〈二章アウトロ:後編〉ドパガキ・パニック?!-1
メイキョウ地方、オータム区にある、オータムシティの小さな公園にて、母親におつかいへと行かされた少年は、息を切らして、ベンチに腰を下ろし端末を開く……少年は、端末で馴染みがあるアプリを開き、見知らぬ動画にアクセスをすると、微笑みから一転、急に無表情で立ち上がっていた……。
すると、公園の入り口から、満開の笑顔で挨拶をする少年二人がこちらへと近づいてきた……。
「おう、大知~~! ひょっとして、お前も外へ行ってこいって言われたのか?」
「オレら、出かけたってなんもやることないのに、母ちゃんってひでぇよな~~!」
二人はそれぞれの母親への陰口を言い合い、笑っていた……大知は真顔のまま、ゆっくりと近づいてきて、端末を見せた……。
「ひょっとして……面白れぇ動画か? 俺にも見せてくれ~~……って何で無言なんだ……?」
「……」
大知の友人達は、いつもと違う雰囲気の大知に違和感を覚えていた……そして、大知の端末から禍々しいオーラを放ってきた……!
「「うわぁぁぁぁぁぁ!!」」
オータムシティに響く、少年の悲鳴が公園中から街中へと響いていったのだ……その後、駆け付けた人々に目にした光景は……ただ、少年3人がそこに立っているだけだった……。
私達は、『魔法使いギルド』の元メンバーかつ、フューチャーファイターズメイキョウ部隊の寮母、スフィーリアと『ノック・ゼクス』所属のオペレーター、睡蓮と共に、レイト地方の悪霊を持ち去った『魔法使いギルド』の追放者である、ローデアを追いかけ、レイト地方からメイキョウ地方へと、テレポーターを使用して飛んで行った……。
一瞬でメイキョウ地方のオータムシティ駅の改札前へと、地に足をついて、賑わいを見せる場所へと真っ直ぐ歩いて行った……ビル状の建物がずらりと並んで建っており、よく見かける広告があちらこちらに貼ってある中で、人々が沢山歩いて行っている……。
「さぁ~~てと、到着いたしましたね~~! 私はお仕事でメイキョウ地方へと足を運ぶのが多いんですが、オータム区は初めてです~~」
「そうなんだ……」
睡蓮は、新鮮な空気を吸うかのような表情で辺りを見渡していた……それを横に、スフィーリアは険しい目つきで私達に話をしていた……。
「きらりが言ってた通りだと、『ローデア』の標的はメイキョウ地方にある『オータムシティ』だな! 何としてでも、止めねぇと!!」
「しっかしよぉ……オータムシティはオタクや電化製品だらけの街だぜ? ゴミ野郎が、まずやることは前のロボのような電化製品を操るのかよ?」
ラッキーは次にローデアがして来る行動を予想していた……確かに、キツネ神ノ神社でロボットを操っていたのだが、悪霊を取り入れている以上、同じ手段を使ってくるとは思えない……スフィーリアは首を横に振りながら自分の考えを言った……。
「いや……ローデアにしては、建前ってわかるな……あるものを使って、アタシや『魔法使いギルド』に勝負を仕掛けてくるはずさ……」
「あるもの……?」
私は、あるものとは何かを予想をしていた……考えている最中に時計の近くにいる、会社員の男性二人が大声で会話していた……。
「オススメは~そうだな……『フェアリーズファンタジアオンライン3』とかどうだ……?」
「それって、ガチなネトゲだろ? もっと手軽なゲームとかないのか?」
片方の会社員は、両手を拳で握りしめて、熱いまなざしで話していたが、もう片方の会社員はため息交じりで話を聞いていた……もっと手軽な物はないかと聞くと、熱いまなざしをしていた会社員は『え~?』って口をこぼしながら――
「ない! だって俺、かの有名なプロゲーマーの『スチーム・ヘッド』と一回レイドしたことあるんだ! 最も難しいとされている職業、『モンク』を華麗に使いこなしてて与ダメは1秒ごとになんと2万超えていたから、腰抜かしちまった! ブログだってさぁ、まるで運営公式かのように解説をしてるんだぜ?」
