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「誰かの為のアルケミスト」
誰かの為のアルケミスト
特定の誰なのかはわからないけど
誰かの為のアルケミスト
ただそれだけは分かっている
アルケミスト、つまり錬金術師って
てっきり「for」の存在とかないものだと思ってたよ
自己満足でやっているものかと
でも、こうして人々に貢献してきているということは
誰かの為のアルケミストになれていることだよね
誰の為に、アルケミストしてるのだろう
独り立ちを願うお母さんの為?
後継ぎを望むお父さんの為?
でもきっと、それらの為ではない
誰かの為のアルケミスト
どこの誰の為かはわからないけど
誰かの為のアルケミスト
ただそれだけは分かっている
アルケミスト、そういった類の存在って
てっきり社会貢献の概念がないものだと思ってたよ
自分勝手にやっているものかと
でも、こうして人々に感謝されてきているということは
皆が必要とするアルケミストになっているんだね
誰の為に、アルケミストしているんだい?
学費の足りない弟さんの為?
病に冒された妹さんの為?
どうやら、それらの為でもない
湖のほとりに立つ詩人は語りかけてくれたよ
「全てが巡り、繋がっているのだよ」と
草臥れた帽子を僕に託してくれたよ
「いつか必ず、繋がりますように」と
誰かの為のアルケミスト
まるで夢を旅した少年みたいで
誰かの為のアルケミスト
ただそれだけを分かっていた




