後編
15歳未満の方は引き返しをお願いします。
R15ってどこまで書いて大丈夫なのでしょうかね?
たくさん質問した。
自分達しか知らないことを。
記憶忘れが少しはあったものの、9割以上の正解率だった。
これはもう認めるしかなかった。翔は姫である・・・。
考えてみれば、前世でも騎士であった私は姫に振り回されっぱなしだった気がする・・・。
それは生まれ変わろうと、性別がかわろうと変わらないのは無理もないかもしれない。
「姫。どうしてもですか?」
「翔だよ。」
「翔様・・・。」
「ただの翔だって。大体タメなのに、様とかないだろ?」
「でも昔は家臣でしたので・・・。」
「相変わらずすぎだなー。前世も名前じゃなく姫で通していたし。ほんと、頑固で人見知り激しくて、まったくかわってない。そんなさくらが好きだよ。」
「姫はかわりすぎです。」
翔が姫だと分かって、私は簡単な敬語が抜けなくなった。
前世の記憶が絡んでいるのは間違いないと思う。意識してというより、なかば自然にそれが当然と思えてしまうから不思議である。
「それにここまで来ておいて、どうしてももないだろ?」
まったくもってそのとおりかもしれない・・・。
こんなところ――それはすなわち、ラブホテル。
我ながら情けないぐらいに、姫に弱いんだと思う。
昔の記憶というなかれ。
昔とても愛していた彼女に、しかもみれんたらたらの相手のお願いごとをきっぱり断れる日本男児が何人もいる?なかなか難しいと思うよ?
しかも、その相手とはまだお互いに愛情が残っているとしたら?
ほら、流されてくれる私の気持ちも分かってくれるでしょう?
私たちはベッドの上に座った。
隣どおし、隙間をあけることなく。
翔は私の手の上に手を置き、そしてまた私にキスを落とす。
「変わった俺は嫌いか?さくら。」
お互いの鼻がわずかにあたる顔の距離で翔が言う。
「悔しい事に好きです。ずっと姫の魂に恋焦がれてました。ただ、私が女に生まれてしまった地点で恋人になるというのはあきらめていたので戸惑っています・・。」
「敬語はやめろよ。俺達今生は主従関係にないんだ。」
そして更に彼はキスを落とした。
「あの、翔さ・・・。本当に・・・あの・・・。」
「今更だろ?前世ではたくさんやってるんだし。」
「いや、ほら前世と姿が違うし、更に性別も違うからどうしていいのか・・・」
あの、その・・・
男がやるほうの動きは覚えてるけど、女の身はでの体験は初めてで・・・。
「お前初めて?」
顔が真っ赤になる。
ああああああ。もう。
19年女として過ごしてきた羞恥心は健在で、顔が赤くなるのを止めれない。
翔はくすくすとわらう。
「俺をずっとまっててくれた?」
悔しいから顔を背けるしかできない。
「好きだよ。さくら。」
組み敷かれる。
前世では彼女であり主であった姫から。
怖かった。
けどそれ以上に姫にたいする愛情でいっぱいだった。おかしなことに翔が姫だと分かった瞬間に、この人が運命の相手と受け入れてしまう自分は単純すぎるかもしれない。
たくさん待ったから、すぐ桜を自分のものにしたいという台詞に抵抗できなかった。
「姿・・・見せて。」
覚悟を決めて服を脱いだけど、ブラとショーツ以外にキャミが脱げていない。
恥ずかしいのだ・・・。
「私はかつての姫ほどスタイルよくないです・・・。」
「そんなこといったら、オスカーほど筋肉ないよ?俺。さくら。見せて。さくらの姿がみたいんだ。」
翔はそういって、キャミソールをそっとぬがす。
「かわいいよ。」
体温がどんどん上昇するみたいな感覚。なんでこんなにも褒められると嬉しいんだ・・・。
男だったときは、自分もよく褒めた。褒めたっていうよりも自然に声に出た。翔もそうなのだろうか?だったら、よいのだけど・・・。
ブラジャーのホックがはずれ、たゆんだソレはたやすく上へとずらされた。
二つの膨らみが外気に触れる。
彼の手が触れる。
「なんか立場が逆って本当に複雑です。」
「そう?俺は、これはこれで幸せだよ。」
「私はそっちの立場に・・・。」
ん・・・
唇がふさがれた。
ねっとりとした舌が自分の口の中に入ってくる。
深い、キス。
たっぷりと舌どうしをからませ、そして離れる。
「不安なのか?」
ふ、不安です・・・。
しゃべって気を紛らわしたくて・・・。
だから、不必要に言葉が多くなっていく。
「大丈夫。」
そういってやさしく髪をなでてくれる。
やさしく。
とても気持ちよくて、安心できた。
「信じる。」
うん。大丈夫。
翔は優しく、私の体を触り、そして撫でる。
そのたびに体は振るえ、痺れが来る。
吐息が近くにくるだけで、熱くなり頭がぼーっとした。
「ぁ・・・。」
意識せずとも、出る甘い声。
これが自分のものとか、考えていられない。
丁寧にもみ、頂点を軽く刺激する。
そのたびにくる、快感に酔いそうだった。
「やぁ・・・。ああぅ・・・。」
へんな感じだった。過去の記憶とはぜんぜん違った。
全身で、すべての感覚をつかっているようで、目を開けては閉じを繰り返していた。
目を開けているときは、彼の顔を必死に見続ける。その瞳を。
その瞳を見続け。
「さくら。腕を・・。」
翔の首に腕をまわす。
「愛してるよ。」
「うん。私も、愛してます。」
――いっ・・・
無理やり傷口をこじ開けるような、痛みを襲った。だけども、彼はとても幸せそうな顔をしていたから、私も嬉しくなった。
その日はお互いの体温を確かめ合いながら、眠りについた。
女側のエッチも悪くないかも?
前言撤回
次の日。
目が覚めて普通にトイレに行こうとして・・・。顔を赤らめた。
だって。
痛いんです。いろいろと動くのが・・・。
うー・・・。
動き方に変に力が入る。普段気にしないところに神経がいっちゃって。
なんか変。
「女って大変だろ?」
翔がそんな俺の様子をみて、笑いながらいった。
言葉に重みがある・・・。さすが前世で女だけありますね。
「最初だけだから。」
なんていうか、男にアドバイスもらってる私って・・・。
むー。
でもいっか。
「おはようのキスでも、いかがですか?」
この時代なら、二人の障害は何もない。
これからがストーリーの始まりである。
順番は別になった気もしなくはないけど、思い出を作っていきましょう?
我が主さま。