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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第二章 序列剥奪編
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終章 アヤトの本音

アクセスありがとうございます!



 継続戦から一夜明け、ロロベリアは学食の清掃をしていた。


 根が真面目というより、疑問が払拭されたのが大きい。

 あの後ブローチを使いマヤにアヤトの行き先を尋ねれば――


『兄様なら国王さまとお茶をするそうですが』


 意外にも教えてくれて王都に向かうことが判明。

 よく分からない交流関係で言葉足らずについては文句の一つも言いたくなったが、そういった私用ならば文句は言えない。

 加えてアヤトが学食に赴任してもうすぐ二ヶ月。

 自由な時間があっても自分の訓練に時間を割いているのでやはり文句は言えず、ならばとロロベリアも清掃以外はリースと共に久しぶりに自由な時間を過ごした。


 更に翌日。


 いつも通り朝の清掃を終えて教室に向かったロロベリアに、いつもとは違う反応があった。

 まずこの一月、悪評から遠巻きにしていた同学年から謝罪が。エレノアとの序列継続戦を観戦したことで、これまでの行いを反省したらしい。

 この謝罪をロロベリアは分かってくれれば良いと受け入れ、またエレノア自ら訪ねてきて改めて互いに健闘を称えて握手を交わした。

 ちなみに謝罪を聞いたリースが今更と呆れ、ユースは見事な手のひら返しと苦笑。

 もちろん全員ではないが、今回の騒動は一先ず収まったと言える。


 ただアヤトの一件は微妙なところ。


 ミューズのことで未だ敵視している者が多いのは仕方ないとして、ロロベリアとの関係について聞いてくる者が増えた。

 更に彼の実力だ。なぜ持たぬ者があれほどの強さを身につけているのか。

 ロロベリアはどんな特訓を受けているのかと様々な疑惑も増えてしまい。

 アヤトについて詳しい説明が出来ないので(自身との関係含めて)ロロベリアは上手く誤魔化すので別の心労が出来てしまった。

 その心労の根源であるアヤトと会えたのは昼休憩で。


『さっさと仕事しろ』


 序列継続戦についても、王都に行ったことについても触れることなく、いつも通りの対応。

 仕事中は無駄話もしないので結局ロロベリアはいつも通りに仕事を熟すことに。

 ちなみにミューズも変わりなく訪れ、もはや常連となりつつあった。


 そして学院も終わり――


「王都に行ってたそうね」


 ようやく落ち着いて話が出来るとロロベリアはモップがけをしつつ不躾な質問を。


「マヤから聞いたか」

「ええ、国王さまとお茶をするって。どんな話をしたの?」


 どうせ『関係ない』または『構ってちゃんが』と交わされるのは予想済みとロロベリアも期待なく再び質問。


「そのうち分かる」

「…………」


「手が止まってんぞ」


 だが思わぬ返答に固まり、注意されてしまったがそれはさておき。


「……本当にどんな話をしたの?」

「だからそのうち分かると言っただろ。つーか掃除しろ」

「今分かりたいんだけど……」


 この返答だと自分に関係がありそうでロロベリアは気が気でない。

 そもそも国王との話でどんな関係に結びつくのか想像すら出来ず、しかしこれ以上なにを言っても教えてくれないのは分かりきっているので話題を変えた。


「ねえ……アヤトは私がエレノアさまに勝てると確信してたの?」


 ユースに預けた言伝から、アヤトは勝つと予想してくれていたはず。リースやユースからもマヤが自分の勝利を一人だけ確信している者がいると教えてくれた。

 こうして勝利した今なら聞いても良いと思えるが故にロロベリアは勇気を出して確認すれば。


「まあな」

「……どうして?」

「やれやれ、相変わらず白いのは構ってちゃんか」


 やはりお約束の返しで呆れられてしまったが。


「お前と序列五位さまとの実力差は絶望的という程でもない。十回やれば一、二回くらいは勝ちを拾える程度だ。なら俺が直々に指導しているお前がその一、二回を拾えないわけがねぇよ」


 それでも教えてくれた。


「なんせ持たぬ者が精霊術士を超える確率はそれこそ絶望的。俺でも覆せたんだ、この程度の確率くらい拾えずしてなれるとは思えんだろう? 未来の大英雄さまにな」


 相変わらず捻くれた言い回しでもロロベリアの志、その強さを知るからこそ勝利を引き寄せるのを確信していたと。

 アヤトが少しでも認めてくれていたからこその確信、ロロベリアは自身の証明が正しかったと、期待に応えられたと嬉しく――


「ま、暇つぶしの遊びとは言えこの俺が直々指導してやってんだ。当然の結果でもあるがな」


 ……むしろ自分の指導が一番の理由との発言で微妙に思えなくなった。確かにアヤトとの訓練がなければエレノア相手に勝てなかっただろうが、今くらい良い話で終えて欲しかった。


 しかしアヤトはそんなロロベリアの心情なんぞ知ったことかで。


「つーか反省せんとな」

「……自分の発言に?」

「よく分かったな」


 嫌味のつもりが肯定されてロロベリアは戸惑うも。


「序列五位さまに勝ったくらいで白いのが自惚れぬようこれから遊んでやるつもりだったのに、俺が自惚れさせてどうする」


 今の発言で自惚れるはずがないのだがアヤトは本気で反省したようにため息一つ。


「仕方ねぇ。責任を持って今日は徹底的にお前の自惚れをへし折ってやるか」

「え? あの、私は別に自惚れてないし――」

「案ずるな。徹底的と言ってもいつもより多少過激に遊ぶ程度だ」

「安心できないわよ! というよりいい加減私の話を聞いて!」

「結構。では行くか」

「なにが結構なのっ? ねぇアヤト! お願いだから私の話を聞いて!」


 いつも通りロロベリアの話のみ耳を傾けず、必要以上に己の力を振るうのだった。


 こうしてロロベリアの序列継続と共に、二人にとっていつもの時間が戻った。


 ちなみに多生過激な遊びによりエレノア戦以上に心身共にボロボロになったロロベリアは、久しぶりに翌日の清掃に遅刻してアヤトにお説教を受けることになる。




今回で第二章の終章ですが、もう一人の主人公側の終章があと二話続くきます!

少しでも面白そう、続きが気になると思われたらブックマークへの登録、評価の☆を★へお願いします!

また感想もぜひ!

読んでいただき、ありがとうございました!




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