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第47話 魔王シャロが来た 7 レイアは頭が良いのか?

「なあ、お前達、配下の名前全員覚えてるか?」


 レイアは幹部達に聞く。


「そうですね、私は参謀を任されてはいますけど幹部と各部隊長の名前は指示を出したりしますから覚えていますが、その部隊の兵士の名前を覚えているかと言えば覚えていませんね」


「俺も総隊長になってますけど大体ドラギオスと同じですね」


「私は兵士の育成をしていますからそれなりに覚えていますが、全員は覚えていませんな」


「私も幹部の方々とメイド達の名前は覚えてますけど、兵士までは覚えていません」


「私も皆と同じです」


「リズ、お前はどうなんだ?」


 レイアはリズに振り向いて聞く。


「もちろん、私は全員覚えていますよ、レイア様から聞かれた時にいつでも答えられるように」


「と言う事は、最近入ったゴブリン族のジェイクの事も知っているのか?」


「はい、もちろん」


 レイアは幹部達に聞いた後。


「そうか、僕はやる必要のない事までやっていたのか」


 そんな事を独り言のように言っていた。


「そんな事ありませんよ、配下の者達も言っていました、自分のような一兵士の名前を覚えていただけて光栄だと言っていましたよ」


「そうなのか? 僕に気を遣っているだけじゃ」


「いいえ、私がこの耳でちゃんと聞きましたから、皆さんもそうですよね?」


 リズは咄嗟に幹部達にも聞く。


「そうですね、レイア様に名前を覚えてもらえて、皆レイア様への忠誠が深まっているのは事実ですよ」


「若い者達もよりやる気を出しています、ですからレイア様、これからも新入りが入って来たら覚えてもらっても構いません」


 ドラギオスとライムのフォローに他の幹部達も頷く。


「そうか、ならわかった」


「何なのだ? これは?」


 シャロは不思議な光景を見ている気分だった。


「しかしレイア、人間界の学校に通ってるようだけど授業はどんな感じなのだ?」


「授業か? こっちより難しいぞ、ちゃんと勉強しておかないとヤバいくらいだ」


「そんなになのか?」


「ああ、正直こっちの世界のエリート校を首席で卒業した奴が人間界の学校に行ったら、低学年でも馬鹿かって思われるぞ」


「そんなになのか!?」


「そんなにだ」


 レイアの問いにシャロは驚愕する。


「まあ、あんな旨い物を作れるのだから、頭も良いのは当然か、でもレイア、そなたは大丈夫なのか? そんな世界の学校に通って」


「ああ、きちんと勉強して一ヶ月くらいで何とかなったよ」


「成績の方はどんな感じなのだ?」


「今の所、上位に入ってるらしい」


「え?」


 シャロは驚いていた。


「何だどうした?」


「いや、たった一ヶ月勉強してこっちより難しい授業をしている人間界の学校で上位に入るって、いや、自分の配下全員の名前を覚えるくらいだから、のう、レイア」


 ここでシャロは間を置き。


「そなたは頭が良いのか?」


 と聞くのであった。


「わからないな、リズに聞いたらどうだ? 僕と姉貴が小さい頃勉強を教えていたからさ」


「と言ってるが、どうなのだ?」


 シャロはリズに聞く。


「レイア様は頭が良いですよ、私が教えた事をちゃんと復習して覚えていましたから」


「レイア、ちなみにどこかの学校に行っていたか?」


「ああ、確かノワール学園とか言う学校に行ってたな」


 シャロの問いにレイアは答える。


「ちょっと待て、その学校我も通ってたぞ!?」


「そうなのか?」


「我とそなたって確か同い年のはずなのだ、なのにそなた学園にいなかったぞ!? そなたほどの者なら学園でも話題になるのに何にもなかったぞ、姉のレイラの方は話題になっていたけど、どういう事なのだ!?」


「ああ、そりゃそうだろ、だって僕達は会う事なんてなかったんだから」


「ん? どういう事なのだ?」


 シャロは疑問を口にする。


「僕は、学校を途中でやめたんだよ、自分から」


 





読んでいただきありがとうございます。

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