第84話 発見
「本当に居たの?その妖。」
「うん。白い服を着た女の人だったみたいだけど・・・」
リンが訊くと美穂が頷きながら答えた。
二人は今校舎の中を探し、良平と光太郎は外を探している。
俊平もおそらく校舎の中に居るのだろう。
「あの・・・それってもしかしてあんな感じの・・・?」
廊下の奥を指しながらリンが言った。
そこには死装束のような真っ白な着物を着て、髪を地面に付くほどまでに伸ばした女性が立っていた。
「下がって・・・!!」
そう言ってリンは自分の後ろに美穂を下がらせ、レーザーガンをその女性に向けた。
「誰なの!!」
リンはその女性に聞こえるように声を出した。
しかしその女性は答えずにリンたちに向かって歩き出す。
リンはレーザーガンを構えたまま固まっている。
「う・・・撃たないの?」
後ろから美穂が訊く。
「妖の気配がない・・・」
妖であるかもしくは向こうに敵意がない限りは一般人かもしれないので撃てないのだ。
女性はリンたちから5メートルも離れていない。
「動かないで・・・!!撃つよ!」
そう言ったがその女性は何も言わずに近づいてくる。
リンが下がろうとした瞬間、その女性はは急に身をかがめ、リンに向かって飛び掛ってきた。
「くっ!!」
反射的にリンは振りおろされる女性の手を受け、突き飛ばす。
「リンさん・・・!!」
急いで美穂が近寄る。
「大丈夫。」
そう言ってリンがその女性にレーザーガンを向け、引き金を引いた。
「全く・・・どこに居るんだよ、あいつは・・・!!」
腹を立てた口調で燃が辺りを見渡す。
すると廊下の奥に誰かが倒れているのを見つけた。
「!!」
急いで駆け寄るとそれが由香里だとすぐに分かった。
「おい!!」
体をゆすりながら声をかけると由香里はゆっくりと目を開けた。
「あれ・・・?荒木・・・君・・・?」
「ああ、そうだ。」
頷きながら燃が言った。
「何でまた夜の学校に来たんだよ?危険だって言ったろ?」
起き上がるのを手伝いながら燃が訊く。
「私・・・普通に帰ろうとしたけど・・・?」
「何?」
思わぬ答えが返ってきて燃は思わず訊き返す。
「でも・・・何だかいきなり眠くなってきて・・・」
思い出すようにして由香里が言った。
「待て・・・」
「どうしたの?」
いきなり真剣な顔になった燃を不思議そうな顔をした由香里が尋ねる。
「妖の気配だ。」
そう言って燃は立ち上がった。
「あっ・・・ちょっ・・・」
「お前はそこで待ってろ!!」
由香里が起き上がったときにはもう遅く、そう言って燃は走り出していた。




