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嫁になんていかないからねっ。  作者: しゅーまつ
未成年編

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26/118

なぜ付いてくる?

「は?アームスとアンデスも行くの?」


「ごめんっ。兄ぃ達が行くってきかないのよ」


はぁ、メロン家にお世話になっている身だから断れる権利なんてないわな。


「かしこまりましました」


と、他人行儀に返事をするとユーバリーはとっても申し訳無さそうな顔をした。


「そんな冷たい返事しないでよ」


「いえ、お二人がいらっしゃるなら、失礼があってはいけませんので」

 

と、姫様モードに切り替えた。


「もうっ。意地悪をしないで」


「だってさぁ、護衛とかもいるでしょ?」


「そりゃそうだけど、お忍びだから」


いや、お忍びって護衛がいるし、街まで王宮の馬車で行くのに無理だろ。


案の定、玄関まで行くと護衛の人のだけでなく、前後に護衛の馬車まで付いてる。これのどこがお忍びなんだよ?


「では、私はあちらの馬車に」


「え?リーリャは護衛の馬車に乗るの?」


「はい。こちらの馬車は王族の馬車ですので」


「メロン家の王族の馬車ってこと?」


「はい」


「なら、私もこっちね」


「ダメですよっ」


「どうして?私、メロン家の者じゃないよ」


「それはそうですが」


「シャルロッテ、何してるの?」


「リーリャがこっちに乗るから私もこっちに」


「ダメよっ」


と、無理矢理王族の馬車に乗せられた。しかも後ろ向き。そこへアームスとアンデスが乗ってきた。


「突然ご一緒する事になってすいません」


「本当に」


普通は社交辞令でもそんな事ありませんわというところを迷惑だとわかるように答えた。


アンデスはポリポリと頭をかく。


「可愛げのないことを言うな」


とアームスが言うので言い返す。


「本日はユーバリー様とデートでしたの。人の恋路を邪魔するとは野暮ではありませんか?」


「お前達は女同士だろうが。デートってなんだよっ」


「あら、愛し合ってたら性別など関係ありませんわ。ねー、バリ姉様」


と、ユーバリーの腕に手を組んだ。ここは自分がおっさんということは忘れよう。


「ちっ」


「で、アームス様とアンデス様は何をしに街へ行かれるのです?」


「護衛が居ても女二人だと危ないだろうが」


一応、アームスは心配して付いて来てくれたのかもしれない。


「アンデス様は?」


「新しい本が欲しくてね。言えば買って来てくれるんだけど自分の目で見て買いたいんだよ」


「本屋へ行きますの?」


「一応ね」


これは参考書を買っておくか。高二ぐらいから忘れてるというか勉強し直さないとわからんやつあるだろうからな。飛び級試験受けるならおさらいしておかないと。


あ、しまった。金を持って来てないや。いつもはゼルがいるから忘れてた。


もう馬車は出てしまったから取りに戻れないし、そもそもどこにお金があるか知らん。


そうこうしている間に中央公園と呼ばれる所に着いた。


馬車には鎧を着た騎士がいるが、降りて街中を歩く時は鎧を着ていない騎士が付くようだ。


ユーバリーの言ったお忍びとはこのことで、公務ではないということらしい。公務なら街中を歩く時も鎧騎士が付くそうだ。


「でも王族ってバレバレよね?」


「皆、私達の顔を知ってるから隠れようが無いわよ。公務じゃないとわかるだけで。公務以外は平服しなくていいし」


なるほど。


と、ユーバリーはアクセサリーの店に案内してくれるが、全く興味がない。


「ねーねー、これシャルロッテににあうんじゃない?」


と、イヤリングを持ってきてパチンとはめられた。


「いでででででっ」


「何よ、大げさねっ。こんなの痛くないじゃない」


「耳がジンジンする」


「すぐに慣れるわよっ」


「馴れなくていい」


「じゃ、これは?」


と、髪飾りを持ってきてつけられる。


「いでででででっ」


「何ですぐに痛いっていうのよっ」


「髪の毛が引っ張られて痛いんですもの」


それに、チラッと値段を見たら金貨何枚とか書いてある。こんなもんになぜこんなに払わにゃならんだ。


「こういうのに興味ないの?」


「全く」


「じゃ、服を見に行きましょっ」


今着ている服もメロン家のものなんだけどね。


Tシャツとジーパンか綿パンとかないかな?女服ってしんどいんだよね。ゼルにタンクトップとか着せたらポージングするかな?


ねーねーこれは?とかユーバリーが聞きに来るけどもう面倒臭い。


「リーリャもこういうの好き?」


「はい。ここのは高くて買えませんけど」


本当だめっちゃ高い。


ユーバリーは可愛いですっとか反応を示したリーリャと楽しそうにしだしてリーリャを取られてしまった。


することが無いので椅子に座りに行く。アームス達も座っているようなので違う所に座る。


「姫様の護衛はお強いですな」


と、俺に付いた護衛が話し掛けてきた。


「ゼルにやられたの?」


「はい。女だと侮っておりました」


「ゼルはその日、ヘトヘトになって帰ってきたけどね」


「あれだけの試合をすれば男でも倒れます。いやはやあのような女騎士がいたとは驚きました」


「ゼルは強い?」


「はい。流石は姫様直属の護衛騎士ですな。てっきり身の回りの世話がメインだと思っておりました」


「ここだとリーリャがしてくれているけど、いつもはゼルがしてくれてるよ」


「そうなのですか。彼女はどなたか決まったお相手がおりますのかな?」


「いや、いないね。嫁に行くつもりも無いとか言っているけど」


「そうですか。うちの若い騎士達がソワソワしておりましてな」


「モテてるの?」


「はい、正直申し上げまして。初めは馬鹿にするような感情だったとは思いますが、何人もの相手と試合を続けてヘトヘトになっても音を上げず、凛とした姿にやられたようでございます」


