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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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バレンシアはダメ出しを食らう

「ちょっとぉ、何やらせんのよっ」


「いいよー、バリ姉可愛かったよ。あいつらイチコロだったじゃん。明日は猫ミミ持ってこよ」


「も、もうやらないわよっ」


「次はリーリャね、あそこのおっさんに、〈お帰りなさい御主人様、こちらをどうぞ〉と渡して」


どうぞと渡しておいてジルベスターに売上回収をさせる。美人局商法だ。



「ゼル、腕をまくれ」


と、腕をまくらせて瓶を持たせる。


「よし、あの派手なオバサンに売ってこい」


筋肉好きそうだからな。


よしよし、オバはんにベタベタ触られたけどよしとしよう。


「お、あのメガネデブにバリ姉、買ってにゃんを・・・あれ?」


ユーバリーとジルベスターが逃げてしまった。もう買ってニャンも美人局もできないじゃないか。


「姫様、このような売り方をするのは邪道なのでは」


うん、ゼル。それは正論だ。


「ま、美味しいと知ってもらえたら他の人に勧めてくれるでしょ。もう後はのんびりとやるか」


アンデスもコソコソと逃げたのでまた3人になる。


「姫様は売り子をされないのですか?」


「うん」


「お昼ごはん食べてないし、模擬店見に行く?」


「はいっ」


リーリャはとても良い返事をした。


いい匂いのする方に行くと串肉屋が多い。唐揚げないかな?


と、探してもなかったので焼き鳥を購入。ちょっと焼きすぎかな。やはりプロが焼いたものとは違う。その分値段も安いけど。


どこの店も似たりよったりだな。お好み焼きか焼きそばないかな?


パンケーキみたいなのがあったのでゼルとリーリャのを購入するか。しかしこれはこのまま食べるのだろうか?


これを買っている女生徒はそのままかじってる。


「リーリャ、これにハチミツレモン付けて食べる?」


「はいっ」


いくつか買って自分の店に。


ゼルとリーリャにハチミツレモンをタップリ付けてやる。


「うん、パンケーキが凄く美味しくなりますっ」


何も付けずに一口もらうとパンケーキ自体に甘みはない。よくこれだけ食べてるよな。


リーリャが美味しいと大きな声で言ったので人目を引く。ゼルとリーリャが実に旨そうに食っているのだ。


「あの、それ一つ下さい」


と、庶民の女生徒達がハチミツレモンを共同購入。


「そのパンケーキに付けるの?」


「はい」


「じゃ、それは持って帰って。いま食べてるやつにはこの試食用の塗ってあげるから」


と、みんなにモリモリ塗ってあげた。


「わ、美味しいっ」


「良かったね。レモンマーマレードも塗ってあげようか?」


と、追加で塗ってあげるとマーマレードも買ってくれた。


その子達が宣伝してくれたのか共同購入者が増えていく。その度にハチミツレモンやマーマレードを塗っていく。


「売り切れたね」


「そうですね」


今日は50個、50個、の予定販売終了。



後からパンケーキを持って来た娘達はがっかりしているので、明日買ってねと試食用のは塗ってあげる。


試食用のも無くなったので今日はおしまい。


まだ時間が早いのでリーリャに手を繋いでもらって模擬店を見て回る。リーリャは手もホニャホニャなのだ。ゼルのゴツゴツとは違う。


「あ、ジャム屋の人だよね」


と、パンケーキをやってる男の子から声をかけられた。髪の毛のせいですぐに覚えられる。


「なあに?」


「いや、ジャムを付けたら美味しいってたくさん売れたんだよ。ありがとう。明日からは買ってくれた人にジャムを勧めておくよ」


「ありがとう。頑張ってパンケーキ売ってね」


「君さ、もしかしていちご姫様?」


「うん、そう呼ばれてる」


「貴族なんだよね」


「そうよ」


「こんなふうに話し掛けて怒らないの?」


「別に。あなたの方が上級生でしょ?」


「そうだけどさぁ。いや、クラスの奴がいちご姫様は普通に話しても怒らないって言ってたから本当かなって」


「別に気にしない。私も敬語使うの面倒だからおあいこね」


「ふふっ、そうだね。また明日宜しくねっ」


そしてシドの店発見。フルーツ学園はマンモス校だから見つけるのに一苦労した。


「シド、売れてる?」


「あ、いちご姫。もうてんてこ舞いだよ」


「良かったじゃん。仕入れの代金売上から払ってよね」


「あったりまえだ。随分と安く仕入れてくれたから大儲かりだぜ」


ポテチコップいっぱい銅貨1枚。薄利多売だな。3人分ちゃんとお金を払って購入。大盛りにしてくれた。


「クインシー様来なかったね」


「お忙しいのですよ。夜にビール持って来られるんじゃないですか」


「なら晩御飯は唐揚げにしようか?」


「はい」


作るのゼルだけど。


リーリャはずっとここにいるけど、ユーバリーの世話をしなくて良いのだろうか?ま、いっか。


クインシーが来るかと思ってたくさん用意したけど結局来なかったのでめっちゃ余った。明日のお昼ごはんに持っていこう。



翌日ユーバリーもジルベスターも来なかったので3人でえっちらおっちら運ぶ。



は?


