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余命わずかの偽彼氏  作者: AuThor
22/26

発覚

翌日、学校で休憩時間に教室で楽しく話す楓と和也。


「次はキャンプに行こう」と笑顔の和也。


「いいね」と笑顔で応じる楓。


教室の扉が開き、瞳が入ってくる。


「ちょっといい? 和也」


「どうした? 瞳」


「伊藤さんも来てくれない?」


「?」


人のいない廊下に立つ楓と和也と瞳。


「伊藤さん、土曜日はどう過ごしたの?」

瞳は楓を見て言う。


「……言う必要、ありますか?」


「レジャーランドに行ってたんでしょ?」


「⁉」


「しかも、彼氏以外の男と2人きりで」


「え?」と楓を見る和也。


「なんで……」

困惑した表情を浮かべる楓。


「これっ」

楓と和也の前に携帯をかざす瞳。


「‼」


携帯の動画に映る楓と広樹。


「友達がレジャーランドで偶然見かけて撮ったビデオよ」


「……」

動画を見つめる和也。


「彼氏がいるのに、別の男と2人きりで、しかも土曜日にレジャーランドでデートするなんて、どういう神経してるの?」


「……」

黙って動画を見ている楓。


「しかも……このあと、傑作よ」


楓と広樹を追跡する撮影者。広樹の告白映像が流れ始める。


『僕が恋人になれる可能性、ないかな?』


『……わかりません』


『もしかして、彼氏いる?』


『……いるような、いないような』


「最悪ねっ」

吐き捨てるように瞳は言い放つ。


『どうかな、はっきり言ってほしい。僕が伊藤さんの恋人になれる可能性はない?』


『……ぜ、ゼロじゃないです』


『本当に⁉』


『……はい』


「ドン引きなんだけど」

瞳はそう言い、携帯の動画を閉じた。


「……」

黙っている和也。


「……」

黙っている楓。


瞳は勝ち誇ったような表情を楓に向けて言う。

「最低な女ね」


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