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3020ストーリー~『第二の地球』と戦士の記憶を辿りながら~  作者: ユニィウルフ
〈第二章〉未来を渡りし者へと告ぐ

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〈二章アウトロ:前編〉大魔法使いが解けない問題-5


 ――「それは……かつての地球で起こったこと……人々がやる気を失い、怒りやすくなり、小さな幸せでは満足できなく習慣が発達していたそうな……満足できない日々への怨念やこのままで死んでいった後悔の魂が、大きくなり……今の『第二の地球』へと逃げ込んでいて行きました……」

「かつての地球から?!」

「はい……」


 治隆は、土台から落ちてある、紫色の水晶をじっくりと見た後、ゆっくりと天井の方を見上げていた……持っていかれた悪霊は、かつての地球の頃から現れていたそうで、治隆は声を震わせつつも詳しく説明した……。


「その悪霊が『第二の地球』へと逃げ込んでから数百年……レイト地方で、物凄く恐ろしい怪物として姿を転じ、空は暗黒に染まっていました……奴の名は『大怒破我鬼(おおどぱがき)』……主に心がなまっている者を操り、自身が思うがままに増やす魔物です……お狐様は大怒破我鬼を倒せないと悟り、自らの犠牲を引き換えに奴を封じ込め、戦いの幕を閉じた……これが、先祖代々に伝わる、アサガオノ神様の末路でございます……これは推測ですが……新たなる悪霊は『大怒破我鬼』に力を必要としていたかと……」


 閉じ込めていた怪物の伝説を耳にすると、スフィーリアは片手に持っていた杖を、強く床に着いた……。


「やっぱり……あいつは悪霊の力を狙ってたのか!! そこまでして、アタシを倒したいのか……!」

「かなりまずい事になったね……何としてでも止めないと……」

「はい……私からの追加のお依頼です……何とか『大怒破我鬼』を食い止めてください……あ奴は強い邪気を放っているので、くれぐれもお気をつけてくださいませ……」


 私達はすぐさまに、祐郎に報告をした後に、浩司から貰った使い捨てのテレポーターを投げて、急いで拠点へと戻っていった……その後睡蓮と共に、オペレーター室へと向かい『ローデア』の足取りを掴もうと、オペレーターの『フォア』はキーボードを操作して、レーダー探知機を起動した。所が、レーダーを使用するも何も反応しなかった……。


「あのクソったれが……いったいどこに逃げ込んだんだ?!」

「レーダーでも、見つかりませんね~~……」

「もう、とっくにレイト地方から姿を消したかも知れぬ……」


 祐郎は首を横に振りながらため息をついた……一体どこに姿を隠したのかをみんなで考え込んでいたところ……私の後ろから、聞き覚えがある声がしてきたのだ……。


「ばぁ~……」


 後ろを振り向くと、黄色い髪の青いパーカの少女……そう、『機星 きらり』の姿が……『レイトミライフェスティバル3020』の戦いを終えた後、彼女は最高責任者の『陸奥川 山麓』率いる『ノック・ゼクス』に入ることを決意したそうで、現在は山麓のそばで手伝っている……。


 突然としての訪問者で、オペレーター室は驚きを隠せなかった……スフィーリアは目を見開きながら話していた……。


「うわっ?! 誰だい……人が悩んでいる所に脅かすなんて……!」

「きらりは、いきなり現れる子なのよ……」


 セナはきらりの事について、軽く説明をした……きらりは、胸に手を置いてこう話した……。


「睡蓮から、連絡を受けて……キミ達が追いかけている『魔法使いギルド』の追放者がどこに向かうか、未来予知で覗いたんだ……」

「ローデアの足取りが掴めたのね……!」

「ここより東……大通りが見える……街には、フィギュアやアイドルのグッズ、電化製品が並んでいる……人々の姿は……缶バッジが沢山付いているバッグと……メイド……放っておくと……一日で乗っ取られてしまう……」

「電化製品やメイドといえば……メイキョウ地方のオータム区にある、オータムシティか……?! 一瞬でそんな遠くに逃げ込んだな……!」


 『ローデア』は一瞬で、レイト地方のアサガオ府から一瞬で、メイキョウ地方、オータム区にあるオータムシティへと向かっていた事が判明した……本来、電化製品店が沢山ある街で有名であり、アニメやゲームなどの文化も豊富な為、全地方からやってくる人もほとんどだそうだ……。


