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闇姫三姉妹の襲撃

闇姫の城に、灰色の翼を生やした二人の女が飛んできた。

一人は黒い着物を来たショートヘアー、もう一人は闇姫とそっくりな顔だが表情は笑顔、そして眼帯はしていない。

二人とも赤い目に、全く同じ色合いの黒髪を持つ。

城のバルコニーに降り立った二人。闇姫とそっくりな方は周囲を見渡した後、城内に駆け込んでいった。

着物の方は落ち着いた様子だ。

紫の鎧を身に纏う兵士達が頭を下ろすなか、闇姫が城の奥からゆっくり歩いてくる。


「お姉様!!」

闇姫とそっくりな方が闇姫の方へ駆けつけてきた。

彼女は黒姫。闇姫とそっくりな姿でこの調子。兵士達は彼女と顔をあわせる度に変な気持ちになる。

着物の方は影姫。黒姫とは真逆で冷静かつ冷酷。

二人とも闇姫の妹に相応しい実力の悪魔なのだ。

「今回はお前達の協力を借りようと思う」

「お姉様が私たちの力を借りてまで討ちたい相手とは?」

これが闇姫と影姫の会話。特に触れあいもなく単刀直入に話し合う。

「ガンデル、見せてやれ」

闇姫はポケットに手を突っ込み、そこから何かを取り出した。


…一メートル程の身長で、白衣を着た蛙型の怪人、ガンデルが、ポケットから出てきた。

闇姫のポケットの中はどうなってるんだろうか。

「これはどうも影姫様、黒姫様。闇姫様のポケットの中でお待ちしておりました」

「いいからさっさと見せろ」

闇姫に言葉で押され、ガンデルは白衣の胸ポケットからとても小さな装置を取り出す。

装置の赤いボタンを押すと、装置の上に立体映像が飛び出した。

映像に映されてたのは海に浮かぶ一つの島、捕食者の島だった。

真っ先に黒姫が不満げな顔を見せる。

「こんなちっぽけな島?こんなんじゃ張り合いがないよ!!」

「張り合いがないうちに何とかするのだ。この島の連中は放っとけば必ずや脅威となる。私達悪魔といえど、恐れた方が良い。それに眩ましの剣が欲しくないのか」

眩ましの剣…以前闇姫とダイガルが盗賊から奪った高価な剣だ。

闇姫はそのまま城の外へと歩いていく。

黒姫は元気よく素直についていくが、影姫は何とも不思議そうな様子だ。

「お姉様…今までなら面白そうな存在はたとえ邪魔になろうともある程度弄んでいたというのに」

「…お前達がいない間にある戦士の戦いを見た。そいつらはある邪悪な男の血をひく兄妹だった。そいつらの戦いを見て私は学んだ。不安要素は徹底的に潰さなければ、厄介な事になる」

闇姫軍の猛襲は、今まさに始まろうとしていた。






そして、捕食者の島にて。四人の最強の捕食者はまたもやれなたちとの戦いに暮れていた。

わざわざ島へやってきたのはれな、葵、ラオンの三人。

迎え撃つ最強の捕食者達は四人。れなたちよりも優勢だ。

れなたちは四人に取り囲まれ、どう手を打つかと困り果てていた。

「おりゃあ!!」

ジャリュウが左手を蛇に変化させ、三人を一瞬にして締め上げてしまった。

そこへハウンディとタイガが爪を振り回し、動けない三人へ攻撃を仕掛けるが、手が絡まれてなかったラオンがナイフを振って二人を切りつけ、攻撃を退けた。

そのまま蛇の体にナイフを突き立てる。

ジャリュウは蛇を引っ込めるが、あまり大きなダメージはなさそうだ。

四人の中でも年配なダイルが、四人を代表して挑発した。

「俺達は最強の捕食者。それも四人もいる。それに対してお前達は三人だ。調査に来たんだろうが、このままじゃこの島の事を知る前に死ぬぞ」

悔しそうにナイフを握るラオン、落ち着いた様子でハンドガンを取り出す葵…。



「…?何だ?」

ジャリュウが、その無機質な目で空を見上げた。

全員が、空を見上げる。



空には、三つの黒い光が飛んでいた。

何者かが飛んでいるようだ。

そのうち一人が、赤い光を纏いだす。それを見たれなは、嫌なものを感じ取ったらしい。

「!!皆逃げろー!!」

れなが咄嗟に叫び、その光に向かって飛んでいく!

光が一瞬収縮したのを見ると同時に、れなは右手を光らせ、青い破壊光線を発射した!

その何者かも赤い光線を発射して攻撃してくる!

