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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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92話 ホルグボルグ

 さて、ここでの食事をどうするかだな。


 いや、マスタールームショップで購入する気満々だけど、どうせならこの向こうの料理を買ってみようかな、と。


 元となる食材がわからないという不安点はあるが、知ってる料理を選んだって、ポイントで買ってる時点で元の食材がどこからきてるかわからない。だったらいっそ向こうの料理っぽいのを試してみたい。


 1番最初に目に入ったホルグボルグというのを買ってみよう。


 一緒に入ってる野菜も向こうのものなんだろうか。



「これ料理に使われている材料を詳しく見れたりしない?」


『回答。可能です』



 あぁ、久々にこんな回答聞いた。


 最近は大体知りたいことの回答をちゃんと答えてくれてたのにな。見れるかどうかっていう今の質問の仕方がよくなかったか。



「やり方は?」


『回答。料理名を長押ししてください』



 言われた通りにしてみると、箇条書きで食材らしき名前が並んだ画面が出てきた。


 これ最初はホルグボルグでやるべきじゃなかったな。全部知らない名前すぎて何が何だかわからない。唯一わかるのはホルグの肉というメインであろう食材が1番上にきていることくらいである。


 一度その画面を閉じて、試しに肉じゃがの詳細を開いてみた。


 豚肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎと見慣れた食材が並び、後ろのほうは醤油、砂糖、料理酒と調味料が記載されてあった。


 他の料理も最初は食材、その後に調味料と並んでいたので、おそらくこの並び順は統一されている。


 もう一回ホルグボルグを開いてみた。他の見慣れぬ料理名もいくつか見てみる。


 そのうち塩など、調味料だけは知っている料理がいくつかあり、逆に調味料が書いてありそうなところもまったく知らない名前が入っていたやつもあった。


 たぶん全てわかんないやつが向こうの料理っぽい。


 だとしても、調味料くらい無理矢理翻訳できなかったのかな。塩とか要するに塩化ナトリウムなんだから一緒になるはずだけど、まさか向こうとこっちでは原子の構造さえ異なるのか?それともこの世界の調味料がシンプルに向こうでは使われていないだけ?


 機械が使えないダンジョンでも原始的なやり方で料理をどうこうして実験できなくも無さそうだが、残念ながら俺ではそのやり方が思いつかない。これも奈那さんに投げておこう。


 そうじゃなく。ホルグボルグを食べてみようと思ってたんだった。


 思い切って購入してみると、カレー皿くらいの大きさの紙でできた器に入った料理が出てきた。箸などの食器はない。


 これはここで購入するより、後で家から持ってこよう。


 ちなみにマスタールームに荷物を持ち込むことは出来るってAIに確認済みだ。


 ただ、今すぐに箸を使いたいので、仕方がなく1番安い使い捨てのやつを買った。それで出てきたのはよくある割り箸だ。


 恐る恐る肉を口に入れてみる。



「うーん??」



 なんだろう。全然美味しいんだけど、説明が難しい。トマト感が強いハヤシライスのような、ポン酢が入った肉じゃがのような……とりあえず酸味があり、肉も淡白な感じなので思ってたよりあっさり食べられる。


 一緒に入っていた芋っぽいなにかも食べてみた。芋っぽいというかこれはもう芋だな。色が赤くて甘味の強いじゃがいも。

 パッと見では完全に大根のやつは、苦味が強かった。どちらかと言うとにんじんに近い味だ。


 そら豆っぽい緑の豆は普通に豆だった。想像通りの味である。むしろここまで来たらこの豆も期待を裏切って欲しかったな。いや、うん。普通に美味しいからいいんだけど。


 とりあえず総合すると白米がほしい。味が濃いめだからかな。たぶん絶対合う。


 米を備蓄しておくのはありか?マスタールームで虫が湧くとは思えないから長期保存に向いてると思うんだよな。

 ショップで炊飯できるものを探すか、最悪なくてもキッチン設置すれば鍋で炊ける。キッチン要らないって思ってたけどなんだか必要な気がしてきた。


 今度暇になったら1週間くらい試しにここで過ごしてみて、足りないものを追加していく、という作業をやっておいた方がいいのかもしれない。


 そうこうしているうちに、ホルグボルグは完食した。若干足りないから帰りにコンビニでなんか買って帰ろうと思う。


 時間は20時になろうとしていた。


 ゴミとなった紙皿と箸はAIに言ったら消してくれた。あとはゴミ箱を設置すると、中に入れたものを勝手に消してくれるらしい。大変便利である。


 電気のつけっぱなしはなんか嫌だったので、消灯してからマスタールームを出た。


 いつもの画面を出して、28階層の長い道の終わりに隠し部屋へと続く魔法陣を設置する。もちろん使えるのはダンジョンマスターのみだ。


 ……ふと思い立って、探索者も使える魔法陣も設置してみた。行先は1階層である。


 うっかり魔法陣を踏むと、ここまで頑張ってきたのに最初からやり直す羽目になる訳だ。


 道幅いっぱい魔法陣で埋まった。ジャンプすれば越えられるとはいえ、初見で避けるのはなかなか難しいんじゃないだろうか。


 保険程度に考えておこう。


 ついでにもう一つ思いついた事がある。


 次の階層へ進む時に使う魔法陣には条件設定ができない。ただし、階段を繋いで、あるいは無条件の魔法陣を設定した上でなら、階層間を移動できる魔法陣に条件設定はできる。


 このダンジョンの20階層はこの仕組みを使ってチュートリアルのクリア者と非クリア者をわけた。


 ここで重要になってくるのは、あくまでも制限があるのは次の階層に続く魔法陣のみで、同じ階層内の魔法陣ならいくらでも条件設定ができるということだ。


 とりあえずテスト階層として新しく29階層を作ってみた。そして部屋Aと部屋Bを作り、部屋Aには28階層から普通に階段でこれるようにした。部屋Bはコア部屋に続く階段を作る。


 現時点では部屋Aと部屋Bは繋がっておらず、画面には警告文が出ている。このままじゃ完成させられない。


 なので、部屋Aと部屋Bの間は魔法陣で繋ごうと思う。もちろん条件設定付きだ。


 人類が達成できない条件、例えばダンジョンマスターのみ使える、とかだと引き続き警告文が出る。逆に言えば、人類が少しでも達成できるのなら、設定可能なんじゃないだろうか。


 試しに、ホルグボルグを置いた時に魔法陣が発動するようにしてみた。


 警告文は消え、決定ボタンが押せるようになっている。


 そしてそのまま決定できてしまった。


 向こうの文字を使った謎解き扉を設定できたからこれもいけるかなって試しにやってみたけどまさか本当にできるとは。


 地球にはない料理がないと進めないって実質不可能だと思うんだけどいいのかこれ。


 再現料理でも進める可能性あるのか?

 いやだとしてもこれ設定出来ちゃダメだろ。

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― 新着の感想 ―
ホルグボルグの封鎖、トマト缶追加したハヤシライスとかポン酢追加した肉じゃがで通過できたりしてしそう。 下手したら、えのころ飯とかシュー缶の方が強固な封鎖になるかも。
地球のとある国の民族料理とかならワンチャンイケるところを原材料から不明の異世界料理を設定出来るのは完全なバグですね! 現代・ダンジョンマスターもので楽しく読ませてもらってます。
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