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かぼちゃパンツの何が嬉しい?

夜寝る時にゼルのパジャマをめくって腹筋を見てみる。


相変わらず見事に割れてんな。


「な、なんですか?」


「見事に割れてんなと思って」


「鍛えていますからね」


指で腹筋を一つずつ数えてみる。


「ひとーつ」


ビクッ


「ふたーつ」


ビクッ


腹筋に指をちょんとするだけで反応するゼル。


「みーっつ」


ビクッ


「ひ、姫様。くすぐったいです」


「くすぐってないよ」


「そ、それはそうですが」


「よっつ、いつつ、むっつぅぅぅ」


と、ちょんちょんちょんとスピードを上げるとうっひゃっひゃっひゃと身もだえるゼル。相変わらず良い反応だ。くすぐられた顔も怖くない。これで柔らかければいいのに残念だ。


その後は自分でパジャマを持たせておいて何度も腹筋を数えて遊んでから寝た。


ゼルのヤツ、寝言でもうっひゃっとか言ってやがる。



翌日ユーバリーの部屋で勉強が終わって昼飯を食べながら話す。


「シャルロッテが兵士を投げ飛ばしたんだって?」


「兵士達が気を使って飛んでくれたのよ」


「それはそうだよねぇ。こんな身体で投げられる訳ないか。今日も見に行くの?」


「クインシー様に約束したからね」


「じゃ、私も行こうっかな。今日は昼から自由なの。シャルロッテとどこかに行こうかと思ってたんだけど」


「じゃ、どこかに連れてってくれる?」


「でもお母様と約束したんでしょ?それを私が破らせたら後が怖いわよ」


と言うことでリーリャと3人で訓練所へ。


今日もゼルは多対1だ。ゼルも慣れて来たのか不意打ちをくらわずに対処している。


「うわ、ゼルって強いのね」


「うん。騎士はほとんど倒したって言ってたよ」


「へぇっ。女なのに凄いね」


「腹筋とかバッキバキだからね」


しかし、見ていると体重差は覆すのが難しいのか、ドンっと力任せにぶつかられたりすると態勢が崩れてそこを狙われる。ゼルはそれをスピードで対応するって感じだ。


「よし、午前の稽古終わり。各自食事を取れ」


兵士達がおおっと驚くので何かな?と思うとクインシーからメロンの差し入れが入ったのに驚いているようだ。


リーリャも今日からスポドリを大量に作り、自由に飲めるようにしてあるとのこと。


クインシーがこちらにやってくる。


「飯は?」


「食べてきました」


「そうか、ユーバリーは何をしにきた?」


「シャルロッテがかぁ様と先に約束したって言うから。せっかく街の案内してあげようと思ってたのに」


「そうか。勉強は順調か?」


「うん。シャルロッテの教え方わかりやすいからサクサク進んでる」


「ならば、明日は街を案内してやれ」


「やった!」


「シャルロッテ。ゼルは稽古だから他に護衛を付けるがかまわんな?」


クインシーがそういうとゼルが頭を下げたので大丈夫と言っておいた。夏休み中しかここで稽古できないからな。


「兵士達はユーバリーが来ているので、皆挨拶しにきていた」


で、隊長がこちらにやってくる。


「シャルロッテ姫様。我々へのご配慮ありがとう存じます」


「何が?」


「スポドリなるものとメロンの事でございます」


「あぁ。暑いから熱中症で倒れてもおかしくないからね。隊長も部下が暑さでダウンしても根性が足りないとか言わないであげてね。そういうときは叱るんじゃなくて、適切な処置が必要だから」


