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私と勇者の初めてのデート2/2—

私は無我夢中で走り続ける。どこに向かってるのかもわからないまま走り続けていると、目の前の扉にぶつかった。私は足を崩して派手に転んだ。

「何やってるんだろ・・・私・・・」

突然大声を出して目の前にいる男性にきついことを言って、まだ18歳になったばかりの人に大人気ないこと言って突き放して。これじゃ私がまるで駄々をこねる子供そのものじゃない。私は擦りむいて少し血が出てる膝を見ていると、雨が降っている音が聞こえた。私は立ち上がってゆっくり歩いていくと、そこには広い花園が広がっていた。

「王宮の中にこんな綺麗な花園があるなんて・・・」

私は自然と花園の方に向かっていく、雨に濡れても別に気にしなかった。私は花のトンネルをぬけて、ある白い花に目に写った。近づいてみてみると、それは私でも知っている花だった。

「薔薇だわ・・・この世界にも薔薇ってあったのね」

私はその白い薔薇にあの人を重ねた。あの人の雰囲気が、白薔薇そのものだったから。


「こんな所にいたら風邪引きますよ?」


そう言われて後ろを振り返ると、そこには綺麗な金髪が雨に濡れていても輝いていて、綺麗なすきとおった青い目をした男性、ラインヘルツが私の前に現れた。

「あなたこそ、そのままの格好じゃ風邪をひきますよ。だから私をあなたの服で守ってないで屋根のある場所に戻ってください」

彼が自分の服を雨避けの為に私の上で持っていてくれているが私はそれを拒絶する。

「あなたが濡れるくらいなら僕は自分が濡れることを選びます」

「っ馬鹿じゃないの?!私はなんの取り柄もない女なのよ?でもあなたはこの世界の勇者なんでしょ?誰が見たってあなたの方の無事を祈るわ!だからね私のことはほっといて!!!」

私はまた彼に冷たくあたった。私はこの世界に来て、ワガママになりすぎている。そんなことはわかってるでも彼との年齢の差が私と彼との距離を離す。

「そんなに僕との年齢の差をお気になさるのですか?」

「当たり前でしょ?未成年の人と付き合うなんて非常識よ・・・」

私がそういうと、彼は私を後ろから抱きしめてきた。

「ちょっ、何すんのよ?!」

「あなたからすれば僕はまだ子供なのかもしれませんね・・・でも、あなたとあの時初めてあった時、僕はあなたのことを綺麗な女性だと思いました。本当ですよ?あの時僕は確かにあなたに惚れました。年齢を気にされているのでしたら、それを気になさらないくらい僕を好きにさせます。どれだけ時間をかけてでもあなたを好きにさせます。勇者なんて関係ありません。僕は一人の男として、あなたを今愛しているのだから・・・」

それを聞いて、この人は本気で私を好きでいてくれていることにようやく気づいた。ここまで言わせておいて断ったらバチが当たることは間違いない。

「いつか絶対後悔するわ・・・こんな年上を好きになったことを・・・」

「後悔なんてしませんよ・・・本当に本気であなたのことを好きになったのですから」

「本当に、本当にいいのね?私を好きになって・・・」

「えぇ・・・後悔なんて絶対にしませんから」

それを聞いて私は立ち上がった。そして彼の目を見て言いたいことをはっきり言った。

「分かりました。あなたが本気なのは認めます。でも勘違いしないでください。まだあなたの嫁になるつもりはありません。ここからがスタートです。いいですね?」

その言葉を聞いて彼は、私の目の前で跪いた。

「もちろんです。時雨さん、必ずあなたを好きにさせてみせます」

徐々に雨が止んでいく。夕焼けの光があたりを照らしていく。

「それではまず怪我の手当に参りましょう」

「えぇそうね。そうしましょう」

私が歩きだそうとした瞬間。彼は軽々と私を抱き抱えてきた。これが初めてのお姫様抱っこだった。

「ちょっと、恥ずかしいから下ろして!!」

「ダメです。怪我人を歩かせるわけにはまいりませんので」

彼は笑顔でそう言った。その笑顔はまさに王子様スマイルでとても輝いていた。結局そのまま私を医務室まで運んで行った、走ることなくゆっくりと、まるでこの時間を楽しむように、ゆっくりと歩き続けて行った。

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