表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/131

68話 お誘い

 真識眼以上の情報は俺から出せないと思うが、アイテムの説明くらいならわかるかな。


 少なくともドロップアイテムに選んだ花の花びらに依存性があったのが偶然だったとは思えない。ダンジョンマスターは敢えてそれを選んだ筈だ。



「ダンジョン運営画面から探してその花の説明文見てみます。まずは特定するところからですね」



 画面を出し、ドロップアイテムのページに行って、“花”と“アルリア”というワードを入れて検索をかけた。するとすぐにそれらしい花がヒットした。



「太陽の光をたっぷり浴びた花。光の力が根っこに集まるため、根の部分が一般回復薬に使われる材料になる。花びらは幸せな夢を見せる幻覚効果があり、依存性が高いので注意が必要。と書いてあります」



 依存性のある花をばら撒いて、中毒になった人を増やせば、花を求めてダンジョンに来る人を増やせる。ダンジョン運営という点においては、理にかなっている。しかも、唯一プラスの効果がある根っこの部分はドロップさせないというのがなんともいやらしい。


 ただ、こんなやり方、人類が認めるはずがない。ここのマスターは人類を敵に回してもいいのか?



「ふむ。府中ダンジョンのマスターはなかなかの厄介者らしい。動画では全くそんな風には見えなかったのだが……」



 動画で見た府中ダンジョンのマスターは確か……20代前半のいかにもチャラそうな人だった。薬やってそうな人といえば納得する雰囲気の人物だったが、俺も依存性のある花をばら撒く人だとは思えない。


 何も考えずに人が増えるだろうとドロップさせただけならあり得るだろうが、その後顔出してダンジョンマスターを名乗る動画を上げるか?普通。


 流石にそんな馬鹿な人間いないだろう。瑛士でもやらないぞ。たぶん。



「とにかくまっちー。ありがとう。茎から根が生えてくる植物も存在するのなら、アルリアという花も根っこを生やす方法が存在するかもしれん。まぁ、先に2週間以上花を保たせる方法を考えなくてはいけないがな」


「いろいろ気になることは増えましたが、元々はそういう話でしたね」


「ああ。友人には今の花の説明をそのまま話そう。そうしたら後は本人がなんとかするだろう」



 ドロップアイテムについてだったらAIに聞けばもう少し詳しい説明をしてくれただろうけど、今ので研究者さんが満足しているならいいや。



「ふふ。呑気にここで話している場合じゃなくなってしまったかな。人類の味方を公言しているまっちーには、人類の敵かもしれないダンジョンマスターの存在は放っておけないだろう。

 そこでだ。私と一緒に府中ダンジョンに行ってみないかね?直接見ることでわかる事が増えるかもしれない」



 一度直接見てみたいと思ったのは事実だ。


 だけど場所は広島県なんだよな。旅費はどうにでもなるが、流石に遠い。調査するなら丸一日は使いたいし、移動も含めると最低でも2泊3日は必要だ。けど、大学があるからそう簡単に遠出はできない。


 ……いや、12月に入れば冬休みになるしそこなら可能か?


 待て、それ研究者さんと一緒じゃなくても良くないか?そりゃ攻略はスムーズに行くだろうが相手は研究者さんだぞ?道中いろいろ質問されるに決まってる。



「私と2人っきりが嫌なら……そうだ。私の妹も連れてこよう。あの子はダンジョン攻略に便利なスキルを持っていてね。なかなか役立つ子なんだよ。あとは、君の友人も誘ったらいい。もちろんダンジョンに行くまでの費用や宿泊費は全部私が出す」



