表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/216

095

招き入れた段階で好感度MAX妹枠です。上限突破するとヤンデレ化するかもしれません。リズはゴリゴリ行くタイプなので、負けじとコトハさんとフィイさんがヒートアップする可能性も……。


「もしよかったら俺たちのパーティーに入らないか? コロシアムを周ったり、釣りをしたり、俺たちは毎日楽しくやれてるし、リズにとっても居心地のいい場所になれると思うんだ。どうかな」


「……」


「リズ?」


「あ、えっとごめんね。その、リズなんかをさそってくれるって思ってなくて、それで」


 リズは自信がなさそうに視線をきょろきょろさせている。


 彼女が言う通り、今までろくにパーティーを組んでもらえなかったんだろう。まったくここの冒険者は見る目のないやつらばかりだ。強いアタッカーだけを揃えてもパーティーは機能しないんだぞ。タンクやバッファーはかなり重要な役割を持っているのに。


 実際、ここ数日コロシアムに挑戦する冒険者たちを見ていたが酷いものだと全員アタッカーでタンクやバッファーは零なんていう編成もざらにあった。


 この火力至上主義的な考えは初心者が最も陥りやすい罠だ。まともにジョブの役割が機能していないゲームならともかく、ADRICAじゃそんな真似は通用しない。


 むしろ補助役のジョブこそが主役となるダンジョンも数多くあるのだ。


「リズは悪くないよ。絶対に力になれるから俺たちのパーティーに入ってほしい」


 彼女へとパーティーに加入するための招待を送る。


 眼前に表示された招待画面を見て、さらに混乱するリズ。承諾か拒否かで迷っているようだったが、決心ついたリズはやがて承諾ボタンにタッチした。


〝新たなパーティーメンバーが加入しました。リズベット、職業カタクラフト、Lv160〟


 無機質なSEが鳴り響く。俺たちに新しい仲間が増えた瞬間だった。



      ◇



「じーーーーー」


 とわざわざ凝視しているさまを口にしてくるコトハに、


「ジーーーーー」


 便乗してジト目のまま見つめてくるフィイ。


 SEは同じメンバーである彼女たちにも聞こえていたようで、リズが仲間になった途端、二人は一目散に駆けつけてきた。


 そして俺をおにいちゃんと呼び、すり寄ってくるリズを見ては「この女たらしが」みたいな視線を向けてくるのである。


 俺、無実なんだが。


「ねえフィイ、突然アルトに妹ができたわよ。今度はどんなチートを使ったのかしら」


「しかも既に好感度がMAXなようなのだ……何でも知ってるアルトくんはきっと、女の子の攻略手段も熟知しているのだ……」


 なにその不名誉な勲章。おかしいな、俺のやっていたADRICAはMMORPGでGal(ギャル) Game(ゲーム)じゃなかったはずなんだが。


「えへへ……リズを拾ってくれたのはおにいちゃんだけ……おにいちゃんすき……」


 二人にもお構いなしに、リズが俺の腹部に頬をすりすりしてくる。


「……」


 その瞬間、ピシっと空間に亀裂が入る音が鳴った。いや鳴ったような気がした。


 コトハとフィイが剥き身の刃みたいに鋭利な眼差しで見つめてくるのである。


 ちょっとこれは誤解というか修羅場に過ぎるのでは?


 帝釈天(インドラ)さまが二体もいる修羅場なんて、阿修羅(あしゅら)さまだって乗り越えられない。俺は今日生きて帰れるのだろうか。


一緒に冒険する仲間はこれで全員の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご愛読頂き有難うございます
星5評価ブクマレビューなどを頂けるととても嬉しいです。モチベーションが上がります。

ADRICAのMAPです(随時更新)。
MAP MAP MAP
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