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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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70話 見つける

 文字で検索して無理なら、画像検索をするしかない。


 まぁ一度やって失敗してるんだけど。紙に書いた単語を写真撮ったやつで検索したのがよくなかったんだと思う。


 情報として送られてくるなら文字が手書きなわけないし、俺らが認識している文字の形があってるとも限らない。もっと整った形じゃないダメだったんだろう。たぶん。


 あとは単語でまとめちゃったところもよくなかった。送られてきた情報にその単語が使われてなかったら意味ないからな。


 だから、今回は文字ひとつひとつで検索する。


 まずはわかってる単語の中から使われてる文字の種類を抜き出して……



ካረጻመሦኮቶባኡካንጂሾኩኡኪሔኢሪኤሖሤ



 似てる形多いな。


 その後は、PCのペイントソフトで整った形を意識して文字を書く。


 それだけじゃ不安なので、有料の生成AIソフトを買って、棒の長さを変えたり、丸を大きくしてみたり、あえて形を崩してみたりと、若干形を変えたパターンをいくつか出力した。


 向こうのAIじゃ何も答えてくれないから、地球産のAIの力を借りたってわけだ。


 そうして作った文字をいろんな検索エンジンを使って片っ端から画像検索をしていった。


 すると驚くほどあっさりと見つかった。


 まず一つ目は、ヨーロッパの国のとある家の壁に突如として現れたらしい。その家に住んでいる人がネットに写真をあげ、地元新聞に載った。文字の出現日は2028年の12月21日。クリスマスが近いこともあって、浮かれた若者のイタズラだろうと済まされたようだった。



ቴሡቶ ቴሡቶ ቴሡቶ ፗ

ጹኪ ጋ ሚቺ ዎ ቴረሺ ናጋረ ፊ

የመ ኖ ኡኤ ኒ ካጌ ዎ ኡጹሡ ፗ

ጻሬ ሞ ኢናኢ ሦረ ዎ ቶንጼ ፊ

ዩሜ ኖ ካኬረ ሣጋሺቴኢሩ ፗ



 うん、内容は全くわからないな。

 いつになく長文だから文章として成り立っててほしいけど、どうだろうか。


 文字と文字の間の開け方が若干違うのはなんの意味があるのか。


 あとは、初めて俺が声を聞いたのは2030年の12月。これが2028年の出来事なので、少なくとも声より約2年も前に向こうはこちらを認知していたということ。


 なぜ、ダンジョンマスターを選ぶまでに2年もかかったのか。それともこれが最初じゃなくて、向こうはもっと前から地球にダンジョンを置こうとしていたのか。


 謎はつきない。


 次は、アメリカの掲示板に投稿された文字だ。

 誰も読めなかったと言うのもあるが、存在しない文字だからか、コピーして貼り付けると文字化けしてしまうことで話題になっていた。



ቴሡቶ ቴሡቶ ቴሡቶ ፗ

ኮቶናሩ ጂጌን ካረ ሜፁሤኼጂ ዎ ኦኩፁቴኢሩ ፗ

ኮሬ ዎ ሚታሞኖ ሓ ኦኡቶኡ ካኖኡ ካ ጓ



 これの投稿日は2029年の1月18日。エージェントになる為のテストだろうと騒ぎは1ヶ月もしないうちに落ち着いた。


 全く読めないが最初の一文が一つ目のと同じっていうのはわかる。

 しかも同じ単語が3回繰り返されてる。


 電話で言うもしもし的な奴だろうか?


 最後はだいぶ時間をあけて、2029年の11月。詳しい日付はわからないが、シンガポールのホテルで見つかった。


 ノートの半分ほどの大きさの紙に文字が書かれており、ホテル側はしばらく客の忘れ物として保管していたようだ。清掃員が不思議な紙があったとSNSに投稿してしまい、人の忘れ物の写真を勝手に撮ってネットに投稿するなんて非常識だと炎上していた。