 別にあんたの妹は要らないが。


 友人を誘ってと言われても誘えるのはあの3人くらいだし、俺の正体伏せるためならむしろ連れて行かない方がいい。


 うーん……そもそも研究者さんの方が府中ダンジョンの情報を多く持ってるから俺要らなくない?なんで俺を連れて行きたがってるんだろう。



「いったん返事は待ってもらっても?」


「かまわん。ただ、今年中にもう一度行きたい。それまでに良い返事を待っているよ」


「わかりました」



 おそらく良い返事はしないと思うけど考える余地はなくもない。


 これでお互いに話したいことは終わった。


 研究者さんはダンジョンマスターに聞きたいことが色々あるだろうが付き合ってたらキリがないのでとにかくこれで終わりだ。


 名残惜しそうにする研究者さんを無理矢理帰らせて、俺はダンジョンの見回りをする。


 見回りと言っても、何か面白いことが目の前で起こらないかなぁという、配信のネタ探しだ。


 別に面白くなくてもいいが、特研から貰ったカメラで撮っていい感じになる場面がいい。







 見回りを始めて2時間。隠遁者スキルを使ってダンジョン内をウロウロして写真を何枚か撮った。


 撮った後に気づいたのだが、探索者の顔がガッツリ写っている写真を配信にあげるのは肖像権的に流石にまずいよな?顔にモザイクとか目に黒線入れたら許されるかな。……ここら辺はリスナーに聞いてから出すか決めよ。


 とりあえず撮るものは撮れたので、俺は家に帰った。


 そして、パソコンで動画投稿サイトを開いた。府中ダンジョンのマスターを名乗る動画を見直すためだ。



『どーもー!俺があの府中ダンジョンのマスターでぇす!』



 ……初めの挨拶でもう何かを考えて依存性のある花をばら撒く奴にはやっぱり思えないな。


 動画には撮影者のものと思われる笑い声が入っているだけに余計そう思うのだろうか。



『いやぁ、俺もね、名乗るつもりは無かったんだけどさぁ。他のダンマスが名乗ってんじゃん?なら俺も言わなきゃいけないかなって。あとはほら。根が善良だから、俺。隠してるのは辛くて』


『どこが』



 表に出てきた理由がふわふわしすぎだろ。あと撮影者はツッコみいれるならもっと大きい声で言え。



『ええー、ちゃんといい子ちゃんだって。モンスターの氾濫も起こさなかったしぃ。お花!友好の印にお花をドロップさせてるんだぜ?この俺が!』


『お前が花とか……ぷぷ』



 そう言いながら撮影者は笑ってる。小声で似合わねぇとも聞こえた気がする。だから喋るのかカメラ役に徹するのかどっちかにしろ。


 それと、ドロップさせた花に依存性あったら全然友好の印になってないから。発言からして花の効果すら知らなさそうな雰囲気を感じる。


 ついでにモンスターの氾濫を起こさなかったからと言って、人類に対して友好的とは限らない。条件を満たしていなければ、そもそも氾濫させられないんだから。しなかったんじゃなくて、できなかった可能性がある。



『そもそもお前、ダンマスって柄じゃねーよ』


『ふざけんな。俺は選ばれたんだよ……声にな!』


『声も見る目ねーな』


『あ?喧嘩売ってる?』


『売ってない売ってない』



 急にいっぱい話し出すじゃん。カメラマン。



『それより、あれ言わなくていいのか?ダンマスの動画でお決まりのやつ』


『あれ?……あー!あれね!じゃあ俺は1階層でいっぱい花がドロップするようにしまーす!確認よろしくな、みんな!』



 これで動画が終わった。


 一度見たことあったが、改めて見るとツッコミどころが多すぎたな。


 こんな若者がおふざけで撮ったような動画でも、ダンジョンマスターの動画だと認められたのは、本当に1階層のドロップ率が変わったからだ。しかも、動画が投稿された翌日に。


 当時は偽物がいっぱい出てきていたが、ドロップ率が変わった時に府中ダンジョンのマスターを名乗っていたのはこいつだけだったこともあって、すんなりと認められた。


 ただ、この動画の次に批判がすごかったからもう動画はあげません、という短い動画を出してからはもう表に出てきていない。


 俺の覚えていた動画より内容が酷すぎてただの考え無しの馬鹿って説があり得そうなのがな……


 確か、こいつは動画から身元を特定されていた筈だから、ネットで検索すればもっと詳しい情報が出てくるだろう。


 もう少し調べてみよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