僕の知らないスギさんの過去 その②
「研究って・・・あの化物は植物って事か?なら燃やせば良いよな?胞子か何か飛ばされたら変な病気になるかもだし?どうしてもってんなら解剖してサンプル取ってからでも良い。そうだろ?!」
ダイチはめちゃくちゃな事を言い出した。
「っっっ!!」
突然スギさんは立ち上がり両手でダイチの胸ぐらを掴んだ。その手はブルブルと震えていて今にも殴りかかりそうだ。
ダイチは座ったままで崩れそうになった体勢を左手で支え
「スギ、言えよ。何か隠してるだろ?」
そう言うと、スギさんはゆっくりその手を外し椅子に座る。
「・・・悪かった。」
「良いよ」
驚いた間近で大人の男がケンカするのを見た衝撃で僕は固まってた。
「わりぃ、こんぐらい煽らねぇとスギは本音言わなそうだったからな。びっくりしたか?」
ダイチはそう言うと僕の頭をくしゃくしゃ撫でる。
「ちょっ!止めてよ!!せっかくなおった髪が!!」
「ふふ・・・・ダイチ、トシキ君、少し長くなるが聞いてくれるか?」
スギさんは少し笑ってそう言った。が、
「忘れてた!!」突然の僕のぶった斬りが発動する。
「?」「???」2人は困惑。
今日、僕にはキヨお婆さんとの約束があったんだ。その事を伝えると
「じゃあトシキは抜きで・・・」
なんてダイチは言い出す。酷い。
その後、僕は畑に向かい。
スギさんはあの子の様子見する為に留守番。
ダイチは身支度してから少し出るそうで夕方に僕と合流する事になった。
出際に僕が、
「ごめんね話してくれるって言ったのに・・・」
「いや頭の中、整理したかったから正直助かったよ」
そうスギさんは少し困った顔して言ってくれた。
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最近さらに暗くなるのが早くなり畑仕事も早目に切り上げる事になった。
実際は僕が集中出来てなくて・・・
来年の春に向けて休ませてる畑に籾殻を炭にした籾殻燻炭を混ぜ込む作業なんだけど予定の半分も終わってない。
キヨお婆さんは何も聞いて来なかった、でも何か察してたみたい。
残った燻炭を小屋にしまい井戸水で手を洗ってるとダイチが迎えに来た。何か買ってきたみたいで白いビニール袋を2つ持ってる。
帰りの際キヨお婆さんが、
「ちゃーんと野菜も食べぇよ?」
チラリとダイチを見ながら渡してくれたのは漬物だ。
「ありがとうキヨさん!」
「いつもありがとな、ばーさん」
僕達はお礼を言って帰路に着いた。
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エルデプラッツではスギさんがベッドの側で祈るように何か考え込んでいた。
「お〜っす!!帰ったぞ〜!」 「・・・ただいま〜」
ダイチは元気に僕は遠慮がちに帰宅を伝え休憩室に入る。
スギさんはそれに気付いて顔を上げ少し間を置いてからやってきた。
「トシキは昼めし婆さんと食っただろうし俺は適当に外食したけどスギは食ってないと思ってさ。フライドチキン買ってきた!コレ夕飯にしようぜ!」
「なら貰った漬物もだそうか?いっぱい貰ったし」
「良いね。あ〜俺おにぎり食いたい」
「海苔無いけど、それでも良い?」
ダイチとそんなやり取りをしながらテーブルにフライドチキンや漬物(白菜と小松菜)を並べて行く。
おにぎりは驚いたことにスギさんが握ってくれた。




