んではいるが呪うチカラは無いよ。」

アンちゃんが流石に嗜める。

「そうですな!ロージイはセピアを守っているだけでごわすよ。」


公平な視点を持つエドワード様も口を出す。


「女生徒には手は出してない。ただ、ケイトと言う子に説教したことが大袈裟にまわってるんだな。

で、ま、ショコラに未練タラタラなのは否定はしない。」

アンちゃんが微妙な笑いを浮かべた。


「どっちにしろ、ショコラさんが危険なのは間違いない。

私が同居して彼女を守ります!!」

「ああっ!ヨーゼフさん!嬉しいっ!」

ひしっと抱きつくショコラさん。


――美しい光景である。

ショコラさん…その気になれば…セピア君なんかぎったんぎったんに出来るでしょうに。

その芝居ががった仕草にブラッキー君は顔を背け、アンちゃんは笑いを噛み殺している。

ま、いいか。彼女が幸せなら。


「もちろん、嫁入り前のお嬢さんをお預かりするのですからな!

それ相応の覚悟が必要なのでごわす。

ヨーゼフ、まだ婚約はしていないのであるな?」

「ええ。エドワード様。私の気持ちは決まっています。

ショコラさん、生半可な気持ちで同居話を持ちかけたわけではありません!

ご両親も良く聞いてください!」


わああっ。まさかこの流れってさ。

ブラッキー君は目を丸くした。

ご両親は固まった!

アンちゃんの口は弧を描く。

エドワード様はウンウンと頷く。


「ショコラさんが宜しければ結婚を前提でのお付き合いをしてもらえませんか?

出来れば今日この日に、この場所で婚約を結びたいのですが、いかがでしょうか、どうでしょうか!

ショコラさん、貴女のお気持ちは如何に!?」


畳み込んでくるなあ、グイグイと。


うん、怒涛の展開である。

いつのまにか川の流れに流されるようだ。

いや、川流れするのは河童か。

混乱するわたし。


さて。

来週に続く…ではなく、次の話に続きます。




「河よりも長くゆるやかに。」

吉田秋生さん、大好きです。

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― 新着の感想 ―
私も吉田秋生さん好きです! あの話も、男子高校生ってこうなの?と弟をチラ見したりしましたね。(すでに大学生だったような気がするけど) ユーミンのダンディライオンを聞かなきゃと思ったりしましたよ。
前段の枇杷ですが、皮が傷つくと傷みが早くなるので、そのまま食べた後はシロップで煮てコンポートなどにしてました。 ちょっと黄桃の缶詰っぽくなりますが。 ヨーグルトとかと食べてもいいですよね。 そういえ…
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