前へ目次 次へ 2/3 2章 「その作品の主人公の今に至るまでの追憶を書いてな。その主人公というのがこれまた苦労をしないタイプでな。書いていて羨ましいと思うんだ。個人ながらな」 ふーんと涼子。 「見る気の一つや二つ起きないか」 「その小説が完成してからかな。だってその人の人生なんでしょ?そ~んなのみちゃったらつまんないじゃん」と月見。 「ところで月見さんって月見何って言うのかな?」 「友子だよ」 「ふーん、大猿にでもなりそうな名前ね」と涼子。 あんたは良く涼やかにそんなことが言えるな。困ったものだ。