れなの青い破壊光線…オメガキャノンは赤い光線を貫き、三つの黒い何者かに飛んでいく。

するとそいつらはバラバラの方向に散ってオメガキャノンをかわしたかと思うと、突然軌道を変えてこちらに迫ってきた!


「ぐお!!!」

直後、ダイルが何かに吹っ飛ばされた!

れなたちが振り替えると…



そこには、闇姫、黒姫、影姫…闇姫三姉妹が立っていた。

これには流石の捕食者達も怯むしかない。その隙を見て、闇姫がジャリュウを蹴飛ばし、黒姫はタイガに黒い光弾を放ち、影姫は黒い刀、絶光刀(ぜっこうとう)でハウンディに斬撃を食らわせた!

膝をつく三人の捕食者を背に、三姉妹を代表して闇姫がれなたちに言った。

「今回はお前らと戯れてる時間はない。こいつらを片付ける」

三人に、ラオンが先行して近づいた。ナイフにエネルギーを込めて紫色に光らせ、脅すように言う。

「また何か企んでるのか?ぶっ飛ばすぞ!」

それに続いてれなもラオンの横に立つが、三姉妹は二人に目もくれず、捕食者四人の方を向いた。

この三姉妹はまずい相手である事に気づいたのだろうか。四人の捕食者は後ずさっていく。

「やれ」

闇姫の無慈悲な呟きと共に、サディスティックな笑みを浮かべた黒姫、冷酷な笑みを見せる影姫が捕食者達へ向かう!






…だが、二人の攻撃は失敗に終わった。

捕食者達の前に、ラオンと葵が立ちはだかったのだ。

ラオンはエネルギーを込めたナイフで絶光刀を防ぎ、葵は黒姫の眉間に発砲し、攻撃を止めたのだ。

「いったーい!」

額を抑えつつも笑みを崩さない黒姫。絶光刀を構えたまま摺り足で下がる影姫が静かに囁く。

「その四人を渡すのが、あなた達の為ですよ」

「うるせえ!お前達の悪行を放置して良かった事が一回でもあったか!」

ラオンがナイフを振るって闘気を高めた。

しかし影姫も悪魔だ。容赦はしない。

今度はラオンに振り下ろされる絶光刀!

「させるか!」

地を蹴り、草を撒き散らしながら飛び出すれな!

影姫、黒姫へ右手の拳がぶつかろうとした。


…しかし、同じように一同の一連の動きを観察していた闇姫がれなの前に立ち塞がり、渾身の拳を右手の平だけで受け止めた。

「感謝致します、お姉様」

絶光刀を止めつつ、影姫の手は止まっていた。


悔しそうに歯を食い縛るれな、そんな彼女を滑稽そうに見つめる闇姫。


れなはより力を高め、左手を勢いよく振るう!

今度は闇姫の顔面に命中した。周囲に放たれる衝撃波がその威力を物語る。

闇姫は依然として表情が変わらない。変わらないのだが…。

「やはり更に力を高めたか…。影姫、黒姫。ここは一旦ひくぞ」

妹達は突然の撤退命令に顔を見合わせる。黒姫が闇姫に駆け寄り、れなを押し退ける。

「何で!?折角ここまで飛んできたのに!」

「こいつらは一度この私を破った程の相手。少しでも拳の鋭さが増していたら、下手に手を加えない方が良い。出直しだ」

二人の返事も待たず、闇姫は翼を広げて飛び去った。

慌てて黒姫も後を追う。


残るは影姫のみ。


「…今回お引きになったお姉様を臆病者と勘違いされたくないので、言っておきたい事がございます」

影姫は、今の自分の発言にタイガの表情が変わったのをはっきり見た。一連の動きを見ていたタイガは、撤退した闇姫を臆病者と思っていたようだ。

「先程のれなさんの拳を受けたお姉様は、れなさんが以前よりも飛躍的に戦闘力が増してるとお察しになったのです。もし戦闘を続行していたら…正直油断していた私達も危なかったでしょう」

タイガの顔がみるみる青ざめ、ダイルも笑っていられない顔になっている。

れなの強さを一発で見切る闇姫、油断していたにも関わらず自分達を追い詰める影姫と黒姫…そして、そんな三姉妹も引く程のれな、ラオン、葵。あらゆる要素に焦りを覚えていたのだ。

…その中でジャリュウとハウンディだけは、全く動揺の仕草を見せていない。

次に表情が動いたのは、影姫だった。


「…れなさん御一行もこれ以上戦えばどちらかの誰かが死にますよ。私達に任せなさい。さもなければ、あなた方も殺しますからね」

影姫も翼を広げ、大空へ飛び去っていく。

…灰色の羽が、妖しく地上に舞い落ちた。

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