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「時空の交差点を護る女神たち」(セーラー服と雪女 第24巻)  作者: サナダムシオ


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⑧ 日記の続き

 その後は、車輪の無い不思議な乗り物に乗せられて、我々は光り輝く街の、クリスタルで出来た城に案内された。


 城内の部屋も美しい色に満ちて輝いていた。

 我々はそこで"マスター・ウアジェト"と呼ばれる人物に出会った。


 マスターは私にこう言った。

「少将の事は、今まで陰ながら見守って来ました。ですから我々は、貴方が真っ直ぐな気持ちを持った、良い人物である事を知っています。」


 やはりそれは、北欧訛りの英語だった。

「我々は今まで地上の出来事には、極力干渉しないようにして来ました。しかし遂に貴方たちは、一線を越えてしまいましたね。」


「何の事でしょうか?」

「広島と長崎に落とした原爆の件です。」

 私は二の句が継げなかった。


「アレは、ニンゲンが扱うべきではないチカラです。少なくとも、あの使い方は良くありません。我々は、貴方たちの中の権力者に当たる者に、接触をし、説得を試みて来ました。」

「……。」


「しかし、残念ながら状況は悪化するばかりです。核兵器の開発をやめるどころか、今や世界中に広まりつつあります。この先であなた方を待つ未来は、第二次世界大戦よりも、遥かに悲惨なものになるでしょう。」

 私には、返す言葉も無かった。


「……ですから貴方を通じて、再び権力者に……ルーズベルトからバトンを渡されたトルーマンに、伝えて欲しいのです。核兵器の開発をやめるようにと。」

 それを伝えるために、マスターは私を、地下世界に招待したのだと言っていた。


 話が終ると、我々は元の機体に帰され、そのまままた、不思議なチカラによって、上空に戻されたのである。

 後は無事に、ベースキャンプまで戻る事が出来た。


 本国に帰ると、私はすぐに、この体験を大統領に報告したが、7時間後に彼から出され出され解答は、全ての記録は部外秘とし、この件に関しては、今後一切他言無用との事だった。


 私は愛国者である。

 例え少将と言えども、国家に遣える一平卒に過ぎない。

 だからそのまま、貝のように口をつぐむ事とした。


 しかし、今になって思う。

 黙って居たのは間違いだったと。

 だからこの日記に、あの日の事を記しておこう。


 1957年3月10日

 リチャード・イヴリン・バード海軍少将



 因みに、この日記は、彼の死後30年近くたってから、1996年に見つかったそうである。

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