起死回生
カシャン…ロロロロロロロ…
ナマエさんが作動させた小さな機械から映し出された光があたりを包んでいく…!
「なんでしたっけそれ、たしかファンタ…ファンタジー…」
「"幻灯機"だニャ。さーて今回のフィルムはなーんだ?」
あれ、コロシアムじゃない?なんか幻想的な空間…この光は…
「マナ!!」
「ハイごめーとー。本日ご紹介する商品はコチラ!"マナの泉"!この空間内では無尽蔵にマナが回復するニャ。これでアナタもスキルブッパ放題!ただし大変ご好評につき一点限りの限定品なので売り切れメンゴニャ!」
おおお!MP全回復!このアイテムって敵味方関係なく効果があるけど相手が人間じゃなかったらメリットしかないね。とっておきやるじゃん!勝てそう!
「おけーぃ、じゃあおっぱじめるニャ!らーんつーふぁいっ!!」
ナマエさんが浮いたぁ!空飛ぶナマエさん!高っ!そして真っ逆さまに魔王に向かってダイブ!けどかわす魔王、おぁ、着地と同時に影に潜るナマエさん!これってアサシンの!そのまま影が魔王を捕らえる!影から出たナマエさん猛ラッシュ!うわ、パンチが爆発する!ファイアエンチャントかな?押してる押してる!そして高速で背後に回り込んで腰に腕を回す!得意のジャーマン…!あれ上がらない!重いの!?あー触れてる腕が侵食されていく!たまらず手を解いて距離を取る!魔王は片手でビームの構え!ナマエさんも氣を練って"波"を出すムーブ!同時に発射っ!両者の放出技が激突する!けどすぐかき消されてビームに飲み込まれるナマエさん!あらーよわい、負けてるじゃん…
ここぞとばかりに靱負さんの飛び道具が魔王を襲う!なにあの動き?!物理法則を無視した変幻自在な急旋回!まだあんなの隠し持ってたんだ…!魔王は銃を乱射して撃ち落としたりくらったり、翻弄されてる!魔王、靱負さんをにらみ、飛び道具を無視して靱負さんに襲いかかる!はっ!死角からナマエさんが!とった!!
魔王がノールックでナマエさんを攻撃!気取られた?!ナマエさんやられ…残像だっ!別角度から本物のナマエさんによる強烈な一撃ぃぃぃ!吹き飛ばない!魔王様微動だにせず!ナマエさんに向かってまたしてもビーム!ナマエさん飛行で退避!
っくあぁーーー!なんじゃこの攻防!まじはんぱない!!!
「そこの二匹は見ているだけか?戦意が失せたのなら楽にしてやっても構わんが」
「そーだニャいまそれ言おうと思ってたニャ、チビッコたち、見物してないで一緒にヤろうニャ」
「あの、入るタイミングが、わからなくて…」
「べつにコッチに合わせようとかしなくていいニャ。てきとーに撃てばいいから、いまさら遠慮は無用ニャ」
「…うん」にこっ
「あーボクは、あれ、さっきもらったスキルを創り直したらいきますね。もうちょっと待ってください」
「いいけど、その間に倒しちゃっても文句いいっこなしニャ」
「うえ〜?ボクのぶんも残しといてほしいなー」
「待たないニャ、早くするニャ」
「はい!」
あ、始まっちゃった。わーすご…ダメだ見てる場合じゃないや、すぐ創んなきゃ!
奥義(仮)…なんかもうこれだけで十分強いかんじだけどなぁ。どうアレンジしよぉかな…
「レビンさん」
「うわあはいびっくりしたぁ!な、なんですかプレイヤーさん」
「助けてくれてありがとう」
「えっ?あ、あーボクがかばって死んだときの…そんな、お気になさらず、ボクも咄嗟にやったことというか、」
「大事な話があるにゃ」
「は?はい、なんでしょう…?」ごくり…
「マナの泉の効果、残り2分55秒」
「え?」
…え?
あーなるほど?あのファンタズムのフィルムって消耗品らしいね。しかもマナの泉はあの1個だけって言ってたから…
つまりあと3分弱でMPの回復手段がなくなって、スキルが使えなくなるよってこと、ですね?なるほど。
やばい。
やばいやばいやばいやばいやばい
やばばばばばばあわわわわわわわわわわ
「らっしゃっせ」
「!…リン!!それだ!もうこれしか思いつかない…あーやばい〜時間が…スキル名どうしよ!んーっと、えーーっと、MPが…いいやもうなんでも!スキル名〈えむぴー〉!これでお願いしますっ!」
「スキルの創作が完了しました」
「はやっ!…あれっ?あのー、名前が変わってるんですけど…」
「がんば」
「…あ、はい。それと!もう一個あったんだ!肝心の奥義の方を創んなきゃ!じゃあもう、こうして…スキル名は」
「完了しました」
「だから早いって!まだ申請ボタン押してなかったよ!?」
カチ。しゅーん…
あ、マナの泉の効果が終わってしまった…
3人とも魔王から距離をとって動かない、というか動けないのかな。みんな顔には焦りが…あ、うそ、靱負さんはお面で見えないけどたぶんぼぅっとしてるわあの人なら。
「惜しかったな。勇者の名に恥じぬ真に勇ましい闘いぶりであった。実に大したものよ。
だが、それもここまでだ。最早我を討つ手段など皆無だと知れ」
すぅ…
「あのー、勝ち誇ってるとこすいません。ボクも準備ができたんでまぜてもらっていいですか?」
「おー、やっと完成したのかニャ?」
「はい、完成しました、お待たせしてすいません。で、たぶんなんですけど…
これボク勝ちますよ」
つづく




