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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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59話 映え階層作り

 新ダンジョンが出来てから1ヶ月もすれば、そのダンジョン周辺には特殊素材取扱店が出店され、長期滞在する探索者用の宿泊施設ができ、少し離れたところにライセンスの講習場もできた。


 人類って順応するのが早い。


 様子見だった探索者達も新ダンジョンの攻略情報がどんどん流れるにつれてそっちに行く人も増え、やっぱり俺のダンジョンに来る人は少し減った。


 それでも想定より人数が減ってないのは、新しく作った練習場のおかげだと信じたい。


 ただ練習場を増やしてからしばらく経った時に配信で使用感を聞いたところ、泥と水分けた意味ある?という意見が多かった。あとは風が吹いていてもあんまり意味ないという意見も多かった。


 なので泥と風のエリアを消して水と森のエリアを増やした。消したら消したで文句を言う人も居たが、割れた意見に付き合ってられないので無視だ。


 泥と風を盛大に生かした階層をいつか作ってやろうと思う。いつかな。


 今回作るのはチュートリアルクリア後の21階層。


 結構前に探索者は19階層に来ていたが、なかなか20階層に進める気配がなかった。隠し部屋がある都合上19階層は定期的に部屋の配置換えを行なっているが、探索者達が配置が変わってることに気づけてなかったからだ。


 そもそも19階層まで降りてくるのに時間かかるし、帰りのことも考えると探索者達が19階層に居られるのは短い時間しかなかった。1回の探索でなかなか先に進めないからこそ、配置換えに気づけなかったわけだ。


 そんな状況では偽ルートでさえ辿り着けない。


 それが最近ようやく部屋が配置換えされていることに気づいたみたいで、コメントで相当文句を言われた。


 1階層から現在確認されている12階層まで全て定期的に道が変わる奈良ダンジョンよりはるかにマシだと思うけどな。


 ちなみに道を変えるには、変えたい道に人がおらず、近くにも人がいなくて誰も変化を視認できない状況である必要がある。

 さらに道を動かすのにも消すのにもその道を作った時のポイントが追加で必要だ。この条件は道じゃなくて部屋も同じ。


 つまり大幅に道や部屋を変えるにはポイントがそれなりにかかるのだが、奈良ダンジョンのダンジョンマスター的には気にならない消費なのだろう。


 俺は気になるからたぶん今後も10階層ごとに1回使うかどうかくらいでのペースでしか配置換え戦法は行わないと思う。


 さて。話は逸れたが21階層だ。現在探索者達はようやく先に進む魔法陣を見つけ、発動条件を調べているところだ。というか赤い花を探しているところだ。


 本当は19階層に1人でも足を踏み入れた探索者が来た時点で作ろうと思っていたけど、ちょっとチュートリアルじゃない階層のあり方に悩んでいたので後回しにし続けていた。


 配置換えで魔法陣のある部屋の位置が変わるとはいえ、流石にここまで来るといつルビーを置かれて20階層をクリアされるかわからない状況なので、腹を括ってさっさと21階層を作るしかない。


 ということで、まずは3m×3mの部屋を作った。ここに階段を繋げており、階段を降りて右に1階層に帰る用の魔法陣を置いた。左はちょっとだけ床の色を変えて、1階層や19階層から魔法陣で来た人たちがくるスペースということにしている。


 この小部屋から5mくらい続く道を作り、その先には300m×400mの空間を作る。この空間だけで120万ポイントも使った。かなり痛い。

 1m×10,000mはたったの10万ポイントの消費なのにな。


 ……もうちょっと広い空間を作りたいダンジョンマスターに寄り添ったシステムにしてほしかった。


 今更何言っても変わらないだろうけど文句くらいは言わせてほしい。


 そして形。四角しか選べないのはどうかと思う。単純につまらない。こっちは文句言ったらどうにかなるだろうか?