「『スチーム・ヘッド』……? プロゲーマーは『アサメッシ』しか知らないなぁ……」
「『アサメッシ』は『スチーム・ヘッド』と競い合っているプロゲーマーだな! 主に端末ゲームでトップになってるな! 今は『KALEIDO FIGHTER7』のトップリーグで上位争いになってんだよ~~! 今度、公式大会に行くんだけど、お前も一緒に行くか?」
「わりぃ……その日はちょっと、用事あってさ……」
会社員は、片手で手刀をしながら、時計から離れていった……その後、時計に残っていった方の社員はため息をついた……。
先ほどの会話を聞いて、睡蓮はある模索を入れていた……。
「これは勘ですが……『ゲーム』に関連している可能性があるようですね~~」
「う~~ん……でも、情報が少なすぎるわね……ローデアはゲームにコッソリと入るつもりかしら……?」
そういいながら、セナはもう少しこの辺りで聞き込みをした……今度は、大きなホビーショップの近くで女子高校生が二人話をしていた……片方は高い声で端末を、もう片方は難しい表情をしながらも、じっくりと端末を観ていた。
「ねぇねぇ! 観て! 『星の欠片を探して。』の第六話! まさに神回だよ~~!!」
「ええ~~? あのドラマ、演技は良かったんだけど、話が長くて耐えられない……」
「だって、『プラス20』のYukuくんがゲスト出演したんだよ~~! プラスワンとして、見逃せないよ~~! じゃ、仮に聞くけどさぁ~~あんたはどんな作品観てんの……?」
「アタシ? 今話題のショートドラマ、『君に、届けるまでの準備を』かな……?」
「え~~? ショートドラマなんか、あーしには合わな~~い! やっぱり作品は凝ってるやつじゃなきゃね!」
女子高生二人は、互いの意見を言いながら、そのまま駅の方へと歩いて行った……。
「こちらも勘ですが……『ドラマ』も関係していると思われます~~!」
「どっちも、別のジャンルだろ? 『ゲーム』と共通点あんのか? ひょっとして……次のドラマを放送停止させて、気味悪りぃ映像見せられんじゃ……!」
「ん~……そんな一瞬でテレビ局を乗っ取れるんでしょか……次のローデアを取る行動は、ゲームのチートを装い機械を暴走させる可能性の方が……」
「どっちも、マジックとは相性が悪そうだな……アタシ個人としてはもっと、引っ掛かりやすい手口で事を起こすと思うぞ、例えば――」
スフィーリアは杖を片手に床に鳴らしながら話そうとするも、搔き消されるかのようにどこからか、『助けて』や『大変だ』の声や、悲鳴が聞こえてきた……!
「何だろう……?」
「あっちから、悲鳴を挙げているわ……!」
セナは声がした方向に指を指していた……! 示した先は恐らく、大通りに続く道だと思うけど……。
「あっちって……よりにもよってオータム大通りの方かよ! 今日は歩行者天国の真っ最中のはずだ! そんなところにならず者がいんのかよ……! さっさと倒して、ゴミ野郎を突き止めようぜ!」
ラッキーはそう言いながら、大通りへと続く道に走って向かった……後に続いて、私達も走っていく……ラッキーの言う通り、現在は歩行者天国の最中な為、通行人がたくさんいるはずだが、だんだんと大通りから別の道へと逃げ回っていて人がいなくなっていた……。
私達も大通りを探っていくと、逃げ惑う人々とは別に何だか立ったままの少年三人組がいた……。
「なーんだ、ただの中学生じゃねぇか! おーい! そこのガキ共~~、ならず者やったって母ちゃんが悲しむだけだぜ~~!」
「「「……」」」
「待って……! 何だか様子が……」
三人組は、声をかけても返事はない……それどころが、何だか禍々しいオーラを放ってきて、やっと返事をしたと思うと、こう言い放っていた……!
「「「ドパガキ~~!!」」」




