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質問

いきなり何かの事件の犯人にされた彼は驚きながら否定していたが、圓城が彼に幾つか質問をしていくと次第に顔を青くし始め最後は泣き出し自分から罪を自白し始めた。…聞いた内容は凄惨なものだった。およそ、理解出来ない常軌を逸したもので普通なら絶対にしないことだった。彼は自分でも何故こんな事をしたのか分かっていなかった。ただ、これで人を幸せにしてあげられるはずだった、そう思っていたと仕切りにつぶやいていたが、意味がわからない。その後すぐに警察が来て彼を連行していった。俺は圓城と探偵部に行き問う。


「どういうことだよ!圓城!」


「……なにがだ?」


「いきなりあの人が犯人だとか言って、おまけに犯人は自白し出すし俺は何も聞いてないぞ!」


「言ってないからな。……そもそも川をこの事件に関わらせるつもりは無かった。いや、今もない。」


「……なんで。」


「…役に立たないからだ。」


「……。」


「…前から思っていた。川は探偵部に向いてない。いつも怪我をするし、一人で突っ走るし、後先を考えない。いつか致命的な事故を起こす。」


「……。」


「まぁ、私が無理矢理入部させたのが悪かったのだが。あの時は部員も少なかったからな、だが、今はもう人数も能力も充実している。お前に無理させる必要もない……川、探偵部を辞める気はないか?」


「……。」


「散々迷惑をかけた後だがもうお前に無理させる必要もなくなった。」


「……。」


「気付いていたかもしれんがこの事件だけじゃない。他の件からもお前を参加させないようにさせてきた。」


「……。」


「もう充分だ。あとは山下とでもイチャイチャしながら高校生活を謳歌すればいい。……散々迷惑をかけた後だがな。」


「……そうだな。……前からそんな感じがするとは思ってたんだ。……本当にいいのか?」


「ああ。」


「……分かった。今までありがとう。」


「……ああ。」




俺は探偵部の部室を出て行った。










「…蒼夜」


「……。」


「…無視するな。」


「…俺は何も聞いてないぞ。」


「川の事か?」


「当たり前だ。…あいつ、愚痴の一つも言わなかったぞ。散々迷惑を?本当にあいつは死にかけるような事してきたぞ?それなのに部員が充実してきたから辞めてもいいぞ?ふざけてるのか!」


「……。」


「俺がここにいるのは川ありきの探偵部だ。今すぐ川を呼び戻さないと俺も辞めるぞ。……言わなくてもわかると思うが姫星もな。」


「……。」


「…お前は川の事が好きなのかと思っていたがな。…俺の勘違いか。」


「…蒼夜、今回の事件はまだ終わっていない」


「今はその話じゃないだろ!」


「…川を……川をこれ以上巻き込みたくないんだ。」


「…どういうことだ?」


「少し話を聞いてくれ。………さっきも言ったとおりまだこの事件は終わってないんだ。サンタクロース事件の犯人は捕まった。だけど、まだ、黒幕が捕まってないんだ。この事件を促した犯人が、」


「他にいるのか。犯人が、…そして、あいつは誰かにそそのかされたってことか?」


「ああ、正確には洗脳に近い。本人が犯罪を自覚していない状態だったからな。かなり高度な技術をもっている。…さらに洗脳される前の犯人はどこにでもいる普通の人間だ。だが、操られた人はみんなサイコパスと呼ばれる凶悪な性格の人間に変化しているんだ。…サンタクロースの犯人もそのサイコパス診断で見つけ出したからな。」


「…なるほどな。それで川とはどういう繋がりだ?」


「そのサイコパス診断に引っかかった奴がいるだろ?」


「…おいおい、まさか。」


「まだわからない。もともと、そういう性格なのかもしれない。だか、もう一つ共通点がある。」


「………。」


「去年、サンタクロース事件以外に似たような事件が起きている。ハロウィン事件という悪戯をして周るという最悪の奴だ。そいつは捕まったのだがやはりやった事への自覚が全く無かった。……名前を八口勝利という。……サンタクロース事件の犯人の名前は?そして、もうすぐある7月のイベントは?」


「…そんな理由で川が選ばれたのか?」


「可能性があるというだけだがな。……遊んでいると思わないか?」


「……どうするんだ。」


「月宮のサトリも姫星の嘘診断も川にはたぶん効かない。…自覚してない可能性があるから。……今日から川を尾行し続ける。それ以外方法がわからない。」


「…辞めさせるというのは。」


「…油断させるため、だ。」


「なら初めからそう言え。…すぐ川の尾行を開始する。」


「頼む。」



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