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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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21話:バンブーベア料理

 その後はいつも通り冷蔵ブースに預けて昼食を食べて、金稼ぎのためにミニポニーを仕留めてから帰宅の途についた。




 ガチャッ


「ただい」


 バンッ!


「待ってた!」


 玄関のドアを開けるとすぐに勢いよくリビングの扉が開けられた。

 いや、だからなんでそんなにテンション高いんだよ。

 この間のバンブーポニーの時もそうだったけど、それ以上にテンションが高い。


「いつも通り外の洗い場に置いてるぞ」


「分かってる! メニューの要望は?」


「任せる。瀬奈の料理でマズイことは無いからな」


「嬉しいこと言ってくれるじゃん! じゃあ行ってくる!」


 勢いよく玄関のドアを開けて飛び出していく。

 次は玄関で座って待ってるかもしれないな。


 さて、夕食ができるまでゆっくりするか。



◇◇◇



 外に駆け出すと横たわったバンブーベアが視界に飛び込んできた。

 早く解体して調理したい!



 サクッと解体を済ませて、キッチンへ。

 まずはじっくり味を染み込ませたい大和煮から取り掛かろう。

 熊肉を一口サイズに切り分け、さっと下茹でしてアクを抜く。

 そこに合わせるのは、乱切りにしたごぼうと、手でちぎったこんにゃく。この手でちぎるのが、味が染み込みやすくなるためのポイントなんだよね。

 醤油、砂糖、酒、みりんに、たっぷりの生姜の爽やかな香りが広がる甘辛いタレで煮込んでいく。

 煮汁が少しとろりとするまで煮詰めれば、白いご飯が止まらなくなる大和煮の完成!


 煮込んでいる間に、次は竜田揚げとステーキも流れるような手際で仕上げていく。

 ふふん、これくらい慣れたもんよ。



◇◇◇



「できたよー」


 大体このくらいの時間になったらできるだろう、という読み通り、リビングに着いてから数分で夕食が完成した。

 今日もテーブルには沢山の料理が並んでいる。


「今日は祐也が持って帰ってきたバンブーベアを使った料理だよ。

 ステーキと竜田揚げはこの間のミニベアと同じだけど、3品目は大和煮にしてみました。

 さぁお上がり!」


「いただきます」


「もっとテンション上げていこうよ!」


 いや、食べる前からテンション上げると疲れるんだよ。

 食べる量も多いし、美味しいから食べていけば自然とテンション上がっていくし。


 瀬奈は置いておいて、早速料理に手を付けていく。

 まずはステーキ。

 ナイフで切り分けてから口に運ぶ。うーん、ミニベアの時は脂の甘みが主役だったけど、バンブーベアは赤身の濃さが主役だな。ワイルドな獣の香りがガツンと来るのに、後味はどこか涼やかだ。バンブーポニーの時もそうだったけど、第4層のモンスターは脂が少なめで赤身の濃さが特徴なんだろうな。


 続いて竜田揚げだ。

 サクサクとした衣の中で肉がパンパンに張っていて、下味に負けないくらい肉の味が濃い。そしてバンブーベアの繊維の太い赤身が、熱を帯びることで極上の弾力へと変化している。噛みしめるたびに衣に染みた下味と、熊肉の野性味溢れる肉汁が混ざり合い、口の中は旨味で溢れ返る。


 さて次は大和煮だ。肉の他にごぼうとこんにゃくが入っているな。

 まずは肉だけを口に放り込む。

 生姜と醤油で甘辛く煮込まれたことで、熊肉特有の力強さがご飯に合う最高の相棒に変わった。じっくり煮込まれたことでホロリと溶ける柔らかさに、タレがしっかり染み込んでいる。

 次はごぼうと一緒に口へ。熊肉の野性味をごぼうががっちり受け止め、逆に肉の旨味を吸ったごぼうが驚くほどジューシーになっているし、ごぼうの力強い土の香りが重なってくる。

 次はこんにゃくと共に。プルプルとしたこんにゃくの食感が肉の繊維感の中で心地よいリズムを生んでいる。味が芯まで染み込んでいて、噛むたびにジュワッと割り下が溢れ出す。