「なんとなく想像つくね。ゼルは真面目だしね。でも腹筋とかバッキバキで全身ゴリゴリだよ」


「余分な肉をが付いていないからでしょう。そういった肉体は男女問わず美しいものです」


「私は柔らかい方が好きだけどね。クインシー様みたいに強いのにフワフワになってくれたらいいのにと思ってる」


「クインシー様はフワフワでございますか?」


「とても抱きつき心地とかおっぱい枕とかして貰ったら幸せです」


と、いうと騎士は真っ赤になってしまった。


「クインシー様はお強い上にお美しいですからな。そうですか。フワフワなのですか」


「クインシー様は皆の憧れではないのですか?」


「若い騎士達に取っては恐怖の対象でしょうな。我々世代に取っては憧れでございます」


この騎士はクインシーと同じ歳ぐらいか少し上なのかな?ゼルに負けたとかさらっと言ったけど、本気勝負なら負けないといった余裕なのかもしれない。


「姫様は私のような者が話しかけても怖がりも嫌がりもしませんな」


「怖くもないし、いやでもないしね」


「アームス殿下やアンデス殿下はお嫌なのですか?わざわざ離れて座られたようですが」


「話す事もないし、アームス様とはちょっとありましたから」


「ハッハッハッハッ。話は伺っております。ぶっと飛ばしたそうですな」


「ついね」


あの時は護衛に付いていなかったようだ。


「殿下もさぞ驚かれたことでしょう。少し増長されておられましたので良い薬になったのではありませんかな」


「もしかしてアームス様の護衛騎士なの?」


「はい。専属ではございませんが、殿下が生まれた時から護衛をしておりますよ」


おー、護衛騎士のかなり上の人のようだな。


「今は私に付いていていいの?」


「殿下のご命令でございますので問題ありません。あちらにはアンデス殿下の護衛もおりますし。本日立ち寄る店はすべて店員の中にも護衛を仕込んでありますから」


それでほぼ貸し切り状態だし、店員もあれやこれやと勧めてこないのか。


「王族が買い物に行くと皆に迷惑かけるね。他のお客さんとか入れないんだよね?」


「仕方がありません。隙を見せれば良からぬ事を企む者も出てきますから、常に襲撃は無理だと思わせておかないとダメなのです」


なるほどね。想像してたより王族の生活って難儀だな。


「学園に通ってる時の外出とかはどうしてるの?」


「あの地は不可侵条約的な特殊な場所なのです。各国が予算を出して作り上げた都市でして、あそこで問題を起こせば全フルーツ連合の国を敵に回すことになります。言い替えればメロン国内より安全とも言えます。すべての連合国に面していますし、庶民であっても問題があるものは住むことが出来ません」


「賊も入れないってこと?」


「衛兵の数も多いのですよ。表立った衛兵と表立たない衛兵がおります」


あー、私服警察みたいなのがたくさんいるんだ。


こりゃ、卒業したらあそこに住むのがいいかな。貴族街とかにも分かれてないみたいだし。


「ユーバリー達は学園生活の間のみ自由に過ごせる時間があるってことかな?」


「そうなりますね。それでも護衛が24時間付いてますので完全に自由というわけでもありません。姫様も同じではないですか?」


「ゼルと私は家族みたいなものだから、一緒にご飯食べて寝たりとかしてるし護衛護衛してるわけじゃないのよ」


「そうでしたか。流石に私も殿下と一緒に寝たりはしておりませんな」


と笑っていた。


しかし、女の買い物は長い。次から一緒に服を買いにいくのは止めておこう。


結局午前中ずっとここに居て、昼飯を食べにレストランに行くことになった。


うん、メロン料理しかないのでいらない。


仕方がないのでメロンミルクを飲んで終わり。肉とかメロンに漬け込んで柔らかいみたいだけど風味が邪魔だ。


「お前はメロンが嫌いか?」


と、アームスが聞いてくる。なぜ俺の隣に座っているのだ?リーリャもメイドに徹してるしアーンも出来ない。


「メロンが嫌いならこれ飲まないでしょ。料理にメロンを使ってるのが嫌なの。それはいちごも同じ」


「変わったやつだ」


それはそっちだ。


ランチが終わってユーバリーが教会に案内してくれる。神は女神らしい。名前は無く、ただ神様と呼ばれている。


女神像は可愛らしい。俺に話し掛けて来たのはこいつだろうか?


「連合国共通の神様?」


「そうよ。美味しいフルーツが好きなのよ」


と、様々種類のメロンが備えられている。お前のせいでフルーツ料理とかになったんじゃなかろうな?


(そうよ。悪い?)


「ワッ」


「どうしたの?」


「いや、何でもない」


もう教会に来るの止めておこう。何を言われるかわかったもんじゃない。


早く子供を産めと言われるのが怖いシャルロッテであった。

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