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OLでしたが、ラスボス女王に転生しました~にわかゲーマーだけど『攻略本』スキルを使って、気ままに異世界満喫します  作者: 遥風 かずら


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1/8

プロローグ

「……? もう! さっきから何?」


 さっきから誰かにゆさゆさと体を揺らされている――それも一人じゃなく二人から。

 

 ……そもそもいつ眠りについたのかさえ覚えてない。


 思い出せないけど、きっといつもの寝落ち。そんな気持ちのいい眠りを妨げているのは、優しい起こし方をする誰かと尖った先端で何度もつついている誰か。


「あぁー、もうっ!! 起きるってば!」


 勢いよく起きて立ち上がり、目を大きく見開く。

 

 するとそこに見えるのは、


「く、黒髪ロングのイケメン!? それと――銀髪の……」


 一人は黒目が大きい黒髪ロングのイケメン。もう一人は銀色に輝く髪をさせ、赤みがかった橙色のつぶらな瞳をした可愛い女性だ。


「長き眠りからのお目覚め、お待ちしておりました。女王様」

「くちばしでつつきながら待っていたぜ、女王陛下!」


 いま女王って言った? 


 女王陛下って――それって私のこと!?


 ううん、その前に自分の頭の中を冷静に整理しておこう。


 私の背丈は高校の時、いつも大体真ん中くらいに並んでいたはず。目の前の二人の視線はどう見ても私よりも高い位置にあって、明らかに私よりも高い。


 ふと視線を外したところで、何となく自分に違和感があるような気がする。恐る恐る首から下にかけて感じる違和感の正体を眺め――


「――って、え!? 何で私、学校の制服なんか着てるの!?」


 高校の時の制服を着てるなんてシャレになってないんだけど!


 OLしてたのに今さら女子高生の制服なんて、コスプレ女子じゃないんだから常識的に考えられない。だけど、疲労感は無いしもしかして若返ってる?


 安月給で事務の仕事をする人だったけど、着る服にはそれなりに予算をかけていたし物持ちを良くして身だしなみはきちんと整えていた。だからといって高校時代の制服なんて大事にしまっておいたわけでも無く、取っておいたからといって思い出に浸って着るなんてあり得ない。


 下半身はスカートじゃなく見慣れないスウェットパンツとか、これはこれで微妙なセンス。


「女王様。恐れながら、回避に優れた下衣をわたくし自らが履かしたものにございます」

「……えっ?」


 スパッツって回避に優れてるんだね。ん~スカートよりマシだからいいとしても、返事をした自分の声がまるで高校生に戻ったかのような幼さ。


 まさか――いやいや、落ち着こう、私。


 近くをあれこれ見回すと、どこか西洋風なお城の中にいる感じ。天井が高くてアンティークな壁面。辺りは静寂に包まれ――とりあえずこの二人以外は見当たらない。


 とにかく、まずは自己紹介だよね。側近っぽいし二人の名前を訊いておかなきゃ。


「えーと、私は羽鳥アリアと言います。あなた方は?」

「わたくしは、ヘルヴィ・アウルールでございます。そしてこっちが――」

「オレはカーグ! よろしく頼むぜ、陛下!」


 陛下……女王陛下?


 まるでどこかの国の女王にでもされてしまったような。女子高生に若返っただけでも驚いているのに、どこかの国の女王陛下って!? 

 

 二人の名前と態度を見る限りで判断すると、どうやら上司と部下の関係のように思える。でも私の見た目と年齢は十七歳くらいにしかないのに。

 

 若返りのせいか分からないけど、力がみなぎる感じも。もしかして適当に手をかざせば魔法が使えたり?


 思いながら、適当な所に向けて手の平をかざしてみた。


 若干の熱さを手の平に感じた瞬間。


 ドォーン。とした轟音と激しい炎が立ち込め、一瞬にして辺りが燃え広がる。


「へ、陛下ぁ、撃つなら撃つって言ってくれよー! 危うく焼け焦げるとこだったじゃねえか!」

 

 やばい、黒髪イケメンに命中しちゃった。

 

「えええっ? ご、ごめんなさい!」


 勢いで燃やしてしまったのかと思っていたら、そこには漆黒色のカラスが羽根をバタつかせて慌てた様子を見せている。


「黒いカラスが人の言葉を話してる? もしかして……」


 凄まじい魔法を放って命中させたらカラスになっていたとか、単なる炎魔法じゃなかったのかな。


「オレはさっきのイケメンなカーグですよ、陛下」


 あぁ、やはり黒髪イケメンがカラスなんだ。そうなるとここは異世界で、私以外は魔物というか獣ばかりかな。


 戸惑う私に気づいたのか、銀髪の女性が口を開く。

 

「女王様。生意気なカーグに手加減は無用かと。もっと強力な炎を遠慮なくぶつけても、何ら問題ありません!」

「あ、あははは……。ええと……」

「何なりとお申し付けください」


 そう言うと彼女はすぐにひざまづいてみせた。

 

 女王様や陛下――そう呼ばれるのは悪い気分じゃない。そうだとしても、名前で呼ばれないと自分が誰なのか不安になる。さっき本名を名乗ったはずなのに名前で呼ばれてないのも妙な感じ。


「あの、私の名前――」

「はい! あなた様は最強にして最高のラスボスと称される女王、アリーア・ハドリー様でございます。魔法はもちろんのこと、存在する全ての頂点に君臨されておいでです!」


 アリーア。ハドリー――ふぅん、そのままなんだ。


 ――じゃなくて!


 これって転生だよね?

 

 転生前に寝落ちしていた以外が思い出せないんだけど、寝て起きたら転生して最強のラスボス女王って、ゲームでいうボーナス的な何かなの?


「そうだぜ、陛下。オレやヘルヴィをも凌駕する力を有するのは、オレと同じ黒髪である陛下しかいないってわけだ! ただ、いきなり魔法を向けてくるのだけは勘弁な!」


 さっきまでカラスだったのに、気づいたら人の姿に戻ってる。魔物には違いなさそうだけど、女王配下の側近ってやつだよね。


 転生前のことは後で思い出すとして、ここがどこで何をしていくのが決まっているのか。


 まずはそれを確かめなきゃ!



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