発覚
翌日、学校で休憩時間に教室で楽しく話す楓と和也。
「次はキャンプに行こう」と笑顔の和也。
「いいね」と笑顔で応じる楓。
教室の扉が開き、瞳が入ってくる。
「ちょっといい? 和也」
「どうした? 瞳」
「伊藤さんも来てくれない?」
「?」
人のいない廊下に立つ楓と和也と瞳。
「伊藤さん、土曜日はどう過ごしたの?」
瞳は楓を見て言う。
「……言う必要、ありますか?」
「レジャーランドに行ってたんでしょ?」
「⁉」
「しかも、彼氏以外の男と2人きりで」
「え?」と楓を見る和也。
「なんで……」
困惑した表情を浮かべる楓。
「これっ」
楓と和也の前に携帯をかざす瞳。
「‼」
携帯の動画に映る楓と広樹。
「友達がレジャーランドで偶然見かけて撮ったビデオよ」
「……」
動画を見つめる和也。
「彼氏がいるのに、別の男と2人きりで、しかも土曜日にレジャーランドでデートするなんて、どういう神経してるの?」
「……」
黙って動画を見ている楓。
「しかも……このあと、傑作よ」
楓と広樹を追跡する撮影者。広樹の告白映像が流れ始める。
『僕が恋人になれる可能性、ないかな?』
『……わかりません』
『もしかして、彼氏いる?』
『……いるような、いないような』
「最悪ねっ」
吐き捨てるように瞳は言い放つ。
『どうかな、はっきり言ってほしい。僕が伊藤さんの恋人になれる可能性はない?』
『……ぜ、ゼロじゃないです』
『本当に⁉』
『……はい』
「ドン引きなんだけど」
瞳はそう言い、携帯の動画を閉じた。
「……」
黙っている和也。
「……」
黙っている楓。
瞳は勝ち誇ったような表情を楓に向けて言う。
「最低な女ね」




