百合小説【第23話】影井小百合の服選び③
「パンかなぁ…さっちんは」
「寿司ですかね…」
「間とってサ○ゼにしよう」
「寿司要素ないんですけど」
「ならジャンケン」
「ん〜茶碗蒸し美味しい〜さっちん食べる?」
私が勝ったので寿司にになった。
「越谷どうしますか?」
「ん〜まぁいっか、服はちゃんと見るけどね☆」
私の額を触り、前髪を手で持ち上げこちらの顔をなめまわすようにを見つめてくる。
「…な、なんですか」
「さっちんっていやっぱ美形だよね、髪切ればいいのに」
「美容室とか怖くて…」
母親が美容師免許を持っており、切りたい時に切れる。幼少期からそうしていたため、今更行く意味というものが分からない。
「なら私が行っているところを紹介してあげよう☆」
芸能人が行っている美容室と聞くだけで敷居が高い。それ以上値段が高そうだと思っている。
「どれくらいするんですか?」
「なんと無料ですぅ!お金貰える時もある」
「?」
「カットモデルだからね、枠空いてるか聞いてみよう!サーモン貰っていい」
カットモデルと言うと、見習い美容師とか新人がやっているイメージがあるが嘉陽田さんの雰囲気からそんな違和感は感じ取れない。身を委ねていいのだろうか。
「ちょっと…それはいくらなんでも、あ」
「金とコネならここにある!」
口にサーモンを頬張りながらそう話した。自分の顔を晒されるのは得意では無いため、今のうちにそれは断りを入れたい。
「…したらお金払います」
「なら私のカード」
「しまってください」
わざわざ出したカードを財布にしまって食事を続ける。あおさの味噌汁を動揺を隠すかのように飲む。
何らかしらの意味があると願って美容室に行くことにした。
「その前に服選びだぁ!」
と次が来る前にと嘉陽田がスマホで何かを調べている。
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