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フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~  作者: 祐祐
第1章:ダンジョンとスキル

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1話:卒業式

 その日は突然訪れた。

 日本時間で2040年10月10日21時。

 世界各地で同時にM5相当の地震が発生した。

 普段は全く地震の発生しない地域でも起こったため、国によっては歴史ある街並みが瓦礫の山と化した。


 日本でも北海道、東北、富士山、中部、関西、九州の6箇所を震源とした地震が同時に起きた。

 普段から地震に備えている日本での被害は世界と比べればかなり軽微だった。


 そんな日本でも世界各地と同じ被害というか、ただ1つの、しかし決定的な異変が起きた。



 それは地震と同時に出現したダンジョン。

 地震の震源近くに地下へと繋がる入口が、どう見ても自然に出来たものとは思えない構造物が突如として現れたのだ。


 それと同時に、15歳以上の人類全てにレベルとスキルが与えられた。

 頭の中に響く謎の声。

 半信半疑だった者も、実際にスキルを使用して起こる手のひらから現れる炎や、傷を癒やす光といった理の外の事象を信じないわけにはいかなくなる。



 すぐさま国を越えてダンジョンとレベルとスキルの調査・研究が開始された。

 あるものはすぐにダンジョンに入って中を調べ、あるものは入口の周りを調べ、あるものは衛星映像から出現した瞬間の様子を調べ、あるものは全国民のレベルとスキルを調べようとした。

 多くの犠牲も出しながら研究は進んでいく。



 そのような日々が続き、混乱と熱狂が日常へと変わっていく。

 ダンジョンが発生してから5年半の月日が経っていた。



◇◇◇



「卒業証書授与。

 3年1組 相川 あずさ」


「はいっ!」


 長かった中学生活がもうすぐ終わりを迎える。

 この卒業式が終われば。ようやく……明日からは……


「伊藤 祐也」


「はい」


 明日からのことを考えていた所に俺の名前を呼ぶ担任の声が聞こえてきた。

 よく気づいたな、偉いぞ俺。

 パイプ椅子から立ち上がり、ステージ上の校長の前に向かう。

 

 この校長、まともに見たのは初めてだな。

 入学した時からいたと思うけど、入学式でも始業式でも終業式でも全校集会でもまともに話を聞いてなかったからな。


 いつも暇な時に考えるのは食べ物かダンジョンか。

 昼食は何かな、夕食は何かな。

 奥羽ダンジョンの1階層に出てくるあのモンスターを俺ならこうやって倒す。

 そしていつか最下層へ。


 卒業式の間でも、いつも通りに思考は食べ物とダンジョンがほとんどを占めていた。

 周りの様子は思考の数%を使って観察しているから、1人だけ周りと違って座ったまま、みたいなことは避けられている。


「卒業生退場」


 いつの間にか送辞も答辞も歌も終わっていたようだ。

 周りに合わせて体育館から退場して教室へ戻っていく。




「祐也、本当に高校行かないで冒険者になるのか?」


「そう言っただろ。変わらないよ」


 教室へ戻ると、小学校からずっと一緒だった親友の梶原悠斗が話しかけてきた。


「まぁ聞いたけどさ。なんで冒険者?

 モンスターも危険だし、他の冒険者も危ない人が多いって話を聞くし」


「モンスターって強いやつほど美味しいって言うんだから食べてみたいじゃん。

 それにダンジョンって、どうしようもなく惹かれるものだろ。

 誰も行ったことのない最下層に何があるのか見てみたいし、そこまで行かなくても絶景の階層とか行ってみたいんだよな」


「分からなくも無いけど、モンスターの肉なら買えばいいじゃん。

 最下層だって誰かが到達した後に映像が見れるだろ。

 今も最前線のちょっと前までは映像があるし」


「そうだけどさ。やっぱり絶景は実際に見たいだろ、画面越しじゃなくて五感で感じたいだろ。

 肉は市場に流通しないものもあるし、最前線のモンスターの肉はめっちゃ高くて簡単に買えないしさ、一度でいいから食べてみたいって思うじゃん」


「だとしても、祐也のスキルってそんな戦闘系じゃないだろ。

 俺みたいな生産系スキルじゃないけどさ」


「スキルはそうだな。でも冒険者になるためにこの5年間準備してきたんだ。

 初期スキルが戦闘系じゃなかっただけで諦められるわけないだろ。

 それにうちの両親もやりたいなら自由にやれって許可してくれたからさ」


「普通の親は心配するんじゃないの?」


「心配はしてるぞ。

 でも、いつあっという間に亡くなるか分からないんだから、やりたいことがあるなら心ゆくまでやりきれ、って小さい時から言われ続けてきたんだよ」


「まぁしゃあないか。剣道部に入って準備してたし、坊主にまでして、本当にストイックだよな。

 じゃあ定期的にカラオケでも行こうぜ。ダンジョンの話、聞かせてくれよ」


「有名人冒険者になってそれどころじゃないかもなー」


「そんなすぐに有名になれるほど強くなれないだろ」



「ほら、席につけー」


 担任が教室に入ってきて、最後の通知表やら何やらをもらったら、ようやく中学を卒業だ。


 そうすれば明日からはやっとダンジョンに行ける!

 調べられることは調べた。

 体力を付けるために走り込みは毎日欠かさず、剣道部にも入ってモンスターと戦うための準備もしっかりしてきた。


 あとは実践あるのみ。

 待ってろよ、ダンジョン。




「おい、伊藤。何ニヤニヤしてるんだ。さっさと通知表取りに来い」


別作品も投稿中ですので、是非そちらも読んでもらえると嬉しいです。


●異世界マイホーム

https://ncode.syosetu.com/n0857lp/


●フードファイト・ダンジョン ~最高の食材とまだ見ぬ絶景を求めて最下層を目指します~

https://ncode.syosetu.com/n4911lx/

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