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いきおいよく伯に抱きつくと、声をあげ泣き出す。
本当は。
本当は嬉しかったの。
ずっと一人で、いつも窓から外の景色を見てた。
時折通りかかる家族をみて、羨ましくて……
だから伯が来てくれた時は本当に嬉しかったのよ?
伯は、しゃくりあげ揺れる茉利の背を優しく撫でてくれる。
「茉利ちゃん、私と参りましょう」
茉利は瞳から次々と流れ落ちる涙を拭いながら、どこへ? と問い返した。
「私はある人を迎えに行かなくてならないのです。多分それには……貴女の力が必要となります」
「茉利の……力?」
「ええ」
茉利の力……。
何かわからないけど、一人じゃなくなるなら茉利は……。
「行く。茉利も連れてって」
「……わかりました。では、共に参りましょう私と」
茉利はずっと一人だったの。
ずっと待ってたの。
迎えに来てくれたのは望んでいた人ではなかったけれど、もう一人じゃなくなるなら……いいや。
茉利の物語は、ここから始まった……。




