最高で最悪
---終わった初デート---
観覧車の恐怖が終わり、フラフラな状態にて地に足をつけた・・・地面って素晴らしいと素直に思った。
私の高所恐怖症は重症だ・・・仕事で三段脚立から転落したり、片かけ脚立が滑り転落して・・・それからは高所に行く・・・いや、ショッピングモールの2Fから1Fを見下ろすだけも足が竦んで動かなくなるレベルだった。
「なんか・・・ごめん」
私はただただ、それしか言えなかった。彼女は少し、無言のままだった。
これは終わったなと思いつつ、しょんぼりして歩いていた・・・
「・・・ふ、ふふ、ふふふ、はははw何これw自分でノリノリだったのに高いところ怖いとかw面白すぎだわwこれからデートのたびに高いところ行こうw」
彼女は笑いながらそういった・・・鬼だと思った・・・思えばこのあたりから・・・私は彼女に勝てないのを実感した。
「ちょっ、高いところは勘弁して・・・」
慌てながら、私は彼女に高いところに行かないように説得した。彼女はニヤニヤしながらそそくさと逃げていった。
その日は、その後にショッピングモール内をぐるりと回って帰宅した。
このデートは記憶の中で最低で、最高のデートだった事を私は忘れないと思います。
---続く---