 そんな街にローデアは事の騒ぎを起こすに違いない……何か狙いなのかはまだ分からないが、ウイルスに寝返り、大型のウイルスを召喚するケースだってあり得る……しかし、今は日が沈んでいる時間帯だ……早くても朝早くになるだろう……祐郎は、オペレーター室にある白い機械に手を差し伸べた……。


「明日は拠点内に設置してあるテレポーターを使用する事を推奨する。そこから、メイキョウ地方のオータムシティへと向かってくれ」


 祐郎が示した、テレポーターのある場所を確認した後、私達はオペレーター室から外へと散っていった……その夜に、スフィーリアに屋上に呼び出されて、横風に吹かれるがまま、ベンチに腰を下ろした。


「ちょっと話したいことあるんだ、いいかな?」

「いいけど……」


 スフィーリアはレイト地方の、星や月が照らされる街並みを見ながら、微笑みを見せていた……。


「お前が『魔法使いギルド』について、色々聞きたいことがあるんだろ? まずはお礼として……美菜を支えてくれてありがとう……」

「えっ? どうもいたしまして……?」

「美菜はアタシが育てたんだよ……病死した親友と、戦で亡くした『大賢者』の異名を持つ、旦那さんの代わりにな……あの子は昔っから物覚えがよくって、幼くして3級マジックユーザー試験に合格して……趣味のお菓子作りも悔しいと思うぐらいに上手になって……もはや、『大賢者』の名を継がせたいぐらいだよ……」


 スフィーリアは勢い良く立ち上がって、屋上の手すりに手を置きながら話した……。


「ただ……知ってるかもしれないが……優しすぎて、他人重視すぎる所もあるんだよね……そのせいで無茶したり、相手に利用されたり……そこが心配なんだ……でも、そんな美菜の弱みを支えてくれるのは、ネリネや駆にウル……そして、勇者様……みんなのお陰であの子は立派なマジックユーザーななりつつあるんだ……勇者様も今のトキワタリでいられるのも、みんなのお陰であるだろう?」


 私は、自分自身に問いかけていた……タイムスリップして目が覚めた瞬間に、笑やみんなと出会ったこと……タイムスリップ前の仲間、セナと再会出来た事……その道中で様々な人達と出会ったこと……どれも、旅を通じて数ある困難や記憶を辿っていった……。


 今はレイト地方に滞在中だけど、次は浮島『TUKI』へと向かう……浮島『TUKI』では私と一緒にいた博士に関する手がかりが残っていると聞いた為、目的地につく準備を進めている……現在は、メイキョウ地方に戻って、脅威を取り除かないといけない……。


 自分に問いただした結果、スフィーリアに首を縦に振って、これまでの経緯を姿勢で表す……。


「うん……まだ思い出せてない記憶はたくさんあるけど……今の私はみんながいる……それと、スフィーリアだって『魔法使いギルド』に入るまで、長い道のりだったんでしょ……?」

「ああ、もう気づいたかな……アタシは『魔法使いギルド』のサブマスターだったんだよ……アタシの家系のしきたりはちょっと複雑でさ……男はみんな、マジックユーザーの訓練をいけなかったんだ、アタシは女にも関わらず、マジックユーザーになりたかったんだけど、『お前にはまだ早い』って、父さんから反対されちまったんだ……時が流れて、小学4年生の頃だったかな……親戚みんな、男の赤ちゃんが次第に産まれなくなったんだよ……」


 ――「あれ……? お兄ちゃんはこっちに向かったはずだけどなぁ……しばらく、立ち入り禁止になっていた裏山に入っちゃったけど……見つからないなんて……うわぁぁぁ!!」


