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宣誓!人類の味方となるダンジョンにする事を誓います! 〜チュートリアルを装った攻略させないダンジョン作り〜  作者: 天沢与一


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87話 事情聴取をされる

 嫌だなと思いながらも帰らない訳にはいかないので、帰省する準備をした。といっても、引越しの時に洋服類は半分くらい実家に置いて来たので、バッグに入れたのは充電器類とか空港で買っておいた広島のお土産とかだ。


 夕方までには帰ると言ってあるから、そろそろ家を出ないとか。


 荷物を持って玄関のドアを開けると、黒スーツを着た2人組が立っていた。片方は確か……筒口だっけか。前に宮吉と一緒に来ていた男だ。



「なんの用ですか」


「あっ、えと……こんにちは、若島様。広島で出現したドラゴンについてお聞きしたい事があるのですが、お時間少々よろしいでしょうか」



 話し出したのは男の方ではなく、一緒に来ていた女の方だ。宮吉より随分おとなしそうな印象である。


 基本的に話すのは女というルールでもあるんだろうか。



「見ての通り出かけるところなので無理です」


「ではいつなら都合がつきますか?」



 一生都合つかない予定って言ったら諦めてくれるだろうか。うーん……女の方はなんとかなっても男の方は無理そう。


 このまま断って後で何度も来られるよりは今対応した方がマシか?この後用事あるって丸わかりの今なら無理に居座らないだろうし。



「……貴方達のために時間は作れないので話があるなら今聞きます。入ってください」



 仕方なく俺は2人を招き入れた。

 念の為スマホの録音アプリは起動させておく。


 帰る時間が多少遅れても両親は気にしないだろうけど、さっさと終わらせたいな。



「で、ドラゴンについて聞きたいことって?」


「単刀直入にお聞きします。あれを倒したのは貴方ですか?」


「いいえ」


「何言っても信じない人は信じないし、信じる人は信じるから、でしたっけ」


「町田のダンジョンマスターが配信で似たようなことを言っていましたね。俺には関係ないことです」



 向こうは俺がマスターだと確信して来てるんだろうけどな。宮吉との録音公開しちゃってるし。

 でも素直にそれを認めてやる理由もない。



「あくまでとぼける気ですか?」


「えぇ。名前も知らない人達ですので」


「こ、これは失礼しました。私は特殊建造物対策局の弓岡と申します。そしてこちらはご存知かもしれませんが」


「筒口だ」



 あ、覚えていた名前あってた。


 さて、どうしようかな。



「前は確か……宮吉という方が来ていたと思うんですけど、今回は違うんですね」


「あっ、えっと。彼女は……」


「彼女は前回貴方に少々無礼な態度を取ったので今回は外された」



 ふーん?死んだ事は言わないんだ。


 俺がどこまで情報を掴んでいるかわかってないんだな。



「そうですか。彼女は苦手なタイプの方だったので助かります。それで、本題はなんですか?まさか俺がドラゴンを倒したか確かめるために来た訳じゃないでしょう」


「私たちは貴方が町田ダンジョンのマスターであることは分かっています。というより、最初から隠す気などなかったでしょう。なるべく時間を取らせないためにこちらも手短に終わらしますので、多少は協力してくれると助かるのですが……」


「それもそうですね。それで?」


「あの日。品谷様と貴方は広島にいましたよね。品谷様は怪我人の救護をしている間、貴方はドラゴンと戦っていたんじゃないでしょうか。あの場で何が起こったのか詳しく知りたいんです。貴方の知られたくない事実は世間に広めないと約束しますのでどうか事情をお話していただけないでしょうか?」



 世間に広めないと言われても信じられるわけないんだよなぁ……


 けど、ここまで言われて隠し続けるのも変か?


 本当に知られたくないことさえ隠し通せればいいんだし。



「俺が知られたくないのは俺が関わったという事実全てです。それでもいいですか?」


「わかりました。貴方のことは公開しません」


「あの日、俺らは知人の女性達と広島ダンジョン内にいました。攻略をしているとダンジョンから出た方がいいと叫びながら下層に行った人がいたので、外に出たんです。そこでドラゴンを目撃しました」


