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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season10 ― 言わなかった後悔、言わなくてよかった光 ―
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第15章 暴かれた闇、つながる光

■ 中原の罠 × 凪のトリガー



アークシステムズの会議室。

なぎはノートPCに向かいながら、キーボードを高速で叩いていた。


「……これで中原なかはらさんの仕掛けたバックドアに、

 僕のトリガーを連動させました。

 徳山とくやまが同じ操作をすれば――自動的に全部『記録』されます」


「逃げ道はない、ということだな」

しゅうが腕を組む。


「はい。たまきさんも、美乃よしのさんのためにも……

 ここで終わらせないと」


環は凪の横顔を見つめ、小さく頷いた。


「大丈夫。私もいますから」


凪は照れたように笑った。


「環さんのその言葉……ほんっとに心強いです」



◇◇◇



■ 罠にかかる徳山



その日の夕方。

徳山とくやまは会議室にこもり、怒りと焦りで顔を赤くしていた。


中原なかはらのやつ……!全部俺に責任を押し付けやがって!」


徳山はサーバーにアクセスし、

いつもの“改ざん”を行おうとした――その瞬間。


ピッ――!


警告音。

画面には赤字で「操作ログ記録中」の表示。


「……は? なんだこれは……!」


さらに、裏金処理、横領データ、改ざん履歴――

全ての操作が瞬時に自動バックアップされていく。


「そんな……こんな仕掛け……誰が……!」


そこに、静かに扉が開いた。



◇◇◇



■ 終演



長岡ながおか部長、中根麻由美なかねまゆみ深見ふかみ若月わかつき片倉かたくら

そして――


しゅうなぎたまきが立っていた。


「徳山さん。記録はすべて見ました」

長岡部長の声は冷静だった。


「き、貴様ら……罠を張ったな……!」


「罠じゃない」

柊が一歩進み出る。

「あなたが自分で踏んだだけです」


徳山は机を叩きながら叫ぶ。


「俺がどれだけ会社に尽くしてきたと思ってるんだ!

部下を使うことの何が悪い!

美乃よしのが優秀すぎるのが悪いんだ……!」


「悪いのはあなたです」

環が静かに言う。

「美乃さんは誰のせいでもなく……あなたの悪意で傷つけられたんです」


凪も続いた。


「徳山さん……

 もう、逃げないほうがいいですよ」


末松すえまつに続き、坂井も謹慎。

頼みの綱の中原はすでに捕縛済み。

徳山の目には、次々と追い詰められていく現実が映っていく。


「ば、ばかばかしい……俺は……俺は……!」


警備員が入り、徳山は取り押さえられた。

その最後の瞬間、徳山は叫んだ。


「俺は悪くない!俺は……!」


その声は虚しく、誰の心にも届かなかった。



◇◇◇



■ ニュースと、美乃の帰還



数日後。

徳山とくやまの横領、裏金、私的流用、情報改ざん――

すべてが公となり、ニュースを騒がせた。


「豪邸は差し押さえ」「部下を使った不正工作」

画面には“巨大な闇が崩れ落ちる”瞬間が映っていた。


「……終わったんですね」

環がぽつりとつぶやく。


「ああ。ようやくな」

柊が頷く。


「美乃さん、戻ってこれますね……!」

凪が涙ぐみながら微笑む。



◇◇◇



■ 帰ってきた光



アストリア社・1階ロビー。

美乃よしのが静かに歩いてくる姿が見える。


その姿を見つけた部下たちは、次々に駆け寄った。


「美乃課長……!」

「信じてました……!」

「お帰りなさい……!」


泣きながら抱きつく人、

手を取り震える人、

ただ頭を下げる人。


美乃は一人ひとりに笑顔で応えた。


たまきはその光景を胸に刻む。

ぽかぽかが溢れ、涙がにじむ。


「美乃さんは……本当に、愛されてるんですね……」


なぎは目をこすりながら言う。


「そりゃそうですよ……

 あんなに優しくて、強い人なんですから……」


しゅうは静かにその様子を見守る。

環の肩に手を置き、そっと言った。


「凪、環……お前たちが守ったんだ」


環は涙を拭き、微笑む。


「うん……よかった……本当によかった……」

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