幼馴染は完璧じゃないぐらいがちょうどいいのかもしれない。
「ティナ、ただいま。」
「お嬢様、只今もどりました」
二人とも言ってみるだけ言うが、肝心の本人には聞こえるわけもなく、玄関はシンとしていた。それもそのはず、ティナの家の広さを考慮したらこんな声響くわけもない。
「しーくん、ちょっと急ごうか。お嬢様が心配になってきた」
「ティナの魔力だけは透過してみえているし、安定しているようだけど、ひとまず安心じゃないか。まぁでも早く会いたいけど。」
「そういうことじゃないわよ。お嬢様は私が安全に家まで送り届けたし、家の周りも結界で強化しているから安心。万が一何者かが侵入したら、たとえダニのサイズでもわかるわ。今のところ問題なし安心して。
で、それとは別で心配なことが…」
「キャぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!!!!」
ティナの悲鳴。声ですぐにきづいた。一体何が、敵はいないはずなのに…。
彼女の悲鳴を聞き体がすぐにうごいた。まだ治りかけの傷口が再び開こうがしったこっちゃない。今しかできないことをなぜ後回しにできる。声はダイニングとリビングがある居間からきこえた。
「しーくん、ここは私がいくから無理しないで」
「いや、俺も行く」
サナだけでいくのは危険すぎる。ここは俺もいかなければならない。
足に魔力を全力集中させる。足の健がきれようとも、全速力でティナの元へいかなければ。
「しーくん、ほんとに私がいくからむりしないでっって」
直線の長い廊下を瞬きする合間に移動し、居間につながるドアごと蹴り飛ばす。ドアは金具がはずれ大きく吹っ飛んだ。
[ティナ!!大丈夫か!!一体なにが…へ?」
ティナは驚いた表情を見せ、一体何が起こっているのかわからないという表情だった。
それもそのはず、ティナは誰かに襲われていたわけでもなく、ケガをしていることもない。しいと言え、ば右手の薬指に絆創膏をしているぐらい。
「シューベル、おかえり。でもどうしたのそんなに急いで?…あとドア直しておいてほしいかも。」
ティナはフライ返しを片手にもう片方でフライパンを掴んでいた。
「あ~~~~あ、これはしーくんやりすぎ。このドア高いんだぞぉ」
あとからやってきたサナが顔をだした。
「あら、サナも帰ったの、お帰りなさい」
「お嬢様、ただいまです。それよりお嬢様は料理に集中なされたほうがいいかと。また油が飛んできたらわめくおつもりですか」
「え、あ、ああぁぁぁぁぁああああああああ!!!!私のハンバーグがこげげちゃうぅぅ!!!!」
ティナはすぐさまフライ返しでひっくり返そうとするうがすでに遅い。ハンバーグが
フライパンにくっついてしまいもうどうにもならない。
ハンバーグの裏面がフライパンにくっついたままめくれてしまった。中から肉汁があふれだしてくる。
「サナぁぁぁぁああ!!!どおうしよ~ぉぉ。…キャぁぁぁぁああ!!あちぃぃ、油がはねたぁぁ!なんでこんないうこときかないのよ」
ティナは叫んだり、わめいたり、ハンバーグに文句をいったり、はちゃめちゃだ。
「お嬢様、私がお代わりしますのではなれてください」
「うううぅぅぅ。…怖い」
「なにを言っておられるのか…。魔法のほうがもっと恐ろしいのに。はい、ほら離れましょうね」
サナは恐怖で動けなくなっているティナの肩に手を添えてそっと後ろにさがらせる。
「私にかかればこんなのちょちょいのちょいです」
結局その場はサナの料理スキルによってすぐに解決された。
「うううぅぅぅ…、シューベルにかっこわるいところ見せちゃった…。ほんとはもっとうまくつくって、ほめてもらうつもりだったのに…」
ティナはかなりおちこんでいた。テーブル椅子に座ったままぐったりしている。
「はい、完成と。私けっこうやるわね。あんなにぐっちゃぐっちゃだったのにここまで立て直すとは。上手になってきたかなぁぁ」
「サナで上手くなかったら私なんて、なんなんなのよ」
ティナの口から愚痴がこぼれた。たしかにサナは料理が上手なほうだとおもう。うん、かなり。
「ティナ、ありがと。俺なんて作ろうともしないからティナ以下だぞ。元気出せよ」
「うううぅぅぅ、そんなことない。シューベルはシューベルで頑張りたいこと頑張っているじゃん。私は中途半端者ですよ」
サナは思っているよりメンタルがやられているようだった。
「ティナの料理はまた別の時にとっておくから、これからうまくなればいい。最初から上手くいく人なんていないからさ。元気だしな。」
「うん、わかった。まだまだ最初のスタート地点よ私。これから絶対上手くなっていつか…、いつか……………のときのために。よし、。」
彼女は自分自身を鼓舞するとともにいつものティナにもどっていった。
「ん、それでさ、シューベル。あなたがぶっ壊してくれたドア早めに直しといてちょうだい?ドアが開きっぱなしだとおちつかないし、そもそもなんで壊しちゃうのかな?」
「あ、…」
やっべ、忘れていた。俺がティナ悲鳴を敵の襲撃だと勘違いしてその勢いのあまりドアをぶっ壊したんだった。
「お嬢様、しーくん。先に夕食にしませんか?せっかくの共同作業でつくった料理が台無しじゃないですか。」
「サナ、あなた傷えぐるの好きわね。私がその…一割にも満たないというのに」
「ええ、むしろマイナスでしたから」
「う、うるさい!!」
サナとティナは喧嘩するほど仲がいい。昔はちょっと合わなかったこともあったから…。今の二人を見ていると安心だ。
「ほら、シューベル、あなたはドアをなおしてからご飯たべなさい。そうじゃないとあげませんから」
「え?」
「何とぼけているのよ。魔法で一瞬でしょ」
「お嬢様、あのドアは防犯ように魔法が効かない素材でつくられているのdす。なので素手ですね」
サナがこちらをみてクスッと笑った。
アイツめ…「だから、時間かかるからあとでもいいかなティナ」
ティナは少し考えるふりもしないで言った。
「だめよ。いまやりなさい。まさか諦めるとは言わないわよね?」
うううぅぅぅ、今度はこっちがわめきたくなりそうだ。
「わかりました。やればいいんでしょ。」
サナはもう一度こっちをみてほほ笑んだ。悪魔の顔だ。そんな悪い顔がティナにはまだ移っていないことを祈るだけだ。
「サナ、いい考えがあるの。シューベルにはついでに前に壊した庭に出るときのドアもしてもらいましょ
」
お前らは悪魔か!!!!!!!