もう並んでる・・・


共同購入と見られる女生徒達。甘い物に飢えてんのかな?


これを買ってパンケーキ屋に行く人、パンケーキを買ってから来る人がいる。これ、パンケーキ屋も流行ってるな。卒業したらクレープとかプリン屋の方が儲かるかもしれない。


しかし毎日毎日延々と作業すんの嫌だから無理だな。


ワイワイと女性達が買って、パンケーキに付けて食べる様を日に焼けた貴族はじっと見ていた。


「おい、あれを一つずつ買ってこい」


「はっ」


その貴族は護衛にマーマレードとハチミツレモンを買いにいかせた。そしてパンケーキを購入して味見をする。


「おい、貴様も食ってみろ」


と護衛に食べさせる。


「大変美味であります」


「そうだ。あの酸いレモンが旨い。砂糖やハチミツをタップリ使うとこうなるのか・・・。あの者を呼んで参れ」


「はっ」




「はい、ありがとうね。口つけたスプーンをいれたらすぐにカビるからね」


もう少しで売り切れだな。


と思っていると男が近付いてくる。


「そこの赤毛の生徒、こちらへ来い」


その物の言い方にカチンとくる。


「お前だれ?命令される筋合いないんだけど」


「良いから来い。殿下がお呼びなのだ」


殿下?


「どこの王子か知らないけど、忙しいの見たらわかるだろ?用があるならそっちが来い」


「貴様っ、平民の癖にっ」


「うるさい。商売の邪魔すんな。あっちいけ」


男が剣に手を置いた瞬間にゼルがそれを抑えた。


「抜くなら容赦なく斬る」


ボソッとそう呟いた。


「き、貴様・・・」


「やめとけ。お前みたいな奴がゼルに敵うか。それに学園で剣に手を置くとはクソだな。どこの国のやつだ?」


「平民の癖に生意気なっ」


騒ぎになってきた。俺は絡まれ体質なのだろうか?



その時にアームスがやって来た。


きゃあーと女生徒達から声が上がる。グッドタイミングだアームスとマシューよ。


「アームス、いいとこに来た。これ渡して行ってくれ。マシューは代金回収」


「こいつと揉めてたんじゃないのか?」


「揉めてない。絡まれてただけ」


「おい、貴様、どこの国の・・・」


「アームスっ、そんな奴どうでもいいから早く商品を渡せ。お客さんが待ってんだろ。ついでに希望者には握手でもしてやれ。王様になったときの練習だ」


絡んで来た護衛は完全無視する。


そこに日に焼けた貴族がやって来た。昨日そんな物はいらんと言っていった奴だ。


「アームス」


「バレンシアか。こいつはお前の護衛か?教育がなってないぞ」


こいつがバレンシア。オレンジの王子だったのか。


「この赤毛の平民と知り合いなのか?」


「知り合いじゃない。俺の婚約者だ」


ガスっ


「アウッ」


いらん冗談をいうのでガゼルパンチを食らわす。


「誰がお前の婚約者だ。嘘を広めんなっ」


「お前、メロンの者か?」


「まぁそんなとこ」


「なぜレモンを使って商売をしている?メロンに対して裏切りではないのか?」


「メロンは庶民に売れないって言うから仕方がないだろ?レモンは普通に売ってるから使っただけ。自分が好きなものもあるけど」


「おい、シャルロッテ、お前本当にオレンジと繋がりを持つつもりか?」


「いや、気が変わった。もういい」


「は?」


「庶民だからと無理強いするような王子の国ならどうでもいい。違うの考える。はい、手伝わないならあっち行って。邪魔邪魔」


「お、おい。俺たちまで追い払うなよ」


「アームスはそいつを連れてって。早くっ」


と、アームスとマシューにバレンシアを向こうへ引っ張って行って貰った。


「あ、あの。アームス王子と知り合いなのですか?」


「ちょっとね。はい気にしないでどんどん買ってねぇ。今日はここに並んでるだけで終わりだよっ」


と、昼過ぎに今日の分を売り切った。



売り切れの看板を出して、唐揚げを食べる。冷めても美味しいのだ。


売り切れを見計らったようにユーバリーとジルベスターがやって来た。


「もう終わったの?」


「午前中はね。昼からバンバン売るから宜しくね」


と、言うと去ろうとしやがる。


「嘘だよ。もう今日は売り切れ。これ食べたら他を見に行こ」


ユーバリーとジルベスターは唐揚げをモリモリ食べて満足そうだった。





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