 この清掃員の問題行動に注目が集まった所為で、不思議な文字が書かれていたことはあんまり注目されなかったみたいだ。



ኢካኢ ኖ ሞኖ ዮ ኪጽካናኢ ኖካ ጓ

ኮንናኒሞ ሺሹቺሾኡ ሺቴኢሩ ኖኒ ዕ



 1番文章が短い。


 けどまぁやっぱり俺に読めるわけもなく。

 解読は研究者さん頼りだ。ダンジョンで読んでもらおう。


 前に配置した謎解き扉を一旦消して、2028年にヨーロッパで発見された文章を新しく謎として設定した扉を置き直した。


 その扉を開いた先にアメリカで発見された奴の謎解き扉を設置、それも解けたらシンガポールの謎のやつを設置した。


 研究者さんなら覚えられるだろうが、何か書きたい場合があるかもしれないので、最初の隠し部屋の机にメモ用紙とペンを置いておいた。


 あとは、研究者さんに見つけた文章を新たに謎として設置したとメッセージを送って終わりだ。


 すると、すぐにどんな文字でどうやって見つけたのかと長文で返信が来た。


 とりあえず見つけた方法だけを教える。

 文字の内容は実際にダンジョンに行って見てほしい。ちょっと書き写すの面倒だからさ。


 その日の夜。研究者さんから解読してきたと連絡があった。


 いや、早くない?今日は松戸あたりのダンジョン行ってたんじゃなかった?


 相変わらずの行動力だ。


 とりあえず内容を確認しよう。


 まずはヨーロッパで発見された奴。



---


テスト テスト テスト

月が道を 照らしながら

山の上に 影をうつす

誰もいない 空を飛んで

夢のカケラ 探している


---



 なんだろう。テストでメッセージを送ったのはわかるが、それ以降の意味が日本語に翻訳されてもわからない。


 向こうの歌?詩?だろうか。

 それともテストだからとりあえず思いついた言葉を送ったのかな。


 次もテストという単語から始まっている。



---


テスト テスト テスト

異なる次元からメッセージを送っている

これを見たものは応答可能か?


---



 テストだとしても、ここまで文章が成り立っているなら、中身に意味がないとは思えない。


 内容を信じるなら相手が異世界にいるっていうのほぼほぼ確定したな。


 応答を呼びかけている……ということは対話を希望していた?

 今は一方的に話しかけてくるだけなのに。


 最後は1番短い文章だ。



---


異界の者よ 気づかないのか?

こんなにも 主張しているのに


---



 うーん……散々メッセージを送ったのに反応ないからなんで?っていう意味かな。


 今回見つけられたのは3つだけだったけど、間が空いていたから他にも何回かメッセージを送っていた説はある。


 誰かが気づいて応答できていたらどうなっていたんだろう。少なくとも人類に無断でダンジョンが作られることは無かったのだろうか。


 今更考えたって意味ないんだけど。


 向こうの目的が何かはまだわからないが、こちらと対話しようとして、でも無理で、次にとった行動がダンジョンマスターを決める、だったとは思えない。


 なぜ返信がなかったのか考えたはずだ。

 そして、違う方法を試そうとするはず。


 言語の問題は関係ない。初めて人類に声をかけた時にいろんな言葉を扱っていたから。向こうはこちらに合わせてメッセージを送れる。


 もしかして、実際にこちらの言語でもメッセージを送っていたんだろうか。でも、そんな話題聞いたことないしな。


 そもそも、異世界からメッセージだってことを信じる人はいない。誰か信じる人がいたとして、どうやって返信するのか。


 あ、向こうは地球には異世界に返信できる技術が無いと気づいた……?だから、対話を諦めた。


 だとしたらどうやってそのことに気づいたんだろう。


 そういえば、以前研究者さんはダンジョンの運営システムをまるでゲームみたいと言っていたな。作る時に誰でも躓かないようになっている設計だとも言っていた。


 異世界の人間がなんで地球人が使いやすいと思える仕様で作れたんだろう。


 他にも、国ごとのダンジョンの個数は人口順だとされていて、実際にだいたいその順番で個数が変わって来ている。向こうはどうやって国ごとの人口なんて知れたんだ?


 今わかってることをまとめると、向こうは最初、こちらと対話を図ろうとした。

 けれど、応答がなかった。


 だから、なんらかの方法を使って地球について調べた。それも相当詳しく。


 結果として地球には異世界とやりとりする技術がないと判断して、対話を諦め、向こうは目的のために勝手にダンジョンを作った。


 異世界とやりとりする技術がないなら文句は言われないし、やり返される心配も無いから。


 ってところだろうか。

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