「ダンジョンの部屋の形を四角以外にしたいんだけどやり方ある?」


『回答。不可能です』



 ここまでは予想通りだ。前に似たような質問したことあるし。



「そこを何とかできない?同じ面積なら自由に形を変えられるようになってもいいと思うんだけど」


『情報を送信。少々お待ちください。……お待たせいたしました。四角ボタンを長押しで形を変更可能になりました。』



 よし。やっぱりゴネたら意外となんとかなるんだな。ちょっと思ってたのと違うけど。


 試しに⬜︎を長押ししてみると、◯、△、♡、⭐︎が増えてきた。


 いや、♡と⭐︎は要らなくない?少なくとも俺は要らない。


 まぁでもせっかくなので新しく増えた図形を使って実験してみよう。


 とりあえずハートを画面に置いた。消費ポイントはめちゃくちゃ中途半端な数になったが、たぶん今まで通り床面積×10で計算されているはずだ。


 次に、ハートの下の部分と星の上の部分を重ねて置いてみると、重なった部分は勝手に消え、奇妙な形のアウトラインが残った。

 重なった部分が消えるのは四角の時と同じ仕様だ。


 どんな形でも使い方は変わらないらしい。


 最後に四角でもやってないことをやってみる。ハートと星は一旦消して、丸を重ねて2つ置いた。(二重丸)の形だ。すると必要ポイントが減った。



「これ探索者が歩ける部分ってどっち?外周?内円?」


『回答:外周です』



 なるほど。完全に重なった部分のみがなかったことになるんだな。


 これ応用すればいろんな形の部屋を作れそう。


 今求めてたのはただの◯だからこれもまた今度やってみよう。



「ピッタリ120万ポイント分の円を出して」


『承知しました』



 待つ間もなくポンっと画面に大きい円が出てきた。

 直径が大きくなった分、実際に探索したら四角の時より広く感じるんじゃないだろうか。


 あ、さっき実験で出してた円を消し忘れてる。ついでに質問しとこうかな。



「今みたいに円を3つ重ねた時、探索者が歩けるのは?」


『回答:1番外側にある外周のみです。道を繋げることで1番内側にある円も探索可能性エリアとなります。』



 そういう感じになるんだ。


 流石にこれ以上もう聞くことなさそうなので、そろそろ21階層作りに戻ろう。


 さっきAIに頼んで出してもらった円以外の図形を消す。そして花畑という環境変化を適用した。何の花かわからないけど、とりあえず綺麗な花で一面埋め尽くされ、踏み荒らされても自動的に修復される。10万ポイントもかかったが他に効果はない。


 今回は階層に環境変化をかけたので、魔法陣がある小部屋や通路も花畑になった。ただ先に別の床にしていた到着用スペースだけは花畑にならず、ぽっかりと空いている。

 通路を抜けたら一面花畑があるという状況を作り出したいので、円以外の部分はわざわざ追加でポイント払って石レンガ風にしてみた。


 次の階層に行く方法は魔法陣と階段の両方使いだ。まず花畑のどこかに条件を達成すると乗れる魔法陣を置く。その魔法陣に乗ったら下へ行ける階段のみある部屋に行ける仕組みだ。

 なんでこんなややこしいことになっているかというと、下層へと続く魔法陣には条件設定ができないからだ。


 入り口にはいつもの看板をつける。



【チュートリアルお疲れ様でした。この階層ではモンスターは出ません。景色をごゆるりとお楽しみください】



 看板の通りこの階層ではモンスターは出さない。

 映えを狙った階層である。


 まぁ、ただで先に進ませるわけもなく。


 まず花を踏まなきゃ進めないという罪悪感を与えつつ、踏んだ花は修復されるので、うっかりしてると帰り道もわからなくなる微妙なトラップがある。外周を回れば戻って来れるんだけど。


 それでも花で下が見えない中地面にある次の階層に行く魔法陣を見つけるのはなかなか難しい。


 あとついでに魔法陣を使える条件は累計で23時間59分この階層に滞在した人にしている。この時間は設定できるMAXの時間だ。一度この時間が経過すると次からは何回でも魔法陣を使えるようにはなるが、足止めには充分だろう。


 それでもごゆるりとって看板で言ってるからゆっくりしていってほしい。


 微妙に難しい部分はあるが、モンスターが出現しない時点でイージーである。チュートリアルを頑張ったご褒美階層だと思ってくれていい。


 本番は次の22階層からだ。

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