エピローグ
「変に時間があったら、私を探しに行ったでしょう? だから、ギリギリまで寝ててもらったの」
今居るのは寮の自室。
お姉様に色々と話を聞いていた。
屋敷の使用人達は正気に戻ったらしいし、ノアプテに血を吸われた人も、元に戻ったらしい。
あと、脅されて戦いの準備をしていた諸侯は、厳重注意でお咎めなし。
けど、監視は強化するそうだ。
「酷いです。私、すっごい心配したんですからね! 先に言ってくださいよ!」
お姉様がプリンセスだ。って。
「ごめんなさいね」
その顔は全然悪いと思っていない顔です。
「お詫びといっては何だけれど、この招待状、受け取ってもらえるかしら?」
「招待状?」
「ええ、私の誕生パーティ」
「ええ!?」
それって、有力貴族が集まるパーティなんじゃないの!?
田舎娘には敷居が……
「安心して。そんな堅苦しい場に連れ出したりしないわ」
慌てた私を見て、お姉様が微笑む。
「身内だけの、小さなパーティよ。来てくれる?」
身内だけのパーティ……お姉様、私をそんな風に思ってくださるんだ!
「もう、隠し事はないですか?」
でも、ちょっと意地悪してしまう。
「んー、思いつく限りでは……ああそうだ」
「何ですか?」
お姉様は、ちょっと悪戯っぽく笑って言った。
「私も、あのキスがはじめてだったの」
ファンタジー世界で時代劇がやりたかっただけです。