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28話 少年とアロハシャツのニート

俺は神成神太郎25歳、無職だ。


何故無職なのかと言えば面接に失敗したからである。


今でもよく夢に見る、

2年前、やけに蝉の亡骸を見かけた夏。


某商社でのことだ。


_______________


面接会場の前までやってきた。


「こんな会社の面接余裕だね。

俺にはネットで調べた面接の必勝法があるから...まあ楽勝だろ」


コンコン、と優しくノックをして、扉を開ける。


「失礼しま...!?」


部屋に入ったばかりの俺の額に、衝撃が走った。


(......志願者が座る椅子が、ない...!?)


(...この会社、入る前からモラハラ?)


面接官の方を見れば、いかにも聡明と言わんばかりの机に肘をついて、パソコンに没頭していた。


今時こんな面接があるとは...労基は何やってるんだ。


「すいませーん!」


「な...!?何だね、君は!?」


俺の存在に驚いたように椅子の足をガタガタ鳴らし、面接官は大袈裟に立ち上がった。


「...面接志願者ですが、何か?」


まるで不審者とでも相対するような顔で、俺の姿をじっと見る。


(やっぱり駄目だったかな...普段着でお越しください...って書いてあったからアロハシャツで来たけど...駄目だったかな)


「め...面接志願者だと?...そんな奴が何故ここにいるんだ」


面接官は怪訝そうに皺を寄せ、こちらを睨んでいた。


(良かった...アロハシャツは大丈夫だったみたいだ)


「何故ここにいるかって?

そりゃネットで募集を見かけたから」


「ここは社長室だぞ?面接をするところではないが...」


「え?」

「...何か壮大な勘違いをおるようだな」



社長から説明を受けてすぐ、俺は衝撃の事実を知った。


面接には、"応募"が必要なのだと。


応募をしていないと、面接も無いのだと。


俺は、会社から追い出された。


入り口のゲートをくぐるまでの間、マッスル警備員に抑えつけられ少しの抵抗すら出来なかったあの無力感は今でも忘れない。


そんなこんなで、社会に絶望した俺はニートになった。


だがニートといえども舐めてはいけない。


この世界の人間は稀に、超能力が発現することがある。


で、俺はつい最近超能力を発現したばかり。


つまりただのニートではない。

スーパーニートだ。


「見てろよ、社会!見てろよ某商社!俺の戦いはこれからだ!」


そして...5年、俺は社会の神になった。


おしまい。








....どうだった?面白かったか?」


俺は、眼の前の子供に問いかける。


「おじさんの話つまんなーい。

もっと見応え、納得感のある展開とリアリティーを用意してよー!」


「そうか...スーパーニートになったとこまで本当なんけどな...」


「え?」


「ほら」


持っていたスプーンを...触れずに...曲げ曲げェ...。


「すごおおおおおおおおおおおおおい!」

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