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僕と砂漠と枯れ木とアイツ


おはようございます。


・・・僕です。


はい寝てました。


それはもうぐっすりと・・・。


目が覚めたら枯れ木の途中に引っ掛かり時々吹く風に身体がなびいていていました。


今、眼の前には砂漠が広がってます。と言うかそれしか見えません。


そして降りれません。



時折体ごと枝が風に揺らされているものの背中のリュックが枝に引っかかってハズレません。


今、風はそよ風程度しか吹いてないので運良く外れるとは思えず体をよじってみたり揺すってみたりしたけどダメでした。


僕は「はあぁぁ〜」と特大のため息をついた。


このタイミングで今の不思議現象が消えたらヤバいよね?下は砂地だけど所々に大きな石がゴロゴロしてるし最悪死ねる。かと言ってこのままだとミイラか腐乱死体の未来しか見えない。


「今、何時だろ?・・・お腹すいた、ちゃんと夜ご飯食べとけば良かったな・・・」


リュックにサンドイッチが入ってるのを思い出す、と途端にお腹がグウと鳴る。


「喉も乾いた・・・」


空には所々に雲が浮いておりゆったりと流れていてやけに空を高く感じる。


「ここマジでどこ?砂漠って・・・こんなん聞いたこと無いよ」


僕の独り言は何だかヒドく虚しく感じた、例えるなら口から出た言葉が誰かの耳に届く前に、ボトボトとそのまま地面に落ちてるような?分かりにくい?


まぁ、何となくニュアンスで察して下さい。


「はぁぁぁ〜」


っと、何度目かのため息をつき、僕は地平線を見渡してみた。

と言うか、遠くにはそれしか見えない。


目が覚めた時、斜め45度ほどだった太陽は今は60度くらいまでになってる。

遮る物も無いため顔がちょっとアツい。


「・・誰か、助けてよーーー!!!」


よーーーょーーーょーー


若干の余韻を残してその叫びが消えた頃、視界の端になにか見えた。必死に体をよじりソチラを見ると薄っすら砂煙が見えた。


誰か来る!!!


助けてもらえるかもと希望が見えた。


少しずつ大きくなる砂煙の中に人らしき影が見えた時、僕は歓喜して手振り足振りして叫んだ。

カッコ悪いけど、そんなの気にしてる場合じゃ無い!!

これを逃したら次に人と遭遇するのはイツになるか分からない。


影は確実に大きくなって来ている。


バイクのようだ、それは近くまで来ると少しスピードを落とし、僕の前をゆっくり旋回すると5メートルほど前に向かい合うようにバイクを止めエンジンを切った。

ゴーグルをズラして僕を見上げる。

その目は困惑気味だ。


まぁ、そうだよね、砂漠地帯の枯れ木に子供がぶら下がって喚いてたらそうなるよね。


ヘルメットを取りバイクに引っ掛けると、そいつは如何にも伸びかけな黒髪を無造作にかき上げながら、更に近づいてきた。

僕は一瞬警戒したが、タレ気味の目と軽く日焼けした顔を見て『悪い人では無い』と直感した。




「・・・何してんだ?」



「引っかかってしまって・・・助けて下さい!」



「遊んでるわけじゃ・・・」



「無いです!!だから助けて!!」



「・・・・・・」



こっちは必死だってのに何だか温度差がひどい・・


男は軽く腕を組んでしばし考え、右へ左へそれから僕の居る木から一旦離れるとバイクの荷台からロープを取り出し戻ってきた。


こぶし大の石を足元から拾い上げるとロープの端に結び付ける


「当たると危ないから、ちょっと頭を下げて手で庇ってろよ〜」


「はっ、はいっ!」


言われたとおりにすると、僕の横からロープを投げ、重しにした石を枝に上手く巻き付けクイッと引っ張る。


簡単に折れそうな枯れ枝に見えたが、意外に丈夫そうだ。



「もう少し待っ・・・・・ん・・?」


何かに気付いたように振り返った男は、その動きを止めた。



「あ~・・追い付かれたか・・・マズいな。」



ボソリと何かを呟く、



「わりぃ、予定変更するわ・・・」



「えっ?えっ?何?ちょっっ、待っ・・置いてかないで!!」



男はちょっと考えた後、軽く息を吐き片足を木にかけロープを引くと、片手で持ち直してもう一方の手を腰にまわした。

その手には銃が握られ銃口が向けられる、僕は叫ぶ間もなく体を強張らせギュッと目をつぶった。



パシュッと軽い音がしたのち、枝が折れるミシミシベキッって音がした。


僕の体は一瞬浮いた後、落下。


地面に打ち付けられるかと思いきや、男が上手く受け止めてくれて事なきを得た。



「色々聞きたいこともあるが、取りあえず急いでここを離れなきゃなんねぇ、付いて来い。」



木から降ろされてすぐ、今度はバイクの後ろにヒョイと乗せられ、男は背中に龍の刺繍が入ったジャンパーを脱ぐと自分もまたがり僕と自分の腰をジャンパーの袖を結んで固定した。



「少しデカいがアゴ紐を締めれば問題ないはずだ」



と、メットを渡してきて、自分はゴーグルだけ着けエンジンをかけた。

慌てて僕はメットを被り、ベルトを締める。



(もり)が目覚めた!荒っぽくなるからシッカリ掴まって目ぇつぶっとけ!」


(もり?森のこと?でも森なんてドコにも・・・)


そう考えた時、遠くから複数の爆音が聞こえてきた。

視界の端に砂煙が見えたと思ったらグンッッ!とバイクが一気に加速する、その先には僕が引っ掛ていたであろう枯れ木が・・・。

今になって気付いたが数本かと思っていた枯れ木は、僕が背を向けていて分からなかっただけで、すごい範囲に広がっていた。



それを言い表すなら『枯れ木の森』である。








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