「広島ダンジョンには近所の人たちが避難しに来ていたとの情報がありますが、貴方達は外に出たんでしょうね」


「えぇ。詳しい情報は外に出ないとわからないと思ったので。俺も流石にドラゴンが空を飛んでいたのを見た時は驚きましたよ」


「ドラゴンが飛んでいたことにですか?それともモンスターがダンジョンの外にいたことですか?」


「前者ですね。後者の方は起こりうると知っていましたから。そこから4人で話し合って、ドラゴンの元に向かうことにしました」


「どうしてですか?ダンジョンにそのまま戻ることもできたのでは」


「俺たちはドラゴンを倒せるかもしれない力を持っていた。それなのに無視して逃げることができなかっただけです」



 実際、俺らがいなかったらどうなってたんだろう。


 自衛隊が来る前に蓮見が起きてたら、府中市のあの一帯だけじゃなく、山や他の街にも被害は拡大していただろう。ドラゴンが倒されるまでにどっかの街が灰になっていてもおかしくなかった。東京まで向かって来ていたかもしれない。


 ……こいつらはもっと俺らに感謝すべきでは?って思えて来たな。



「そこからドラゴンの近くまで向かい、途中で怪我人を発見したので救護側と討伐側で二手に別れました。そこからはもうご存知なのでは?」


「どうして貴方達と一緒にいた彼女達もスキルを使えたんでしょうか?」


「へぇ、彼女達もダンジョンマスターだとは思わないんですね」


「それは……」


「すでに彼女達の素性は掴んでいる。今頃2人の元にも我々の仲間が事情を伺いに行っているだろう。もちろん品谷の元にもな」



 奈那さんはガッツリカメラに顔映ってたし、寧音の方も瑛士と一緒にどこかで写っていてもおかしくない。あの姉妹どっかの業界内だと有名っぽそうだもんな。顔さえ分かれば身バレしてもおかしくない。


 でも筒口の喋り方はなんか威圧的だから話すのは全部弓岡さんに任せた方がいいと思う。


 それか喋りたいならもっと謙虚に来てくれないと。素直に話す気失せるじゃん。



「そうですか。下手に嘘をついたら丸わかりってことですね」


「あ、いや、そういうわけじゃ無いんですよ!真実性を高めるためにやっていることですので。気に障ってしまったのならすみません」


「別にいいですよ。配信でも言いましたが何故スキルが使えたかはバグだと思っていただけたら。詳しい事情は俺にもわからないので」


「そのバグには何時ごろ気がつきましたか?」


「それ、言う意味あります?」


「えと、好奇心からした質問でした。言いたくないのであれば大丈夫です」


「先ほど途中から二手に分かれたと言っていたが、君たちはドラゴンに辿り着くまでに誰にも会わなかったのか?」


「俺らが通った道では生きている人類には会えませんでしたね」


「妙な言い方をするな。生きていない人類には会ったという事だろうか」


「えぇ。残念ながら見つけた人は全員手遅れでした」



 これは蓮見の事を確認したかったんだろうな。


 いくら瓦礫の陰に倒れてたとはいえ、一瞬くらいはテレビのカメラに映っていてもおかしくない。近くに居た俺たちが蓮見を見ていないか疑問に思うのが普通だ。


 でも別に俺は嘘をついていない。実際に生きている人には会っていないからな。蓮見は生きてたけどあいつ人類じゃなくてダンジョンマスターだし。



「そうでしたか。それで、ドラゴンを倒した後はどうしましたか?」


「分かれて行動していた瑛士達と合流して、俺と瑛士は少し疲れたので先にホテルに送ってもらいました」


「ホテルの監視カメラ映像では、品谷様の姿しか映っていませんでした。それはどうしてでしょうか?」



 うわ、ちゃんとカメラ確認してるんだな。


 もしかしてドラゴン騒動の会った周辺の監視カメラは全部見てるのか?それとも、瑛士がいたからだろうか。



「単純にスキルで自分の姿を隠していたからですよ。世間的には俺の姿は公開していないので、ドラゴンを倒した後に瑛士といるところを見られたくなかったんです。邪推する人はするでしょうから」


「なるほど。大体の事情はわかりました。ご協力いただきありがとうございます」


「いえ。面倒なのでもう家に来ないでくれると助かるんですけど」


「あー、それはどうでしょうね。こちらも上の命令に従って来ていますので。もう絶対来ないですとは言えないです」



 弓岡の方はそうだろうな。


 筒口の方は今回も前回も今回も一緒に来た女性を隠れ蓑にしている感じがなかなか厄介そうだ。それに、俺の元に来るのは別の人物でも良かったはずなのにまた来ている時点でちょっとな。宮吉と一緒にやらかした認定されなかったんだろうか。


 まぁ今回は8割くらい真実を話したし、これで帰ってくれるだろう。

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