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  作者: 水野 すいま
83/124

第83話 幽霊

「やあ、久しぶりだね。どこに行ってたんだい?」

久々に学校に来て早々机に突っ伏している燃に笑顔の石田由香里が話し掛けてきた。

燃は少し顔をあげて

「旅行・・・」

と言ってすぐにまた突っ伏した。

「楽しかった?」

由香里は興味津々のようだ。

「苦しかった・・・」

突っ伏したままの体勢で燃が答える。

「苦しい?何で?」

首をかしげながら、由香里が訊いた。

燃の隣の席が空いていることを確認すると、由香里はそこに座った。

どうやら話は長引きそうだ。

「企業秘密だ。」

燃は面倒くさくなってきたようだ。

声がいい加減になってきている。

「ふ〜ん・・・まあいいか。」

由香里はこれ以上は何も言ってくれないと感じ取ったのか、立ち上がって自分の席に向かって行った。


ー夜の学校ー

燃とリンは静かに学校の校門から学校の中に入っていった。

いつもより少し早めであるが、良平に携帯でいきなり呼び出されたのである。

校舎の前の辺りで良平、美穂、光太郎、俊平が何かを話し合っていた。

「で?どうしたんだ?」

燃は良平に歩いて近づきながらそう言った。

「多分、妖がいる。」

良平が簡単に説明した。

「何だよ多分って・・・」

呆れた顔で燃が言った。

しかし俊平、美穂、光太郎も真面目な顔をして校舎を見ている。

その様子を見て燃もただ事ではないと感じ取り、真面目な顔になった。

「さっきまでそこに居たんだけど、一瞬にして消えたんだよ。・・・フワ〜っと幽霊みたいにな。それに妖の気配がなかった。」

真面目な顔をして良平が言った。

「ゆ・・・幽霊か・・・って、何で俺を呼ぶんだよ!?俺がそう言うの苦手だってこと知ってるだろ?」

「この中じゃあ、やっぱり君が一番強いみたいだからね。いざという時に居てくれないと危険なんだ。」

俊平が真剣な顔で言う。

「・・・・・・分かったよ。」

しばらく考えた後に燃は承諾した。

「で?作戦は?」

「一応手分けをして探そうと思うんだけど・・・」

「?・・・何かあるんですか?」

「ああ・・・また例の彼女が校舎に入り込んでいて・・・」

「っ・・・あの馬鹿・・・!!」

燃はすぐにその『彼女』が石田由香里であるということを察知し、走って校舎の中に入っていった。

「あっ、燃!!」

リンが呼び止めようとした時にはすでに遅く、燃の姿は消えていた。

「彼女のことは彼に任せておいて、僕たちは手分けをして妖の方を探しましょう。」

俊平はそう言って校舎の中に入っていった。

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