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目下捜索中でございます。〜家電販売員編  作者: ユタカ
目下捜索中でございます〜シーズン2~

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14/30

育児の安全管理、あるいは鉄板の強制出向

タナハシカメラの調理家電コーナーに、「今夜は家族で焼肉パーティーだ!」とはしゃぐ4人家族(父・母・小学生の兄弟)がやってきました。田所は背後から音もなく忍び寄り、子供たちの動きを鋭くスキャンしました。

其の一:動的リスクの検知

「すみません! この一番大きいホットプレートをください。子供たちがたくさん食べるので!」

お父さんの明るい声に、田所は眼鏡のブリッジを中指で押し上げ、冷徹に告げました。

「(……いけない。未就学および学童期のユニットが2名。この状況で高熱を帯びた鉄板を食卓に導入するのは、火傷という名の『肉体資産の毀損』、あるいは油跳ねによる『衣類アセットの全損』を招く致命的なバグだ。私は直ちに、この家庭の安全を物理的にホールドしなければならない)」

其の二:プレートの「安全な隔離」

「お客様、ご安心ください。私は今、あなた方の大切な次世代ユニット(お子様)を、熱源という名の脅威から目下、完全防衛中でございます。……はい、こちらが『安全最適化済み』の本体です」

田所が差し出した箱の中には、土台とコンセントしか入っていませんでした。

「……えっ? お兄さん、これ鉄板が入ってないよ? 忘れ物かな?」

お母さんが困惑して尋ねると、田所は深く頷きました。

「いいえ。これは『リスク・デリート(危険削除)』です。お子様が鉄板に触れる可能性が1%でもある以上、鉄板というデバイスを家庭内に持ち込ませるわけには参りません。よって、鉄板は現在、私の判断で**現場から一時離脱エスケープ**させております」

其 三:鉄板の「社会貢献ルート」

「鉄板がなきゃ、お肉焼けないじゃない! どこにやったのよ!」

長男くんが半泣きで叫ぶと、田所は店内の入り口付近を厳かに指差しました。

「ご安心ください。あなた方の鉄板は現在、店舗入り口の段差を埋める**『バリアフリー・スロープ』として強制出向ホールド**させております。……見てください、あちらで車椅子のお客様の走行を支える鉄板の雄姿を。家庭で肉を焼くという私的な消費より、公共の安全を支えるインフラとしての登記……これこそが、お子様に見せるべき『誠実な背中』ではありませんか」

「そんな教育いらないから! 今すぐ返して洗って持ってきて!!」

其 四:貴島の「教育的指導」

「鉄板で道を作るんじゃねえよバカ野郎!!」

背後から放たれた貴島の鋭いローキックが、田所の膝裏を完璧に捉えました。

「お客様、本当にすみません! こいつ、最近『安全管理』の定義がバグってて! 今すぐ入り口から鉄板を回収して、除菌洗浄して家まで届けさせますから!!」

「貴島さん……。鉄板のない食卓こそが、究極の安全登記です。私は彼らに、電熱線の赤い光を眺めながら『焼けたつもり』で白米を食べる、精神的なコストカットを推奨して――」

「ひもじすぎるだろ!! 夢をロストさせるな!!」

今回のリザルト:家族の思い出および店舗備品の全損

結局、入り口に敷かれていた鉄板は、数十人の靴で踏まれて表面のフッ素加工が完全にロスト。長谷川店長は、田所が「肉を焼く代わりに、家族全員で『ホットプレートの取扱説明書』を音読して、知識という名の資産を蓄えるべきだ」と説得しているのを見て、静かに白旗を上げました。

「田所……。お前、次はもっと『安全で、動かなくて、誰も踏まない』ものの担当だ。……そうだ、**『天井の換気扇フィルター』**でも数えてろ」

「店長……。空気の清浄管理は、目に見えない資産の防衛です。一粒のホコリの通過も許さない、窒息寸前の密閉を登記して参ります」

「……だから、何もしないでくれってば!!」

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