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白き大英雄と白銀の守護者  作者: 澤中雅
第二章 序列剥奪編
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二学生最強VS一学生最強 3

アクセスありがとうございます!



(……本当に、見違えるほど強くなっている)


 闘技場を縦横無尽に動き回り精霊術を回避し続けるロロベリアにエレノアは改めて賞賛。

 言霊という優位な技術で接近戦を避け、圧倒してもロロベリアは諦めていない。少しでも気を抜けば仕掛けてくるとの意思が伝わるほどに勝利を狙っている。

 故に慢心はない。

 誓ったように全身全霊を賭けてロロベリアに勝利するのみ。

 このまま距離を取り、精霊術で翻弄すればいつかは回避不能になるだろう。

 強力な精霊術を避け続けるには強靱な精神力と身体強化に必要な精霊力を常に維持し続けると同意。


 だが、それこそ慢心だ。


 ロロベリアとでは精霊力の保有量は自分の方が多い。

 しかし精霊術を発動するのと、身体強化に必要な精霊力の消費量では明らかに発動する方が多く消費する。


 互いの保持量と消費量を分析するに、恐らく先に限界が来るのは自分で、それまでにロロベリアを捕らえきれるかどうか。

 ならば確実に捕らえきれる精霊術を放てばいい。

 ただその為にはエレノアでも詩を紡ぐ必要がある。

 今の自分が言霊で発動できるのは低威力で小規模とけん制向きな精霊術のみ。

 問題はロロベリアの疾さ。

 必要な時間は約三秒。

 それだけの距離を空ける為にエレノアは無造作に精霊術を放ち続けたのではなく、相手の動きや進行方向を読みながら少しずつ誘導していた。


 そして必要とする距離、四〇メルまで誘導したところでもう一つの策を切る。


『焼き貫け!』


 これまでの炎の槍よりも細く、低威力に押さえることでより速く発動。ロロベリア目がけて飛ばせる精霊術に切り替えた。

 不意に切り替えられた変化にロロベリアもさすがに対処しきれず、瑠璃姫を地面に突き刺し強引な回避を余儀なくされる。


 結果的に捕らえられなかったが、これこそエレノアが組み立てた勝利への方程式。

 ただ足止めのつもりの変則的な攻撃も予想外な発想で躱された。

 これもまた以前のロロベリアにはない強さで。

 改めて敬意を払い、だからこそ勝ちたいと。


『咲け、咲け、我が声に応えて一面に――』


 エレノアは自身の全てをつぎ込むように詩を紡ぎ。


『強者を捕らえる蕾みとなれ――炎弁の華(リ・フロアミレス)!』


 体制を整え、駆け出そうとするロロベリアの全方位を取り囲む炎の華が咲き誇る。

 突き出した左手を握りしめると同時に、炎の花弁に捕らわれていた彼女を包み込むように閉じていくまさに炎の監獄。

 いくら疾くとも全方位、上空までも塞がれては回避するのは不可能。

 また精霊術で対処する暇もない完璧なタイミング。

 精霊結界でも外傷は免れない威力、戦闘不能は確実。

 むろんこの大技も審判を務めるラタニを信頼してこそ、故に全力でロロベリアに勝利できたと――


「――はぁぁぁぁっ!」


「――っ」


 安堵した瞬間、炎の花弁を突き破ってロロベリアが姿を現した。

 驚愕の声を上げる間も与えず、そのままの勢いで詰め寄り。


「はい、しょーしゃロロちゃん」


 瑠璃姫の切っ先を無防備なエレノアの首元に突きつけたことで、ラタニが勝利者コールをあげた。



 ◇



 静まり返る闘技場から離れた時計塔では。


「……残念だ」


 結果を見届けたことでアヤトは嘆息する。

 この結果は想定内。

 しかしそこに至るまでの経緯も想定内でしかない。

 つまり分かりきった戦いを見たところで面白みはなく。

 だが想定内だからこそ、ロロベリアはアヤトの期待に応えたとも言えるが故に。


「ま、白いのなら当然か」


 時計塔から姿を消すアヤトの表情に落胆はなかった。




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読んでいただき、ありがとうございました!

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