表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

死後の世界(1)

全てを理解した。


ここに到達して分かった。

自分がやったことはとても無意味なことだった。


死ぬというのは無に返ることだ。


“自分”という生き物は、たくさんの“命”からできていた。

それは毎日、生まれて死んでいた。

細胞一つ一つが“魂”だったといってもいい。

細胞には、“再生系細胞”と“非再生系細胞”がある。


再生系細胞は、皮膚や内臓だ。

一定の周期で細胞は生まれ変わっている。


非再生系細胞は、心臓や神経や脳。

そこに“自我”つまり“心”がある。


たくさんの“命”の集まりが、生物。


そして死んだ“命”は、この“死後の世界”に集まってくる。


死後の世界は天国でも地獄でもない。

1次元の世界。


何かがあるか、何もないのか、それもわからない。

1つの世界。


すべての命が一つになった世界。

もともと誰の“命”だったのか、そういう区別は無い。

多数であり、一つであるもの。


現世にあるもので例えるなら。


この“死後の世界”は、“生命の海”。

生き物は、空のバケツ。

生命の海からそのバケツに水を入れると、生き物が“生きる”。

バケツから水を海に返すと、生き物が“死ぬ”。


そして重要なのは。

細胞の新陳代謝に合わせて、バケツの水は常に出たり入ったりしている。

水は再利用されている。

誰かのバケツに入っていた水が、自分のバケツに使われる。

そんなことをこの世界では生き物が生まれてから延々と続けられている。


つまり。

全ての生き物の“命”の根源は一つ。

生き物は全て同じ命を共有している。


自分と自分以外も同じ“命”。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