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公園

俺は小さなベンチで休んでいた。


「……。」



《天野川》


…正直、凹んではいない。姫星や蒼夜、月宮に比べたら俺は凡人だ。いくら頑張っても役に立たないこともあるさ。だが圓城に言われるとは


「……。」


……まぁ、いつかは言われるだろうなと思ってたし部活を辞めれるなら好都合だ。これから他の事も出来る。バイトして旅行とか、ゲーム三昧とか、将来の事とか。……少し考えるはずだった。


「……。」


ここは公園、子供達の遊びの場、日が暮れるまで騒がしさは鳴り止まない。そんな場所、ーーー


「…君、リストラされたのかい?」


ーーのはず。何故か見知らぬ男性に声をかけられる。


「いや、俺は」


三十代のスーツを着た男性が語りかけてくる。


「隠さなくてもいいよ。…僕と同じ雰囲気を感じる。」


「……。」


彼の顔はこの世の全てに絶望したような顔をしている。…こんな人と同じと言われてどうすればいいのだろう?


「大丈夫。きっと明日があるさ。」


「……。」


何故か励まされる。夢も希望もない顔でそんな事を言われても説得力はまるでない。


「今日さ、上司にクビを言い渡されてさ。」


「……。」


…さっきまでのが前振りだと今気付いた。


「途方に暮れてさ」


「…うん。」


会話が続く、逃げられなくなった。…しょうがないので適当に聞くことにする。ウンウン言っとけばいいだろ。


「それでも勇気を出して妻と娘にその事を伝えに家に帰ってみたら、置き手紙と離婚届が置いてあった。」


「……うん。」


「手紙に、……好きな男が出来たから別れてって!もしくは死んでって!」


「……う、うん。」


……重い!どんだけ不運が重なるんだ!


「その好きな男って、……僕の上司だった!」


「…ぅん。」


さらに重なる!!


「おまけに何故か僕の生命保険の額が凄いことなってる。」


「……。」


重なるというより積み重ねか!計画的に!


「……大人だからね。辛いとかキツイとか思ってても口に出して言わないけどさ、少しだけ、愚痴らせてくれないか?……相手がいないんだ。」


「……うん。」


言っていいよ!全然大丈夫だよ!


「…僕、死んでもいいかなぁ?」


「それは駄目に決まってんだろうが!」


愚痴じゃねぇし!それなら辛いキツイでとどめとけよ!


「でも、もう生きる意味が無いんだ!」


「……。」


「こんな、こんな酷い裏切りを受けて、おまけに自殺まで要求されて、何も考えたくない!死にたいよ!」


「……。」


「…ふぅ、スッキリした。……ありがとう聞いてくれて。君みたいな僕より不幸な人がいるならもう少し頑張れそうだ。」


「……。」


「ありがとう。また死にたくなったら君に会いに来るよ!」



そう言って男は公園から去っていった。その横から



「…僕の話も聞いてくれるかい?お兄さん。」


「……。」


また、見知らぬ男が俺に話しかけてきた。




……これで7人目だ。この公園に来てからずっと見知らぬ男性から人生の辛さを惚気られる。なんかの拷問か?俺にもわからない。ただ、延々と今の現状を俺に話しかけてくる。その全員がこの後、ちょっと車に轢かれてきます。首を吊ってきますと言われても信じられるような顔をしている。


「生きてても良いことないよなぁ。そう思うだろう。兄さん。」


「……。」


「まぁ、兄さんくらいになると俺に言われなくても分かってるって話だな。」


「……。」


そして、そいつら全員が俺よりも現状がマシだと言ってくる。


…殺していいだろうか。……いや、死ねばいいのだろうか?


「最近、人を見上げることに慣れてきたって感じでさ。」


……あたりを見ると電柱の影や草むらに男性の影がある。……俺への語りかけ待ちだろうか?


「地面にキスする毎日、俺、地球好きすぎだろ!」


「……。」


……なんか鬱になってくる。


「すみません!申し訳ありません!が最近のマイブーム!」


「……。」


……やばい、本当に、
















「あの大丈夫ですか?」


「……はっ⁉︎」


俺はいったい。……どうやら男の話を聞きすぎて意識を失ったらしい。


「気づきました?あなた、さっきまで死んだような顔をしていましたよ。」


「…よく言われます。」


ここ最近。あたりを見渡すとさっきまでいた男達が見えなくなっている。いるのは目の前にいる少女だけ。


「…えっと、あんたは?」


「私ですか?私は紅夕日くれない・ゆうひと言います。」




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