 肉、ごぼう、こんにゃく、そして白米と無限ループで食べ進めていけるな。



 そのまま食べ進めていき、あっという間に用意された分を食べきった。


「ごちそうさまでした。これでいつも通り1kg食べた感じか?」


「そうだよ。もっと増やす?」


「とりあえずはこのままでいいよ。増やして欲しくなったら言うわ。

 あと、明日は休みだけど、弁当はバンブーベア? その場合は大和煮でお願いしたいかな」


「明日はまだバンブーポニーが500g残ってるからそれを使わせて。

 明後日からバンブーベアにするから。

 と言っても、バンブーベアは1体で4.5kgの肉にしかならないから明々後日の夕飯には足りなくなるかな。明々後日はバンブーポニーかバンブーベアか持ってきてね」


「分かった。ミニポニーも必要になったら言えよ」


「祐也ほど食べないからそんなすぐには必要ないよ」


 そりゃそうか。普通は1食で200gも食べないもんな。

 それに対して俺は1日1.5kg。普通が1日300gだとしても5人分か。

 父も母も瀬奈もそこまで食べる人じゃないから3人で600gくらいなら、2.5日分を1日で食べてるのか。

 まぁそれだけ食べてもなかなか上段に到達しないんだけどな。



◇◇◇



 翌日からはミニポニーを討伐しながら、肉が足りなくなるタイミングでバンブーポニーかバンブーベアを狩って持ち帰る日々が続いた。

 それぞれ3体目までは狩ったタイミングで肝臓と心臓も食べていく。


 戦闘経験のためにはミニポニーよりも第4層の方がいいとは思うが、バンブーポニー1体よりミニポニー2体の方が少しだけ値段が高いから仕方がない。

 それでも1日の稼ぎはミニポニー4体でギリギリ1万円に届かないくらい。

 家とダンジョンの往復でかかる交通費を引くと8,000円ちょっとの稼ぎだ。


 今後、もっと稼ぐようになるには獲物を沢山持って帰るためにポーターを雇うべきなんだろうか。

 もしくはポーターとパーティーを組むか。

 でもそんな知り合いはいないんだよな。


 まぁ実家暮らしだし、家賃代わりにダンジョンの肉と作物を持って帰っているわけだし、生活には困らないんだが。




 そんな日々が続き、最初のバンブーポニーを討伐して持ち帰った日から3週間。

 いつものように朝起きてステータスを確認する。


 レベル:2(上限到達)

 スキル:消化+、Absorb(上限到達:バンブーポニー、ミニベア、ミニポニー、ダンジョンネズミ、スライム)


 ようやく上限に到達したか。それにしても増えてきたな。

 このまま増えていったら見づらいのでは? 直近の数体だけ表示して、それ以外は更に表示を押したら全部見れる、みたいにならないかな。

 まぁ今はこれでいいんだけど。


 それにしても3週間かかったか。

 バンブーポニーだけを狩れたら良かったけど、第4層ではどちらも同じ竹林に生息しているから狙ってどちらかだけを狩ることは難しい。

 そのため、この3週間で最初のを合わせてバンブーポニーは4回、バンブーベアを2回持って帰ってきた。

 一昨日、2回目のバンブーベアが無くなりそうだという瀬奈からのオーダーを受けて狩りに行って、バンブーポニーを持って帰ってきた。

 そして昨日4体目の1.5kgを食べた所だった。

 つまり、6.5kgの肉が取れるバンブーポニーを3体と1.5kg分食べたことになり、累計で20.5kg食べてきたことになる。


 ここまでの量をまとめると、スライムは30kg、ダンジョンネズミは内臓を食べてなかったのでかなり上限到達が遅くなったので不明、ミニポニーは11kg、ミニベアは7kg、そしてバンブーポニーは20.5kgを食べたら上限に到達した。

 バンブーポニーは体重がミニポニーのほぼ倍あって、それで食べた量も倍くらいだから、体重に連動してそうだ。ミニベアとバンブーポニーの体重は3倍くらいの差があるから、この考えは間違ってなさそうだ。

 そう考えると14kgのスライムと15kgのバンブーポニーで食べた量が1.5倍もスライムの方が多いのはなんでだろうか。

 この差が瀬奈のスキルの影響なのかもしれないな。


 そこから考えると、瀬奈のスキルの効果は1.5倍くらい多く吸収できるというものだと仮定すると、体重15kgのバンブーポニーの肉を30kgか31kg食べると吸収上限に到達する、ということになる。

 15kgの倍で30kgというのが分かりやすいし、それかもしれない。謎解きみたいで面白い。

 つまり、元のモンスターの体重の2倍の肉と2体分の心臓と肝臓を食べると吸収上限になる、ということか。

 心臓と肝臓については3体分の可能性もあるけど、肉の2体分というのと合わせれば心臓と肝臓も2体分だろう。



 これ、大きいモンスターになったら何kg食べればいいんだ?

 強いモンスターほど身体が大きいって聞くし、その場合は前に瀬奈からも提案された通り、1食あたりの量を増やしてもらうか? あとは朝食でも食べるべきか?

 なんか肉以外の栄養素が偏りそうで嫌なんだけどな。



 まぁその時になったら考えよう。

 一歩ずつではあるが、前に進んでいるようで良かったな。


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