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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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23話:第5層

 第4層にいるバンブーポニーとバンブーベアを上限まで吸収したので、ようやく次の階層に進む。

 1ヶ月はかかっていないが、結構時間がかかったな。


 いつも通り第4層まで降りて、そこから他の階層と同じく右前方に進んでいくと第5層への階段に到着した。

 ここまではどの階層も変わらないな。

 モンスターも階段には近づかないから、この間で戦闘になることもほぼ無いし。


 緩やかに右にカーブしているのも他の階段と同じで、1分経たずに第5層に到達した。

 階段を降りた先に広がる景色は第4層と変わらない。第4層だと言われても信じてしまいそうだ。


 では目的を果たすために階段から離れて竹林に向かう。

 第5層は第4層と同じモンスターが生息しているが、第3層と同じく、モンスターは前の階層より大きくなると聞いていた。



 ガサガサッ、ガサガサッ


 竹林を進んでいくと、バンブーポニーが現れた。

 そう、第4層とは違ってすぐに分かったのだ。音がかなりしたから。

 それはおそらく身体が大きくなったことで竹を避けきれなくなったからだと思う。

 こちらに向かって突進してくる時もガサガサと笹の葉に当たりながら進んでくるのだから。


 その点は大きくなったことでこちらに有利になったが、それ以外はバンブーポニー側に有利となった。

 体長60cm、高さ40cmほどだったのが、体長80cm、高さ60cm近くになっているのだ。

 それに合わせてバンブーポニーのスピードは大きく上がり、こちらに突っ込んでくる。

 第4層の感覚で、俺は右前方に一歩踏み出し、そこから剣を振り下ろし攻撃に転じようとした。


 だが、見込みが甘かった。

 身体のサイズが二回りほど大きくなったことで、回避したはずの空間にバンブーポニーの肩が残っていたのだ。


 ぐっ……!


 避けきれず、脇腹に衝撃が走る。

 鋭く突き刺すような痛みはない。だが、プロテクターを介して、まるで巨大な鉄の塊で真横から突き飛ばされたような重い衝撃が全身に突き抜けた。


 後ろに弾き飛ばされそうになるが、俺は右足に全体重を乗せて踏ん張り、むしろその弾かれた勢いを回転運動へと変換する。

 衝撃に抗うのではなく、流されるまま左回りに鋭く一回転。

 遠心力と衝撃の余韻をすべて剣に乗せ、右上から一気に振り下ろした。


 ヒィィィン!


 加速しきった刃は、すれ違いざまにバンブーポニーの尻を深く斬り裂いた。

 大きく出血したことで、バンブーポニーの機動力は目に見えて削がれた。そこからの攻防はもはや第4層の個体と変わらず、落ち着いてカウンターを放ち、危なげなく仕留めきった。



 それにしても危なかった……防具って本当に役に立つんだな。

 自分の脇腹をさすりながら状態を確認したが、怪我は無かった。

 軽いポリカーボネートとアルミ板の積層構造のプロテクター。それがバンブーポニーの突進を真っ向から受け止めてくれた。

 衝撃自体は腹に響いたが、それだけで済んだようだ。

 プロテクターが一点に集中するはずの破壊力を面へと分散し、俺の身を守ってくれたのだ。




 道具のありがたみを噛み締めながらプロテクターの状態を確認してから、次のターゲットであるバンブーベアを探しに行く。

 以前の物欲センサーの時のように、バンブーベアではなくバンブーポニーばかりに遭遇することになったら面倒だな、と思いながら慎重に竹林を進んでいく。




 バキバキッ


 遠くから竹を割る音が聞こえてくる。次はどっちだ?


 竹林を割りながら姿を現したのはバンブーベアだった。大当たり!

 だがその姿を見て、思わず剣の柄を握り直した。

 1mはあるか。バンブーポニーと同じく第4層より二回り近く大きい。


 グルゥァッ!


 咆哮と共にバンブーベアが突進してくる。

 こいつも第4層とは違って隠れる気が無いみたいだ。

 俺は正面から迎え撃つべく、振り下ろされる爪に対して最短距離で剣をぶつけにいく。


 ガキィィィンッ!


 火花が散り、鼓膜をつんざくような金属音が響く。

 第4層ならここで弾き飛ばせていた。だが、第5層のバンブーベアのパワーは俺の筋力と拮抗していた。


 重い……!


 剣と爪が噛み合い、衝撃が剣を伝って腕に上半身に襲いかかる。

 押し込まれそうになるのを、両足の指先で地面を掴むようにして堪えた。

 このまま力勝負に持ち込むのはリスクが高い。

 俺は一瞬だけ力を抜き、バンブーベアの勢いを利用して横へ飛び退いた。


 力で勝てないなら技で勝つまでだ。


 再び振り下ろしてくる爪に対して剣をぶつけにいく。

 だが、ここでわざと足の踏ん張りを解き、バンブーベアの攻撃に押し負けるようにして大きく後ろへ弾き飛ばされたのだ。



 グルルゥッ!


 俺が転がるように距離を取るとベアが勝ち誇ったように喉を鳴らす。

 力勝負なら勝てると思ったのだろう。こちらの手のひらの上だとも知らずに。


 再び、バンブーベアが力任せに爪を振り下ろしてくる。勝てると確信した瞬間、獣の動作は単調になる。その隙を待っていた。

 今度は当たる直前で一瞬だけ力を抜いた。そして、バンブーベアの勢いを利用するように最小限の動きで真横へ飛び退く。


 いける!


 すれ違いざま、無防備に伸び切ったベアの前足へ小手の鋭い一撃を叩き込んだ。

 皮を裂き、肉に刃が食い込む感触の後に、バンブーベアの前足からは血が吹き出してきた。



 その後も、あえて力で押されるフリをしては、回避際に鋭い斬撃を浴びせていく。

 一撃一撃は致命傷にならずとも、確実にバンブーベアの出血を誘い、その自慢の体力と攻撃力はじわじわと削り取られていく。


 やがて、傷だらけになり腕が上がらなくなったバンブーベアに対して、俺は大きく踏み込み、頭上高くに剣を掲げた。


 面ッ!!


 気合と共に渾身の力で上段から剣を振り下ろす。

 死を予感したベアが、上がらなくなったはずの両腕を必死に掲げて頭上をガードした。


 だが、本命はそこじゃない。


 振り下ろした刃がベアの腕に触れる寸前、俺は強引に手首を返し、剣先を下方へと沈め、そのまま真っ直ぐ前へと押し出した。

 面はあくまで意識を上に逸らすためのフェイント。

 腕の下でガラ空きになったベアの喉元へ、鋭い突きが一直線に突き刺さる。


 喉を正確に貫かれたバンブーベアは、反撃の声すら上げられず、その場に崩れ落ちた。




 はぁー。もうバンブーベアに力勝負で勝てなくなってしまったか。

 体長1mなのにどんだけ力あるんだよ。


 早く竹林から出たかったので、バンブーベアはそのまま放置していく。

 帰りにミニポニーを狩って稼いでから家へのお土産分を追加で狩って持って帰った。



 この状態で第6層は大丈夫かな。

 ちょっと不安だわ。


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