自殺願望
神霊廟のとある一室、そこでは二人の人物が口論をしていた。
「失礼な!私は彼女の心を癒してあげようと!」
「言っておきますがあれはセラピーではなくナンパです。その証拠に彼女は顔を真っ赤にしていたじゃないですか。」
「ま…まぁまぁ…神子様、屠自古様…私なんかの為に争わないで頂いても…」
「そう言う問題じゃありません!ともかく布都に送らせますから!」
醒邏はそう言われれば一人で立ち上がって外へ出た。
「………どうせ私なんて…」
そう呟けば醒邏は姿を消した。神霊廟に一つの置き手紙を置いて。
「ん?この文は…太子様宛じゃな…」
神霊廟の尸解仙である物部布都はその手紙を持って神子と屠自古のいる部屋に入っていった。
「あ!ちょうどよかった!布都、外にいるセイラという子を送って来なさい!」
「それよりも太子殿、太子様宛に文じゃぞ?」
「手紙かい?今時珍しいなぁ。どれ、なになに………屠自古、布都。」
布都に渡された手紙を読むと神子は突然真面目な表情に変わった。そんな急変に二人は驚いていたがその後の命令でやっと意味がわかった。
「二人に命ずる。…………今すぐ醒邏を探してこい。彼女は…私が読んだ欲以上に傷が深かったようだ…私も探す。見つけたら神霊廟で匿うように。」
「…………承知したぞ、太子様。」
「お言葉ですが太子様!彼女にそこまで執着する理由だけでもお聞かせ願いたい!」
屠自古がそう聞くと神子は嫌がることもなく口を開いた。
「彼女の欲、『誰にも迷惑をかけたくない。』だった。不思議だろう?」
神子はそう言えば剣を腰に差して地上に向かった。
博麗博麗神社では霊夢が永琳を連れてきて魔法の森の怪我人を処置をさせていた。
「これで今のところは安静にしておけば治るわ。」
「ありがとうね。」
「いえいえ。大丈夫よ。今日は治療器具の運搬は永夜も手伝ってくれたしね。」
八意永夜。“月の核兵器”と呼ばれ、つい最近まで月にいた人物だ。ちなみに最近といっても来たのは大正元年位だった。
「…………なぁ、二個ほど妖力の揺らぎがあった。ひとつがしめいているのは自殺願望、もうひとつは捜索か…」




