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『捨てられた孤児が神界(最上層)を目指したら最強に!?〜仲間と家族のために世界をひっくり返す〜』  作者: 雨空 幸歩


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29話











 リザードマンの群れから無事に逃げ切り、家の裏に帰ってきた3人が息を整える。


「リザードマンが10体も一緒に行動してるなんて・・・どうなってんだ・・・とりあえず無事に逃げられてよかったな」


「1体でも大変なのに、10体なんてやべーだろ」


「逃げられてよかったなっ!なぁ!こいつの手当どうしたらいい!?」


「な!なんでソイツも一緒なんだ・・・!」


「は?魔物は入れないんじゃなかったのかよ!?おやじ!」


「そうだ・・・ムリに入ろうとすれば死ぬほどの痛みを味わうはずだぞ・・・もしかして・・・」


 魔物が魔物避けの中に入ろうとすれば死ぬほどの痛みを味わう。

 それもなく入れたということは答えは一つなのだが・・・


「死んでねーよっ!ほらっ弱ってるけどちゃんと息してるだろ!」


「ほんとだ・・・なぜ入れたのかは分からない・・・が、持ってきてしまったものはしょうがない。手当てしてやるか」


「大丈夫なのかよ」


「分からん。ルイ、コイツが元気になったら俺たちを襲ってくる可能性もあるんだぞ」


「大丈夫だっ!こいつはそんなことしない!俺がちゃんと見てるから」


 そうして家の中に連れて行き、ガリュウと一緒に手当をする。

 トカゲの体には無数の傷口があり、そこから血が流れていた。

 血と傷口を水で濡らしたタオルで拭き取り、綺麗にしていく。

 そうして全て拭き終えたあと横たわるその姿は、さっき森で拾った時とは別物だった。



 黒に近いトカゲだと思っていたものはすべて汚れだったようで、今は少し黄身がかった淡いクリーム色の体をしていた。


 綺麗に拭いて手当をしたあと、器に入れた水を近づけると少しずつペロペロと飲み始めた。

 お腹も空いているかもとパンを小さく千切って近づけたが食べなかった。

 それならと、干し肉はどうかと近づけてみる。


 薄目を開き、鼻先をクンクンと動かしたあと

 パクリ—


「食べたっ!干し肉がいいんだな!ほら、どんどん食べていいぞ」


 トカゲが干し肉を食べてくれて嬉しくなったルイは小さく千切っては食べさせ、を繰り返した。


 そうして一切れ食べ切ったところで満足したのか、その場にうずくまり小さな寝息を立て寝始めた。


「寝ちゃったのか」


 スヤスヤと眠りはじめたトカゲをそっと包み込み、自身のベッドへと連れていく。


「一緒に寝んのか?」


「おうっ!」


「ったく・・・」


「それじゃあ俺たちも寝るか。・・・朝起きたらサナたちもびっくりするだろうな」


「にひひっ、びっくりさせてやろうな!」


「ふっ、おやすみ」


「「おやすみ」」




 布団に潜り込み、隣でスヤスヤと眠る存在を見つめる。


 ルイが、森で傷ついていたこのトカゲと目が合ったとき何故だか『助けて』と言われているような気がしたのだ。

 そして咄嗟に助けて連れ帰ってしまった。


 ガリュウやリョウガにワガママを言ってしまった。

 しかしどうしても放っておくことができなかった。


(助けられてよかった・・・)


 横で眠る存在をギュッと抱きしめて、眠りについたのだった。








 ————







 チュン—チュン





(朝か・・・)



 目が覚めたルイは、横で眠るトカゲの存在を思い出しバッと起き上がり確認する。


(・・・寝てる・・・)


 昨日手当てしたトカゲはルイの隣でスヤスヤと眠っていた。


「ルイ!おはよう」


「おはよう、サナ!」


「顔を洗っておいで。すぐにご飯ができるよ」


「おうっ」




 外に出たルイは裏にある井戸で水を汲み、顔を洗ってスッキリした頭で家に戻る。

 何やら騒がしい声が聞こえる。主にカンナの声だ。


「この子どうしたのー!?ねぇ!パパ!リョウ兄ー!」


「かわいいー」


「きゃっ!ルイのベッドに・・・?」


「ああー・・・ルイが拾ってきたんだよ」


「拾って・・・?」


「じゃあ一緒に住むの!?やったー!」


「トカゲなのかな?ボクこんな色のトカゲ、初めて見た〜」


「ああ・・・ルイが飼い主だ。お前たちも可愛がってやれ」



「はぁーい」とカンナとサンが返事をしている声が聞こえる。

 そうして入ってきたルイに気がつくと、カンナが勢いよく話しかけてきた。


「ねぇねぇ!ルイ兄ー!この子、名前なんていうの!?」


「名前かー!どうしよっかなー」



 黒から白になったトカゲ・・・

 白・・・



「白いから・・・アルバ・・・っ!アルだ!こいつの名前は『アル』にする!」


「アルー!アルだってー!」


「かわいい〜」


「・・・アルバ・・・黒から白に変わったから夜明けか。いい名前だな」


「そうだろーっ!」


「ルイにしてはいい名前つけたじゃねーか」


「なんだと、リョウガー!」






 なんてやり取りをしてから1週間—

 アルはひたすら眠り続け、一度も目を覚ますことがなかった。







最後まで読んでくださってありがとうございます✨


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それでは、また次の話でお会いしましょう!


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