タイトル未定2025/05/18 03:02
ボル「……雷翔、これは妙な事態だ。」
そこにはひ弱で痩せ型の少年が立っていた。
ボル:「あいつ何かしやがったな」
赤瀬は目を見開く。恐れはない。むしろ心の奥底から熱がこみ上げる。
「今の俺なら——やれる。」
電気がかすかに指先を走る。
少年:「逃亡をやめて投降してほしい。戦いたくはない。言い分があるなら聞く。」
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赤瀬:「山田和夫の差し金だろ」
少年:「そうだ。僕は黒禍朧。なぜ軍を壊滅させた?」
赤瀬:「俺は正当防衛をしたまでだ」
朧:「なぜ山田和夫を殺した?」
赤瀬:「ボル:バレてんのか。赤瀬: 事情があった。」
朧:「投降してほしい。無益な争いはしたくない。」
赤瀬:「追ってくるなら攻撃する」
朧:「そうか。やっぱりこうなるか。」
朧は深く息を吐き、手元のナイフを握り直した。(死神の鎌——今はその姿を変え、小さな刃となっている。)彼はまだ未熟だ。雷翔はそれを知っている。
黒衣が風に揺れ、赤瀬雷翔が距離を測る。
その時、たくさんの斬撃が雷翔に当たる。雷翔は押される。
ボル:「雷翔、面白なってきたなぁ。」
雷翔は冷静だった。目の前の相手は人を殴る程度の斬撃を飛ばせる。攻撃範囲は広く、力こそ弱いが、避け続けるには限界がある。
雷翔:「速さで制する。」
雷翔は地を蹴る。瞬間、朧の目の前から姿が消えた。しかし——。
朧の指先が動く。斬撃が何百にも走り、雷翔の進路を阻む。雷翔はすんでのところでかわしながら、わずかに眉をひそめた。やはり接近するには難しい。
雷鳴が響く。雷翔の体から電磁場が広がり、飛行場に散らばる鉄が浮き上がる。次の瞬間、それらが嵐のように朧へ向けて解き放たれる。
轟音。金属の塊が襲いかかる。無数の斬撃をクッションにして無力化される。
雷翔は近づき殺気混じりの放電をする。だが朧の黒衣は電気を通さない。
雷翔は舌打ちした。 「チッ」
「ならば直接叩く…」
雷翔は再び動く。鉄パイプをもって高速移動しながら朧の頭をかち割ろうとした——その時。
朧のナイフが、かすめた。
ほんの一瞬。それだけで雷翔の動きが鈍る。頭の奥に鈍い霞がかかる。
「……これは……?」
朧は無言でナイフを構え直した。あと数回——雷翔に刃を当てれば、意識を完全に奪える。雷翔は冷笑する。
「面白いな。だが——」
雷翔の体が再び青い輝きを放ち、周囲の電磁場を高めた。
雷翔は朧のナイフの感触をまだ指先に残していた。意識を削る力——数度当てられれば、完全に沈む。
朧は距離を取る。雷翔の動きを警戒しながら、再び無数の斬撃を飛ばす。斬撃が嵐のように雷翔へと襲いかかる。雷翔はそれをひとつ、ふたつとかわしながら、一瞬の間合いを狙った。
ボルト:「…雷翔、隙作って叩くしかなくね?」
雷翔:「そうだな。」
雷翔の体が青白く輝く。周囲の金属が再び浮き上がり、凄まじい勢いで朧へと向かう。もう少し、もう少し電磁場を維持できれば——。
だが、その時。
朧のナイフが再びかすめた。
雷翔の視界が揺れる。二度目——意識がわずかにぼやける。それでも彼は踏みとどまる。雷翔は朧を見据えた。相手はまだ未熟だ。力は制約されている。それなら——。
雷翔は一歩踏み込んだ。
「速さを活かす……それしかない」
青い光が爆ぜる。雷翔は最大速度を解放し、朧の背後へと回る。雷轟。その瞬間。
朧が前を向いたまま静かに囁く。
「……そう来るよな。」
雷翔の胸には鋭い痛みが走る。朧は右腕だけを後ろに回す。朧のナイフが、正確に三度目の一撃を刻んだ——。
「ッツ」
そのとき空は暗雲に覆われ、電気が迸る。彼の瞳は青白く輝き、意識が研ぎ澄まされる。
ボルト:「ついてるなぁ」
雷翔は棒状の鉄を整え、刀にする。
「お前、剣道やったことあるか…?」
朧は静かにナイフを構えた。戦いの流れを理解している。
雷翔が言葉を放つと同時に、彼は朧へ向けて地を蹴った。
二人の刃が交錯する。
雷翔の刀が朧のナイフを弾き、朧の斬撃が雷翔の電気を裂く。空気が震え、衝撃波が地を揺らす。互いの力がぶつかり合い、火花が散る。
雷翔は刃をかわしながら、朧の懐へと潜り込む。しかし、朧はすでに次の攻撃を準備していた。
雷翔の肩に——四度目の一撃が刻まれる。
ボル:「らいと…!まずい」
赤瀬:「……」
雷翔の視界が揺れる。意識が朦朧とし始める。だが、それでも彼は刀を振るう。電撃が走る。刀が赤くなる。朧は黒衣にまとった右腕で止める。
赤瀬:ナイフはどこだ…?!
ナイフは斬撃とともに背後にあった。五.六.七度目の三連撃。
雷翔の体が力を失い、膝をつく。意識が遠のく。雷鳴が響く中、彼の体は静かに地へと倒れた。




