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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第三章 選抜戦と二人の戦い編
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開始早々

アクセスありがとうございます!



 選抜戦五日目。


 最終日は予定通り午前十時から各ブロックの決勝戦が行われていた。


 第一ブロックの決勝は序列六位、精霊騎士クラス所属の二学年ラン=レヒドと序列七位、精霊術士クラスの二学年ディーン=ソフラネカペアの勝利。


 第二ブロックの決勝は序列三位、精霊術クラスの三学年ティエッタ=フィン=ロマネクトと序列四位、精霊騎士クラスの三学年フロイス=レイモンドペアの勝利。


 第三ブロックの決勝は序列二位、精霊術士クラスの三学年カイル=フィン=アーヴァインと序列五位、精霊術士クラスの二学年エレノア=フィン=ファンデルペアの勝利。


 第四ブロックの決勝は序列一位、精霊術士クラスの三学年レイド=フィン=ファンデルと序列八位、精霊学クラスの三学年シャルツ=ライマークペアの勝利。


 決勝まで上り詰めただけあり、各ブロックの学院生ペアは学院内でも有数の実力者。

 だが序列保持者との壁は高く、どの試合も順当な結果となった。

 それでも序列持保持者の人気は高く順当でも闘技場内は大いに盛り上がり、インターバル中も興奮冷め止まぬまま賑わっていた。


 しかし第四ブロックの決勝が終わると徐々に闘技場内の雰囲気が変わり、言葉数が少なくなり静まり返っていく。


 それほど第五ブロックの決勝は予想外なカード。

 序列十位のロロベリアはエレノア戦がマグレでないと証明するかのように剣を交える近接戦、精霊術を駆使した中、遠距離戦でも相手を寄せ付けない実力で圧倒。

 ペアのユースも特出する物はないがロロベリアとの連携、フォローが上手く開始前の評判を覆していた。


 だがそれ以上に覆しているのは対戦ペアだ。

 決勝までの四試合全て秒殺、タッグ戦でも連携せず精霊術士が一度も精霊術を使用しない戦いぶり。加えて一人は騎士クラス所属の持たぬ者と過去の選抜戦を覆すような異例の記録を樹立中。

 故に予想外だが、予想通り序列持ちペアの敗北があるのか。

 番狂わせが起きるのか。


 結果が予想できないだけあり、学院生らが注目する中――



『では第五ブロック決勝戦、ロロベリア=リーズベルト、ユース=フィン=ニコレスカとアヤト=カルヴァシア、リース=フィン=ニコレスカ。入場!』



 審判のコールと共に東門からロロベリアとユースが、西門からアヤトとリースが登場するなり闘技場内は静ながらも熱い視線を集めた。


「今回で一番の客入りなのに静かなことで」

「それほど注目されていると思いましょう」


 異色な空気に苦笑するユースにロロベリアは前向きな発言。

 視線の先にはアヤトとリース、やはりというかこの場に置いても気負いない姿。

 それでもロロベリアも、ユースも負けじと悠々としたもので。


「よろしくお願いします」

「ぶっちゃけここで会いたくなかったけど……ま、お手柔らかに」


 中央で相対するなり微笑みかける。


「相手がロロでも負けない」

「らしいぞ」


 対し迷いはないと気合いを入れるリースに肩を竦めるアヤト。

 以降のルール説明と健闘を称えられる間はお互い言葉はなくロロベリアはアヤトの、ユースはリースと視線を交えたままで、両ペアは二〇メルの距離を取る。


「ではユースさん、打ち合わせ通りに」

「りょーかい。姫ちゃんの読みを信じて頑張りますか」


 その間にロロベリアとユースは最終確認を。

 控え室で念入りな作戦会議は済ませている。

 後は全力でぶつかるのみと意識を集中した。


 対しアヤトとリースペアは――


「やっぱりロロと戦うの?」


 これまで同様作戦もなく、自分がどちらと戦うかのシンプルな確認のみ。

 リースとしては特訓の成果をロロベリアに見せたいが、彼女の意思を汲むならアヤトに譲るべきと察していた。

 なので二人の邪魔にならないようユースを足止めするつもりでいたが。


「リス、今から話すことは真実だ」

「……ん?」


 不意にアヤトが思わぬ内容を話し始めた。



 ◇



 選抜戦一番の注目が集まる中――


『それでは第五ブロック決勝戦――開始!』


 ついに最終戦が幕を開けた。


 同時にロロベリアとユースは精霊力を解放、更にすぐさま瑠璃姫を抜刀――ガキンと鈍い音が響き渡る。


「どうやら頭は使えているようだな」

「おかげさまで」


 いつの間にか現れたアヤトにロロベリアも笑顔で返す。

 朧月の一閃を受け止めたのは見えていたのではなく予測と気配を察知してのこと。

 初戦から三回戦までアヤトは相手が迫り来るのを待ち、準決勝ではわざわざ精霊術を使わせてから反撃をしていた。

 対し自分には手荒いご挨拶が来るだろうとの予測。なのでロロベリアは一切気を抜かず周囲への警戒を怠らなかった。

 故に打ち合わせ通り自分はアヤトを鍔迫り合いで拘束、このスキに――


「だが、所詮は白いのか」


「うわっと!」


 ユースが応戦するはずが、それこそ予測していたと言わんばかりにアヤトは視線をそらさず右手でナイフを投げつける。

 それを寸でのところでユースは回避するも。


「さて、久しぶりに遊んでやるか」


「――むぐっ!?」


 投擲した右手がロロベリアの顔を掴み、虚を突かれたロロベリアは身体ごと背後へと引きずられてしまう。

 一瞬にして三〇メルまで移動するなりアヤトは掴んでいたロロベリアを無造作に投げ飛ばし。


「むろん、サシでな」


 いつもの訓練と同じようにアヤトは朧月を肩に乗せ、体制を整えるロロベリアに向けてほくそ笑む。


「嬉しいだろう? 構ってちゃん」




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