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理想の悪役令嬢に私はなりますわ!~ヒロインをいじめない悪役令嬢を目指していたらなぜか私がヒロインになってしまいましたわ~~  作者: 朝比奈侑生


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理想の悪役令嬢になりますわ!

ローゼリア・アレクシュタイン公爵令嬢作、理想の悪役令嬢5箇条


その1、格(?)の高い貴族(できれば王子)の婚約者であること

その2、自らも周りから一目置かれる存在の家柄、養子であること

その3、気高く、自己研鑽を惜しまないこと

その4、婚約者に対する愛情が深いこと

そしてその5……


「お嬢様、またそんなものをお書きになって」

「いやだわエンデ、盗み見するなんて」


 そういうと、ローゼリアは薔薇の詩集が入った日記を勢い良く閉じた。


「……まーた悪役令嬢とやらの設定を考えておられるのですか、全く凝りませんねお嬢様は」


 この世界には悪役令嬢という存在がいないらしい

 と気付いたのは、この乙女ゲームの世界に転生してからしばらく経ってからだった。

 前世では、いじめやそれを乗り越える努力など、泥臭い要素は時代の流れと共に敬遠されるようになり、平和な世界観の乙女ゲームが主流となっていた。今や悪役令嬢という概念は一部のコアなファンにしか通じない過去の産物だ。


(けど、そんな乙女ゲームじゃ私は納得しなくてよ……!)


ローゼリアは金色の巻き髪をかき上げると自慢げに微笑んだ。


「大体からして、お嬢様の話では、その悪役令嬢?とやらは最後は破滅する運命にあるんでしょう?なんでそんなものに憧れておられるのですか」

「あら、悪役令嬢はヒロインから見たら悪役ですけれども、客観的に見れば、家柄、容姿、能力、全てを兼ね備えた、いわば究極の存在。でなければ王子様の婚約者など務まらないのですから」

「なら、そのヒロインとやらに悪さをしなければいいのでは」

エンデは紅茶を注ぐと、淡々と言葉を返す。

「そうなのよエンデ。ヒロインに悪ささえしなければ、完璧に理想の悪役令嬢になれると思いませんこと?」


 ローゼリアは薔薇の花弁が浮いた紅茶を一口飲むと、ふと考えた。


 (あれ、でもそれって、悪役である意味はあるのかしら……?)


 お嬢様ことローゼリア・アレクシュタインが悪役令嬢というものに憧れ始めたのは、第一王子ラスティ・レーゼンベルクと出会ってからだった。婚約者候補である王子と初めて会った舞踏会で、ローゼリアは王子に冷たく接せられるや否や、あろうことかその場で失神してしまった。その後、目が覚めたローゼリアはラスティ様と婚約することを父に懇願した。

 しかし、ローゼリアの心はラスティとは別のところにあった……。


 (あの方は……私の理想の……悪役令嬢の婚約者ですわー!!!!)


 第一王位継承権を持ち、金髪碧眼の美しい容姿を備え、ローゼリアのことを絶対に好きにならない気がする!……それはローゼリアにとって理想の悪役令嬢の婚約者そのものだった。


「お嬢様、それは些か邪な理由ではないでしょうか」

「何を言うのエンデ。私だって年頃の令嬢。婚約者が出来ることは不思議ではありませんわ。相手が王子であれば尚のこと。相手に相応しい、と周りは思うのではないかしら」


 エンデは汚いものを見るような目でローゼリアを見る。


「それに、悪役令嬢はいつかヒロインに主役を奪われるもの。もちろん私はラスティ様を親愛いたしますが、ヒロインが現れれば即座にその場を降りますわ。まぁ、私ってば素晴らしい悪役令嬢ですこと」


 ローゼリアは高笑いすると喉を詰まらせむせる。エンデはローゼリアの背中をやれやれ……とさすると「それって悪役令嬢っていうんですかねぇ……」とため息をついた。

勢いだけで書いているので気軽に楽しんでいただけると幸いです

読んでいただきありがとうございます。何か反応いただけると嬉しいです

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