「はっ、肝に銘じておきます」



「シャルロッテ、兵士の隊長に指示したりして、かぁ様みたいに軍を率いるつもり?」


「まさか。部下の体調管理は上の人の仕事だと伝えただけよ」


「ふーん」


食後の休憩も終わり訓練再開。


ゼルが怪我しないかと冷々するけど、俺に心配させたくないのか、かなり気合を入れて戦っている。


それに心無しか兵士達も気合入ってるような気がする。



「どうだシャルロッテ。皆気合が充実しているだろ?」


「スポドリとメロンで元気が回復したんじゃないですか?」


「それもあるかもしれんな。メロンは薬にもなるのか?」


「暑い時に運動する食べ物として向いていますわ」


と、レムのお料理教室ゲームの説明にあった。



その後もクインシーの檄が飛び、ますます激しくなっていく訓練。


「ここ、暑いわね」


と、ユーバリーがいう。確かに日陰になるように屋根を付けてあるけど暑いのは暑い。


「そうね」


と、言いながらスカートをバッサバッサする。これでけっこう涼しくなるのだ。


こちらを見た兵士はギョッとして止まったところをゼルにやられた。


「何をしておるかっ」


クインシーに怒られる兵士。


「ちょっとシャルロッテ。はしたない真似やめなさいっ。パンツ丸見えよ」


パンツったってかぼちゃパンツだ。見られても何も恥ずかしくもない。


「こんなパンツ、見られてもどうってことないじゃない。それに私はまだ10歳よ。足も胸も女らしくないし」


と、スカートをまくってユーバリーに足を見せる。


「フンッ」


一斉に動きが止まった兵士をゼルがなぎ倒した。


「何をやっておるか貴様らっ。腕立て千回っ」


「ハッ」


「ったく、訓練の邪魔をするなと言ってあっただろうが」


「何もしてません」


「スカートをまくっておっただろうが」


「こんなの見ても仕方がないでしょ?」


ともう一度スカートをめくると兵士達は腕立て伏せの態勢から潰れて、クインシーの直接指導となってしまった。


「シャルロッテ、人前ではもう少し女の子らしくした方がいいんじゃない?」


「バリねぇはこんなパンツ見られて恥ずかしいの?」


「当たり前でしょっ」


「リーリャはどんなパンツはいてんの?」


と、ピラっとめくってみた。


わっ、女の人のパンツにガータベルト。めっちゃいやらしい。高校生ぐらいの年齢の癖に。


「や、止めてくださいっ」


「バリねぇ、こんなのなら私も恥ずかしいわよ」


そう言うと真っ赤になっているリーリャ。


しかし、いいものを見させてもらった。眼福眼福。


ちょっとリーリャが怒ってしまったので脇腹をコショコショする。


「キャーハッハッハッハッ」


ビクッ


何でそんなに目をひん剥くのだ・・・


「もうっ」


と、リーリャが拗ねたので、壁ドンならぬ柱ドンをする。


「お前があんまり可愛いから少し意地悪をしたくなったんだ」


ポッと赤くなるリーリャ。リーリャ攻略ルートはくっさいセリフとこういう態度てバッチリだ。


「目を閉じて」


と、目を閉じさせてからまたコショコショした。


「キャーハッハッハッハッ」


ビクッ


「もうっ」


「何をやっとるか貴様らっ。訓練の邪魔をするなと言っただろうがっ」


まためっちゃ怒られてしまった。



本日の訓練は皆クインシーにボロボロにされて終わった。治癒士さん大忙しだ。


兵士の皆さんにご愁傷様ですと言って、ゼルと手を繋いで帰った。



風呂にユーバリーもクインシーも参戦。クインシーの手にはビールジョッキ。暴れてスッキリしたらしい。



「女っ気のない兵士達の前であんな事をするなっ」


「あんなかぼちゃパンツを見て何が楽しいのですか?」


「お前の見目は愛らしいのだ。男どもの目が行くのは当たり前だろうが」


「リーリャみたいのなら目が行くのはわかりますけどね」


「姫のかぼちゃパンツとメイドのパンツのどちらが価値があると思っているのかっ」


「メイドでしょう。ガーターベルトが嫌いな男なんていません」


「そんな訳あるかっ」


あるのだよクインシー。


「クインシー様はガーターベルトされないのですか?」


「王妃としての服を着ている時はしているがな」


訓練の時はスボンだしな。


「じゃ、その時にスカートめくって差し上げますね」


「させるかっ」


そんな事を話しながらほにょん枕をしてもらう。幸せだ。


「シャルロッテとかぁ様って本当の親子みたいね」


「そう?」


「うん。私がそんな風に撫でられたのもっと小さいころだけよ」


「ならばユーバリーも来い」


と、ユーバリーを呼び寄せたので二人で密着してほにょん枕だ。ユーバリーも子供とはいえ、発育し始めているので目がいってしまうが興味の対象ではない。


「みっ、見ないでよっ」


「バリねぇもクインシー様みたいになる?」


「私もユーバリーの歳の頃はこれぐらいだ。そのうち大きくなるだろう」


俺もなるのだろうか?全く成長の兆しがないのだが?


いでででででっ


心がチクチクする。


やはり二人で並んでのほにょん枕は狭いので離れるとゼルがおいでおいでしたので、レカロシートに座った。


「シャルロッテ。お前の母はどうだったのだ?」


死に顔しか見てないから胸とか見てなかったな。


「よく覚えてません」


「そうか。お前がこれにこだわるのはそういうのもあるやもしれんな」


違います。サガです。


と、いつもの風呂タイムを終えて部屋に戻る。



「姫様は私がガーターベルトベルトをしたら嬉しいですか?」


ゼルのガーターベルト・・・


想像してみる。うん、変態筋肉男のイメージしか湧いてこない。


「いらない」


「姫様〜」



しかし、リーリャのあれは良かった。そのうちまた拝ましてもらおう。



晩飯後にデザートのケーキ。出てくる度にきめ細やかさが改善されている。


が、甘いのでリーリャにアーンする。


「コックが召し上がってもらえないと嘆いておりますよ」


「私には甘すぎるんだよね。皆はこれぐらいがいいみたいだから、別にいいけど」


「甘い方が美味しいじゃないですか」


「元々甘いのあまり食べないしね。それに甘み=美味しいというのは理解出来ないんだよ」


「どうしてですか?」


「酸味とかのバランスが取れているほうが美味しいと思うんだ」


「シャルロッテ様はレモンの炭酸水お好きですよね」


「これが一番さっぱり飲めるからね。唐揚げとかにもいいし」


「唐揚げですか。あれ美味しいですよね。王宮だと出ませんが」


「あれって庶民の食べ物なの?」


「そうですね。貴族のご飯でも見ませんね」


「明日ユーバリー様が街を案内してくれた食べられるかな?」


「んー、庶民街にはいかないと思いますよ」


それは残念。


明日はリーリャも一緒に来るらしいので、手を繋いでもらおう。


うむ、せっかくの女の人生なんだからそれを最大限いかさなくてはね。



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