「私はひき肉となりました」
月曜日の夕方から私はひき肉となりました
日中までは元の体を保っていたのですが
日暮れと共に身体中に痺れが伝わり
のたうち回っていたところ、ひき肉となりました
私の意識はその近くにあります
ひき肉となった身体の側を
宙に浮きながらふわふわと漂っています
来週までに納期が迫っていたのですが
もうやる必要はありません
こうしてひき肉となってしまった以上
ただこうして、ぷかぷかと浮いている事しか
出来ることは何一つありません
「どこで間違えたんだ?」だなんて
ありきたりな自省はいたしません
最初から間違っていたのです
恐らく5〜6年前から既に
6年間積み立ててきたものもゴミになりました
情熱は比較的最近まで保てていたのですが
時が暮れると共に身体中に痺れが伝わり
叫び散らかしていたところ、ゴミとなりました
積み立てたものの霊は私の近くに存在します
焼却炉で焼かれたその魂は
燃えかすとなりながらも漂っています
再来週の納期はまだ無効になっていませんが
なんかやる気が湧いてきません
こうしてゴミとなってしまった以上
ただこうして、じぃっと部屋に閉じ籠るしか
暇をつぶす手段は何もありません
それに加えて私はひき肉にされたものですから
あの日夢見た幻の夢を見ながら彷徨っています
部屋から出ることもなく
ぷかぷかと浮いています
今では先月から貯まっている空のペットボトルだけが
この世界の私の友達です
頭の中にはそれはそれはたくさんの面白い人がいて
いつか会えるといいなと思っています