「突然、狂暴化した原生生物は小学校の頃のアタシの目の前に、突然襲いかかってきたんだ……あまりの唐突さに、腰を抜かしちゃったけど……」


「……スフィーリア?! 裏山には入るなって言われただろ?!」

「……ごめんなさい……」

「あなたが例の……『黒魔導士』の妹さん……?」

「ス……スフィーリア・ブラウン……お兄ちゃんを追いかけてたら……迷子になっちゃって……」

「……スフィーリア……父さんに何度も言われただろう……家系のしきたりでさ……」

「でも……あの時、頭を抱えてたじゃん……! 男の子が次第に産まれなくなったって……その上で、従兄弟達が投げ出す事が多くなったんだって……!」

「盗み聞きか……」

「決まった事ばっかりが『当然』って思ってるの? 『偶然』と言う出来事、全部が間違っているの? 言っとくけど、アタシはマジック教えてくれるまで、ココから離れないよ!」

「……これ以上ワガママ言うな――」

「まぁまぁ、この子に簡単な課題を出してあげる位ならいいんじゃないかな……」

「『白魔導士』まで……明日の放課後、裏山の入口に来い……」

「本当? ありがとう……!」


「こうして……アタシはマジックの勉強に励んでいたんだ……辛くて辞めたいと思った時もあったが……何とか試験を突破して、『魔法使いギルド』に加入できたんだ……その上で、女性初の『黒魔導士』の肩書きを継いだって両親も親戚みんな大騒ぎだったよ!」


 スフィーリアは胸を張って、腰に手を当てながら話していた……確かに、『魔法使いギルド』のサブリーダーだけあって、いくつか難しそうなマジックを繰り出していたな……私は、拍手をした後、気になることを話す……。


「すごいね……でも、美菜からはもう解散したって聞いたけど……?」

「ああ、知っての通り……今は重要不足って理由で解散されちゃったけどね……当時のマスターが席を外した後……『私が解けなかった問題が――』なんとかと小言で言い残してさ……『大魔法使い』が解けない問題……マスターですら解けない問題が、アタシですら分からない」

「そうか……ヒントとかは覚えている……?」

「ん~~詳しくは覚えていないけどさ……更に小言で、何故人は積み重ねを軽視……? だったような……」


 スフィーリアは難しい顔をした後、マジックで何かを取り出していった……。


「さぁ~~てと、明日は大移動になるぞ! せっかくだし、小腹すいてねぇか……? マフィンならあるけど食べてみな!」

「ありがとう……早速、いただくよ……」


 私はスフィーリアから渡された、紫色のマフィンを口に入れた……口全体にウイルス因子があるかと思う位なら味で、触感も良く分からないような感じだった……。


「美菜のお菓子の方が勝つ理由が、間違いなく分かった……」

「え~~?! せっかく愛情込めて作ったのに、酷いなぁ~~!!」


 そんな中で、私はスフィーリアと賑やかな夜を過ごしていた……明日はメイキョウ地方でローデアを追うこととなる為、会話が終わった後、スフィーリアに『また明日』と告げて、速やかにベッドで横になった……。



 ――その一方で……。

 翌日のメイキョウ地方のオータムシティの住宅地……休日のオータムシティは人々がグッズやライブなどを求めて歩いている中で、一軒家に住む少年は、母の困り果てた顔を他所にソファーの上で横になっていた……。


「大知(だいち)……もういい加減、端末から目を話しなさい! 休みの日、ダラダラしてばっかりよ!」

「うるさいなぁ、分かったよ!!」


 中学1年生の大知は入学してから貰った端末で、『ツブヤキリンゴ』や『コーンティック』を見ることに夢中になっている。そのせいで、宿題を忘れかけたり外に遊びに行かなくなったりしていた……。


「全然、分かってません! ほら、暇ならおつかいにでも行って来たら?」


 母親は大知に手提げ袋を強く差し出した……それでも、大知は視線をそらしながら話した……。


「ええ……何だか行く気がしない……」

「お母さんだって、忙しいのよ! 若いうちに外で気分転換しなさいよ! それじゃあ、よろしくね!」

「ちぇ……」


 母親の言葉に押されて、大知は仕方なく、商店街へと行くことにした……息を切らした大知は、向かう道中の公園のベンチに腰を下ろし、またもや端末を開く……。


「面白そうな動画だな~~……」


 大知は目を輝かせながら、端末を触った……しかし、これがメイキョウ地方の脅威だと、誰もが知る由もなかった……。


ここまで読んでくれてありがとうございます!

残された時間はどう使うか……私も慎重に検討しないといけませんね……。


後編に続く!

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