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第45話 魔王シャロが来た 5 シャロは人間界の料理を食べる

 しばらく待ちリズが戻って来る。


「レイア様、お持ちしました」


「人数分あったか?」


「いえ、足りなかったので近くのコンビニで買って来ました」


「そうか、早速準備してくれ」


「はい」


 そう言ってリズは鍋の中に水を入れ火の魔法で沸騰させる。。

 そして、その中にリズが持って来た物を入れて煮込む。

 その光景にレイアとリズ以外の者は何をしているのかと言うような顔をしていた。


「レイア、この袋のような物は何だ? まさかこの袋を煮込んで食べるのか? だとしたら人間界の人間は食べ物もわからないほどの低能な生物なのだ」


「そんなわけないだろ、食べるのはこの中身だ」


「中身?」


 煮込み続けてしばらく経つ。


『ピピピピッ!! ピピピピッ!!』


「な、何の音なのだ!?」


「安心しろタイマーが鳴った音だ」


 リズが持っていたタイマーの音を止め袋を取り出す。

 

「レイア様、できました」


「じゃあリゼ、僕とリズ以外の皿を新しいのに変えてくれ」


「あ、はい」


 しばらくしてリゼは新しい皿を持って来る。

 そしてレイアは袋を切って中の物を皿に出す。


「何だこれは?」


「ハンバーグと言う人間界の食べ物だ、牛と豚の肉を使った料理だ、凄く旨いぞ食べてみろ」


「人間の料理が旨いわけ」


「はあー、凄く良い匂いがします」


「確かに何だか食欲をそそるような感じがする」


 リゼとソウガは匂いだけですでに絶賛している。


「匂いが良いからって何なのだ」


 そう言ってシャロはハンバーグにナイフを入れる。


「な!?」


 ナイフを入れた途端シャロは驚く。


「これは驚いた」


「何て柔らかいんだ、全く力を入れていないのにスッと入ったぞ」


 ドラギオスとゼナは肉の柔らかさに驚く。


「柔らかいからって肝心なのは味なのだ、味がダメなら」


 シャロはハンバーグを口の中に入れる。


「ッ!!!」


 するとシャロは目を見開いた。


「これは、肉単体でも美味しいですが」


「ふむ、このハンバーグと言うものにかかっているソースがより旨味を引き立てていますな」


 ガリウスとライムはハンバーグの美味しさに驚愕する。


「・・・・・・」


 シャロは無言になりハンバーグを一口また一口と次々に食べていく。

 その様子をレイアはただ笑って見ている。


「・・・・・・ふう」


 ハンバーグを食べ終えたシャロ。

 その顔から美味しかったのは言うまでもないくらいの笑顔だった。


「どうだ、シャロ?」


 レイアはシャロに聞く。


「む、まあまあなのだ」


 我に返ったシャロはレイアの問いに何とも言えない感じに答える。


「その割には全部食べたじゃないか? 凄く旨そうに」


 レイアはいたずらな笑みを浮かべて言う。


「むうー」


 シャロはムッとしていた。


「で、どうなんだシャロ? 人間界の食べ物は?」


「・・・・・・認めるのだ、正直驚いてるのだ、まさかお湯で煮込んだだけでこんな旨い物ができるなんて、これだけでも人間界の人間が凄いのは我でもわかってしまうのだ」


「確かに食べ物だけでこれほどの物なら人間界の人間は我々の世界の人間とは全くの別物として考えた方が良いかも知れませんね」


 ドラギオスの言葉に他の者達も頷く。


「まあ、そう言う事だ、人間界の人間が凄い事がわかった所でシャロ」


「ん?」


「お前が来たと聞いた時に僕はお前に会って聞きたい事があったんだ」


 レイアは真剣な顔になってシャロに言う。


「何が聞きたいのだ、レイア?」


 その顔を見てシャロもまた真剣な顔になる。


「お前の配下のグムバと言う下級兵士、そいつが何者かによって人間界に送られていた、まさかとは思うがお前、何か関係はあるか?」



 

読んでいただきありがとうございます。


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